2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 国民の責任

「不慮の災難」という。「不慮」は思いもかけないこと。 まさかそんなことが起こるとは考えもしなかった。エジプトで熱気球が燃えて落下し死亡、アルジェリアでテロによる技術者の死亡、毎日毎日、交通事故に火災事故、殺人事件など絶えることがない。 日常…

 何を信じて生きてきたか  

あなたは勝つものとおもってゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ 土岐善麿の、昭和21年の歌である。「この戦争は勝つと、あなたは思っていましたか」と年老いた妻は寂しげに言った。このときの妻の心、これでは勝てるはずがないと思いつつも、勝つと信じ…

 今日はアフタヌーンティー

「アフタヌーンティー 1時半ごろおこしください。手ぶらで、そのままで、気をつかわずに。おしゃべりして元気になりましょう。」 そう書いて、我が夫婦の漫画を描いて、ポストに入れておいた。巌さんが、田舎の人は気を使って何か持っていかなけりゃと思うん…

 安曇平の扇状地

常念岳から蝶ヶ岳に連なる山々の水が、烏川となって安曇平に流れ落ちてくる。川は、治水工事の不十分な時代はしばしば氾濫し、流れが北に寄ったり南に移ったり、それ故、烏川の扇状地は、堀金地区から穂高地区までかなり広い範囲に渡っている。 扇状地は岩石…

 夢

やっぱり防風林が必要だな。 この春の嵐には防風林がいる。 だが、防風林をつくるスペースも、屋敷林も、我が家にはないから、 せめて風除けに、4、5メートルの高さの木を、南側に植えたいものだ。 ここは南風がよく吹く。 春は特に強く吹く。 我が家の生垣…

 唱歌と童謡

江戸時代の日本の教育風土はなかなかのものだったらしい。 18世紀末から明治維新にかけて、郷学(ごうがく)と呼ばれる学校がいちじるしく発達した。それは村里の学校で、藩主の設立した郷学は藩士の子弟向け、民間の有志が設立したものは庶民の子弟が学ん…

 大正から昭和へ、そして現代

このビニールハウス、暴風でボロボロになっている。 歌「早春賦」は、1913(大正2)年に発表された。だから今年は誕生100周年。吉丸一昌作詞、中田章作曲の歌である。 ところでこの大正時代は、大正デモクラシーと呼ばれる民主主義的改革運動が盛んだった。…

 今日は少々疲れた

今日は少々疲れた。午前は講師をしている通信制高校の卒業式だった。卒業生は15人。3年間で卒業できる人、4年かかった人、5年目の人、一人ひとりの生活があり、そのなかで、スクーリングの規定時間を出席し、レポートをこなした生徒たちだ。全日制高校…

 花咲き、虫たちが出てきた

朝日が背後から昇ってきて、ぼくとランの影が道に映っている。長い影だ。左はぼくの脚から上、右はラン、しっぽがぽこりと上がっている。リードも映っている。 スイセンのひとつの種類が開花し、黄色い花が短い背丈のままで、ごあいさつしている。クロッカス…

 ふきのとう、おこわ、たくわん

畦に生えているフキノトウがたくさん採れた。フキノトウも大きく太ったのや、細くやせたのや、さまざまだ。芽を出す時季もさまざまで、早いのは12月だと、ヒデさんが言っていた。それは土の中からほじくりだすようなフキノトウだ。今出ているのは、花がまだ…

 子どもの遊び研究

1、子どもは遊びを創造する達人である。 2、子どもは遊びを通して、能力や感性を豊かにする。 3、子どもは友だちとの遊びを通して、友情を育む。 4、子どもは遊びを通して、自然と交わり自然から学ぶ。 子どもは遊びを創造する達人であるから、遊び道具…

 人形劇「ビートルズの公演」

今朝は地区の住民総出による水路掃除だった。 教師になって初めて赴任したのは大阪市立淀川中学校だった。22歳から28歳まで、ぼくは学校と山を舞台に子どもたちに没入した。一日の授業が終わっても、夕方5時の下校時間まで子どもたちと一緒に、ほとんど…

 春休み、いっぱい遊ぼ

道で学校から帰ってくる小学生に出会った。4人はランドセルのほかに大きな画板のようなものを持っている。 「お帰り。大きなのを持っているね。なに?」 「絵だよ」 「ああ、学校で描いたの?」 「うん、あしたから春休みだから」 「そうか、春休みかあ。い…

 卒業式を参観した

式場は静まり返った。「卒業生入場」と、司会のアナウンスがあり、二階席に陣取っているブラスバンドが演奏を始めた。男生徒と女生徒のペアが数メートルの間隔を置きながら、並んで在校生の間を正面の演壇に向かって歩いて来る。拍手が湧く。 卒業生102名は…

夢うつつの頭に浮かんでは消える二本の道があった

朝方、夢うつつの頭に、浮かんでは消える二本の道があった。眠りながら考えていた。 1945年の敗戦をゼロ年とし、それから今年の2014年まで数えると69年になる。 次に、明治維新のゼロ年を起点にして、そこから同じ69年を数えた。すると1937年だ。このふたつ…

 キジ、チュウヒ、ムクドリ、スワロウ・ボウル

[ スワロウ・ボウル→ 一羽のキジが冬枯れの野を、首をすっと上に伸ばしてトコトコ歩いている。直立する首は、野の海原に伸ばした潜望鏡だ。キジはぼくらを見ている。見ていないようで見ている。ぼくとランもキジを見つめている。ランは見慣れたカラスにはま…

 広島県江田島市の実習生による殺傷事件を考える

穂高東中学校の校庭 またも不幸な事件が起こった。広島県江田島市のカキ養殖場での、中国人実習生による殺傷事件である。受け入れ事業主の社長ともう一人が死亡した。実習生は昨年9月ごろ日本に来たというから、半年になる。順調な実習生活であれば、仕事に…

 地域社会の目指す方向

昨日の風は猛烈だったようで、朝ウォーキングしていると、ゴミステーションのプレハブ小屋が10メートルほど吹き飛ばされ、屋根を下にして逆立ちしていた。安曇野のあちこちで被害が出ているようだ。ビニールハウスや、農小屋が飛ばされたり、屋根を持ってい…

 視界不良、未来混沌

庭木の剪定枝や豆がら、ほうきぐさの枯れたのなどを燃やして草木灰にした。たくさんできたことに満足し、あした肥料に使おうとそのまま冬枯れの畑に残しておいたら、夜中からまたもや嵐が来た。朝になると、草木灰はことごとく風に飛散してしまっていた。風…

  3.11、午後2時46分

3.11、午後2時46分、 インドネシアのバンダアチェでは、国立第1中学校で追悼式典が開かれ、日本との連帯を呼びかけた。インドネシアでは、2004年の大地震・大津波で、22万人以上の犠牲者が出ている。子どもたちは黙祷をささげ、日本語の歌を歌い、人…

 震災を詠んだ短歌と俳句

昨年夏の福島の子どもたちの保養キャンプ 朝、新聞を読んでいく。 歌壇・俳壇のページが出てきた。 ああ、今日だから、今日だから、この歌と俳句のなかに、あるにちがいない。 投稿された人の歌と俳句と住所を見ていく。やはりあった。福島の人の歌があった…

 「新相馬節」

ふるさと相馬を想い、「はるか彼方は〜 相馬の空かよ〜 相馬恋いしや〜 なつかしや〜」と歌う男性が号泣するテレビの画面を観て、悲しみが胸を突いた。あれから二年がたつ。 想いをのせる歌にこれほどぴったりの歌はないのではないかと思う。その地に生きつ…

 薪をもらう

土曜日は合唱練習 石垣の上に土塀をめぐらせ、そのなかに屋敷林がうっそうと茂っている。昔は庄屋だったんだろうか、大屋敷だ。なかを入り口からのぞくと、人が住んでいそうになかった。幽霊屋敷のように庭に物が散乱し、古家の壁土はあちこち崩れている。廃…

 ブルーベリーを植えよう

碌山美術館 今ごろ畑の天地がえしをしている。右足をスコップの上に置き、ぐいと土にさしこむ。鉄の部分を全部土にさしこんで、スコップを土ごと持ち上げ、ひっくり返す。水分を含んだ土はそれなりの重さだ。小さな草の生えているところは、ひっくり返すと草…

 組織なき一市民、湧いてくる強烈な想いがある

人間だれでも、「これを実現したい」という強い欲求に駆られて動き出すことがある。夢・希望の実現に向けての行動であったり、自分の役割、義務の遂行であったりする。 自分の人生を振り返れば、「これをやりたい」で、最も大きかったのは当然学校での教育活…

 ツグミの水飲み

庄野潤三のエッセイに、「つぐみに学ぶ」という短文がある。 庭の木陰に水盤がある。そこへ小鳥たちが水を飲みに来る。その水は、奥さんが毎朝井戸からくんできて入れ替えている。その文章の一部をここに載せるとするか。 「うぐいすなんかは、二口くらい飲…

 エロシェンコの親しい友だった秋田雨雀の童話「先生のお墓」

秋田雨雀(1883年〜1962年)はワシーリィ・エロシェンコの親しい友であった。 エロシェンコと同じように秋田雨雀の父も盲目だった。二人の出会いは大正4年の春、苦しい劇団運営のため絶望的になっていた秋田は、盲目でありながらエスペラント運動に献身する…

 ワシーリィ・エロシェンコ <3>

話の続きを簡単に書いておこう。 皇帝ニコライ二世のおじにあたる大公が盲学校の参観に来た。大公はモスクワ総督だった。警官や憲兵がものものしい警備についた。 講堂に生徒は集合するよう命じられ、予定時刻より20分ほど早く合図の鐘が鳴った。が、エロ…

 ワシーリィ・エロシェンコ <2>

ワシーリィ・エロシェンコの書いた「ある孤独な心 ―モスクワ盲学校の思い出―」には子どものころの葛藤が現れている。 彼は4歳のころに失明した。そのころは、色も光もない世界に流れる涙をとどめることができなかった。だが、それをのろっているかと言えば…

 ワシーリィ・エロシェンコ

新宿中村屋で相馬黒光が応援した、南ロシア(現ウクライナ)の詩人、ワシーリィ・エロシェンコは日本語で童話も書いた。「少年少女 日本文学全集」のなかにも加えられている「鷲の心」「せまい檻」「一本のなしの木」「海の王子と漁師」などは童話、「ある孤…