2010-01-01から1年間の記事一覧

[農の暮らし] アリジゴク式のネズミ捕り

夜明け前、Oさんが涼しいうちの一仕事をしている。 「ジャガイモ、たくさん入っていますか。」 訊くと、 「まあまあだね、ネズミがかじっていますね。」 「ネズミ? ジャガイモをネズミが?」 「ええ、ネズミ。」 「去年私とこではサツマイモがかじられまし…

 子どもの水遊び場を復活させよう

ランを車に乗せて、家族で烏川渓谷へ水遊びに行った。 水遊びをするのはラン、それを見守るのは僕ら夫婦。 久しぶりに車に乗ったランは、後部座席に正座して窓から景色を眺めている。 いい景色だなあ。 渓谷に入ったとたんに、ランは興奮し出した。川に来た…

  ばかげた競争

月見草 先日、大日小屋のことを書いたが、そこからの下りを書かなかった。 その下り道、のんびり山旅になるはずだったが、とんだことになった。 ぼくと北さんは、立山から剣岳に連なる稜線から西へ分かれて大日岳に向かい、 大日小屋を通過して大日平への下…

  蚊

左のひじに、ぽっと止まったかすかな感触、見ると薮蚊だ。 パチン、蚊は非情な一撃でお陀仏となった。 窓の外に草むらがある。そこから入って来よったか。 仮の児童館の窓には網戸がなく、やってきた僕の朝一番の窓開けとともに、昨夜の雨でうるおった草むら…

 炭素循環農法の威力

ブラックベリーの実もたわわ ゴーヤの緑のカーテン 去年のジャガイモの小さいのが収穫時に土中に取り残されていた。 それから勝手に生えてきた株がよく茂って、50坪ほどの小さな畑の畦間(うねま)や畦のきわなど、あちこちでジャガイモの存在を誇示してい…

 山小屋の赤い屋根

梅雨が明けたら、ガンガンの日射だ。 それでも日の出前の安曇野は香り立つ風が吹く。 久しぶりに常念岳が静かに姿を現し、もうすっかり夏の山だ。 雪は谷間に少し、常念岳と横通岳の鞍部の雪田は点になった。 常念からなだらかな稜線を左へ視線を移していく…

 君臨するもの

国会議員には二世、三世が多い。 私がかつて住んでいた奈良でも、地域の有力者として大きな力を持っていた政治家が亡くなるとその息子が跡を継いだ。 二世が村にやってくると、代々この地で生きてきた人たちは、一世のように盛大に迎える。 地方には、村の規…

 「人の美を成す。人の悪を成さず」

「犬のお父さん」のコマーシャルを制作した佐々木宏が、新聞で(朝日「耕論」)、 今の日本の政治家批判は、「クラスのいじめの構造に少し似ている」と書いていた。 「いまのマスコミと世論は、政治家に対してネガティブチェックだけになっている。 クラスの…

 コーヒー、生豆を焙煎して飲むうまさ

ゴーヤの茂る、緑のカーテン 買ってきた焙煎済みのコーヒー豆を、手回しのミルでゴリゴリあら引きにする。 膝の上にミルを置いて、いっときの粉引きの手作業が楽しみ。 熱い湯を注いで2、30秒蒸らしてから、糸を引くように湯を回しいれてたてたコーヒー、…

 ハクビシン・アリ・ミミズ

道路際に、一匹の獣が横たわっていた。 死んでいる。 でも、きれいな身体だ。 鼻筋が白く、身体は灰褐色、体長は5、60センチはある。 タヌキではない。アライグマでもない。 ひょっとするとハクビシン? 不思議なことに、同行のランは気づいているのか気づい…

 児童館活動と学校教育

地元児童館の準備会があった日の夕方、 「この記事読んだ?」 と家内が言ってくれたのは児童館の役割について書いている実践者の新聞記事だった。 「いや読んでない。」 その朝、新聞をざあっと目を通したつもりが、そこは素通りしていた。 家内が知らせてく…

 夏休みの子ども

夏休みに児童館に来て遊ぶ子どもたちに、指導員のほうで用意する企画の準備会があり行ってきた。 昼間は子どもだけになる家庭の小学生の遊びスペースを、行政で保障し子どもの安全を守る、 そのひとつとして児童館が全国的につくられた。 昔夏休み、子どもた…

 安曇野の景観、いい所・悪い所

市民への「景観アンケート」でもとるといいんだが。 安曇野で、ここがいいと思っているところはどこですか、 安曇野で、ここはよくないと思っているところはどこですか。 付け加えて、「どうしていいと感じるのですか。どうしてよくないと感じるのですか。」…

ぼくらのヒーロー徐くんが逝った

久しぶりに大阪の実家に帰ったとき、小中学校時代の同窓生、勝美君に会った。 小学校時代の腕白は、転入してきた僕にいじわるをしたり、我が家の隣の藪にカスミ網をしかけて、小鳥をとったり、 終日、寺の境内で悪童連中とビー玉などで遊びほうけたりしてい…

 小布施のオープンガーデン

日曜日、北信濃の小布施町へ行ってきた。百数軒のオープンガーデンを見るためだ。 一つの小さな町が、町おこしの一つとして行なってきたオープンガーデン、 それが100を超えていて、一冊のガイドブックまで作られていることに感心する。 オープンだから、…

 苦難に対処する思考

桑の実 就寝した後、いつもはすぐにぐっすり寝込んでしまうのだが、その夜は頭が冴えていた。 今の仕事の難局が頭に浮かぶ。 試行錯誤しながらやってきた困難な場面が頭につぎつぎ展開する。 問題点が浮上してくる。 この困難な状況は仕事への自分の厳しさが…

 「南ア・チャバララ選手  希望の一歩」

サッカーのワールドカップ南ア大会が始まり、 朝日新聞に掲載されていた記事をコピーして、生徒たちに読ませた。 新聞の切抜きや、TVのドキュメンタリーの録画など、 その折々の時代や社会を切り取って授業の中へポンと投げ込み、教材とする、 僕のよく使…

 ホオジロ

開田記念の碑 御高齢のお二人、空を見上げて何やら話をしておられる。 老婦人二人が空を見上げて熱心に話をしている光景なんて、不思議な新鮮さがあった。 何があるんですか? 聞いてみたら、 二人は生垣の向こう側に立ったまま電線に止まっている小鳥を見上…

 複雑多様な「気」

近くに骨董屋がある。店の外に古道具が雑然と置いてあり、雨ざらしだ。 軒先に置かれた古ダンスがあった。 軒の下だが、「気」になる。 「これ、大丈夫かね。」 と言ったら、 何が「気」に入らなかったのか、店のオヤジが怒り出した。 「帰れえ。」 こちらの…

お稲荷さんの社から飛び出してきた狐、 ちらりと僕のほうを見て、 麦畑に音もなく入り込んでいった。 十メートルばかり先、 麦の穂はしんと動きもしない。 ランは狐のみごとな隠遁の術に化かされて、 その道路横断さえ気づかなかった。 畔道へ来て、狐の匂い…

 いたわり、ねぎらう

「おつかれさまです」 日中技能者交流センター研修所のリエさんは、仕事の中でしばしばそう声をかけていた。 たいして疲れてもいないよ、と言いたくなることもあったが、 それがあいさつ言葉になじんでしまっていた。 いつもいつも、優しさが言葉にこもって…

 聖なる樹

桜の古木、4月開花のころ 午前5時半、ランを連れて散歩に出た。 すがすがしい朝の野なのに、心が晴れない。 その理由は明らかで、それが頭の中をぐるぐるめぐっている。 うつうつとした気分で、農業高校の農場まで来た。 農場の真ん中には桜の大木がある。…

 沖縄基地、動かない本土

日本という国、どうなっているんだろう、 異様な感じがする。 政府への批判活動は、昔も今も変わらず存在するけれども、 批判するものの主体と質が、変わってきている。 かつては弾圧を受けることも覚悟しながら、民が思想を練り、直接行動を行い、歴史の歯…

 樹木葬霊園の森林公園をつくりたい

モッコウバラが咲いている。続いて白バラも。 今年4月の「かくらんの会」で、 「樹木葬の森をつくらないかね。今、全国的にも注目されている樹木葬だよ。」 と、会の陽気な勢いにつられて出してみたら、みんな乗った。 「それいいね。」 7人みんな、他府県…

 尾崎喜八 『田舎のモーツァルト』

自然と勤労の詩を書いた尾崎喜八の、『田舎のモーツァルト』という詩がある。 詩の舞台は、安曇野。 『田舎のモーツァルト』 中学の音楽室でピアノが鳴っている。 生徒たちは、男も女も、 両手を膝に、目をすえて、 きらめくような、流れるような、 音の造形…

 愛称は憧れを乗せて

犬のシロちゃんちの前を、ランを連れて歩いていた。 見るとガレージに入れてある型の古い車は「セドリック」だ。 なつかしい名前だな。 日本の車の名前はカタカナ横文字が普通になっている。 以前我が家は、「スターレット」につづいて「カローラ」を使って…

 昆虫少年は生き続けるか

これがその、庭に生えてきたキノコ、エリンギ。菌床の中から出てきて、生育条件がぴったし合ったのだろう。 部屋の中をふらふらとはっていくものがいる。 ゲジ君。 ゲジゲジのように嫌われる、というが、 ゲジゲジは、ゴキブリを捕まえて食べてくれる虫だ。 …

  罰が当たるよ

じいさんは、 「目がつぶれるぞ」 それだけ言った。 じいさんは一日田んぼで働いてきた。 夕飯を食べ終わったぼくの茶わんに、一つ残っていた飯粒。 ぼくは茶わんにくっついた一粒をつまんで食べた。 麦畑にヒバリが巣をつくった。 ヒバリは麦の中から舞い上…

 庭にキノコが生えてきた 

三日月のすぐ上に宵の明星(金星)。どこかで見た国旗のデザインみたいだ。夜の帳(とばり)が下りたころ、常念岳と金星と月。かすかな手のブレが月も星もぼやかしてしまいました。 小さなデジタルカメラです。金星と月は夜空に輝いています。これもかすかな…

 ゆうこちゃんからの旅日記

豊科から穂高の満願寺に向かう旧街道「栗尾道」にある標識。江戸時代、十返舎一九もここを通った。 ゆうこちゃんは5日、大糸線の普通列車で松本に出て中津川行きに乗り換え、南木曽で途中下車、妻籠を散策して, 栗きんとんを食べ、抹茶をいただき、その日の…