2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 被災者の避難

毎朝1時間ほど、このところSさんとの会話はもっぱら地震災害のことだ。 春休みの子どもたちが児童館にやってくるまでの間、二人だけまだ寒々とした部屋で向かい合うと、相棒の白髪頭のSさんはたっぷり仕込んできたおしゃべりの種を開陳し始める。 自分で考…

 今何が起こっているのか

ランを連れて、国営アルプス公園の拡張予定地に行った。 そこは里山の直ぐ下、いずれ公園になるのだろうが、まだ工事も何も進んでいない棚田で、「公園予定地のために動植物の採集を禁ず」の札がいくつも立てられている。 その境界に沿って歩いた。 広大な敷…

 焦土のなかで <昭和20年、かの日>

東日本大震災の姿は、さながらかの日そのものだと、記憶は叫ぶ。 1945年、日本の都市はほとんど焦土と化していた。 『昭和万葉集 巻七』(講談社)、敗戦直後の歌をよむ。 焼跡に焼けたるものを集め建つ天地根源づくり小屋一つ 藤沢古実 「天地根源づく…

 祈り

トイレに行くと、しんしんと冷えた。氷点下6、7度は行ってるなと思う。 時計を見ると午前4時を回っていた。まだ外は暗い。それから布団の中で考えていた。 寝具の中は暖かい。だが今このときも、被災地の人たちは、暖房も電気もなく、空腹のまま寒さに耐…

 ニュースの中の事実と主観

ニュースは事実を報道するものであるが、完璧に事実をとらえて報道することはきわめて難しい。 ひとりの記者が「事実」を観たり聞いたりして、一つの認識を得たとしても、その認識は「事実」とは別のものである。 「山のような津波が押し寄せた。」という文…

 大地震を超えて、連帯する心

地震の翌日、法事で帰ってきた生まれ故郷・大阪の兄の家で新聞を見た。 読売新聞の朝刊は、全ページが東北巨大地震の記事と写真で埋まっていた。 前日、大地震が発生したとき、ぼくは特急「しなの号」の車中にいて、座席に座って眠っていた。 突然車内放送が…

 前原誠司氏、辞任

焼き肉店主のおばさんは、中学二年で父親を亡くして近所に引越しをしてきた前原誠司氏を息子のように思って付き合ってきた。 そしておばさんは、年に5万円、合計して25万円を前原氏に献金した。 それが原因で前原氏は外務大臣を引責辞任した。 朝日新聞は…

  バンコックで、4日間の友

旅の中で出会い、数日を共に過して別れ、再び会うこともなかった人、 我が旅の道程を風のように通り過ぎていった人、 行きずりの人は通りすぎれば消えてしまう、だがその人の記憶は不思議に心に残っている出会いがある。 何日間か、その人と過した日が友情の…