2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 アイヌ、先住民族

「真っ赤に色づいたオンコ(イチイ)の実を採ってきて、 果実酒をつくった。 2時間かかって、オンコの実を摘んだ。 手間はかかるが、これも楽しみの一つである。」 私の住む信濃の堀金では、イチイの木が郷土の木になっている。 生垣にも庭の木にも、イチイ…

 わが友、わが人生

何歳になっても、出会ったその人と親しい友になるということはあるものだ。 定年退職後の人生を、第2の人生というのは、順番としてはそうではあるが、 むしろ第2のほうが本番かもしれないと思えることもある。 2002年に、日中技能者交流センターの中国…

 朝の音

遠くで何か音楽らしいものが聞こえる。 駅に近い、住宅に浸食されている田んぼの中の道。 聞こえてくる音は、少しずつ音楽らしくなってきた。 車のスピーカーから出てくる音楽だろうか。 進行方向を見通しても、車の姿はない。 それにもかかわらず音楽は聞こ…

 しずめ石

国分一太郎さんは、東北なまりでおっしゃった。 「いやあ、部落をしずめにしたという 『しずめ』の意味が分りましたよ。 『しずめ』というのは魚釣りのときの、 ウキの下につける重しの『しず』なんですねえ。」 身分階級のいちばん下に置き、 労働者、農民…

 廃材をもらって工事

庭に重機が入って、二階建ての木造家屋をつぶしている。 我が家からすぐ近く、生垣に囲まれた家で、母屋を新しく建て替えるらしい。 見ながら通り過ぎて、そのときは考えもしなかったが、しばらくしてから、 この家から廃材が出るなあ、手に入らないかな、 …

 大鎌で草を刈る

ヨーロッパの農民が畑の中を大鎌で刈っている絵を見たことがある。 その印象が強く記憶に残っていたから、隣の座席のロシア人に、大鎌の絵を描いて見せたら、 「コサ、コサ」と言った。 大鎌のことを「コサ」というのだな、ふーん、じゃあ、これは? 次の質…

 修学旅行のこづかい

指導というもの 新聞の「声」の欄に、ひとりのお母さんの投書が載っていた。 中学校の決めた「修学旅行のこづかいの上限は1万2千円」に驚き、 「2泊3日の旅行に1万円を超える小遣いを持たせていいのか」、 と悩む。 が、修学旅行中に子どもたちがグルー…

ツバメの巣づくり

つがい(夫婦2羽)のツバメが家の軒に巣を作っています。 人間の家の軒に巣を作るのは、人間のいるところでは、カラスやヘビが来ないことを知っているからです。 カラスやヘビが来ても、人間が追い払ってくれるでしょう。 昔、昔から、人間の家に巣を作るこ…

 ウォルター・ウェストンの見た信州(3)

常念岳登山 現在、烏川渓谷の入り口にあるウェストンの胸像は、明治27年(1894年)に、彼が常念岳に登ったときのことを記念して建てられたものだ。 彼は、前年にも計画してやってきたが、天候不順で常念岳に登ることができなかった。 登山は、安曇野の現堀…

 天然酵母を起こしてパンを焼く

かあちゃんのパンづくり こんなすてきなパンに焼けた。 上は、レンコンとゆず胡椒入り 下は、紅茶(アールグレイ)とプルーン入り かあちゃんがはまっている天然酵母パンづくり。 天然酵母を起こして元ダネをつくり、二日に一回焼いている。 酵母菌は自然界…

 ウォルター・ウェストンの見た信州(2)

ウェストンは嘉門次の案内で穂高に登るために、島島村の隣の橋場の部落に来ると、 ひどい雨になった。 天候の回復を待って、ノミの巣のような、宿の寝床にごろごろしているのも退屈になり、 彼は村の中を雨合羽を着て歩いてみた。 広い庭の一軒の家に入って…

 ウォルター・ウェストンの見た信州(1)

ランと初めて、烏川渓谷の入り口にあるウェストン像の前に来たとき、 ランは怖がって近寄らなかった。 怖がりのラン、近くの畑の案山子を見ても警戒した。 今はこの両方に慣れてしまったが。 安曇野のウェストン像は、ほとんど人に知られていない。 ウェスト…

夜明け前、頭に浮かんできたこと

教師の職責 夜明けまでまだ時間がありそうな暗さだった。 寝床の中、頭は夢うつつの状態で思考を始めた。 次期の仕事が近づき、頭が仕事脳になってきたか。 今年3月、あの日の彼ら、 勉強が猛烈に遅れていた。 あんなに理解のとろい連中がかたまったのは初…

  桑の実

このごろ、朝の散歩の収獲は桑の実です。 朝五時になると、ランが、「朝だよ、散歩だよ」と、廊下で、 カタカタカタと、足音を立てるものですから、それが目覚ましです。 それを無視して寝ていると、ウォッ、と小さく小さく吠え、 さらに寝ていると、ワンと…

 「自分」を見つめた死刑囚(3)

永山則夫「無知の涙」 永山則夫は1969年に逮捕され、その年の7月から大学ノートに書き始める。 「無知の涙」はノート10冊に及ぶ。 中学を卒業して定時制高校に入学するがほとんど学校へ行かなかった彼は、獄中で猛然と独学し始めた。 心理学、哲学、…

「自分」を見つめた死刑囚(2)

永山則夫「無知の涙」 「ノート5」から <1月26日> 憎悪が人の思惑の中にあるのと、ないのとでは、その時その日の生き方が違ってくると思う。 目ざめの時期、おのれ固有の責苦になるが、それを通り越し、 やがて世間の仕組みを知るようになると、 他へ…

 自分を見つめた死刑囚(1)

永山則夫「無知の涙」 1968年、4件の連続射殺事件を起こし、 4人を殺して逮捕された永山則夫は、死刑判決を受け、 97年に死刑を執行されてこの世から消えた。 永山は、刑務所のなかで本を読み、字を学び、生まれて初めてノートにつづった。 「私」と…

 人間を成長させる体験 

厳しい行事の中にあるもの ぼくが、山梨県甲府第一高校の「105キロ 強行遠足」の実践を知ったのは、ずいぶん昔のことだった。 その遠足をドキュメンタリー番組で知ったときは驚きとともに深い感動があった。 毎年10月初旬に行われている伝統行事で、遠足…

  ツバメ、巣づくり

去年は巣を作ってヒナを育てたツバメが、今年は巣づくりしないなあと思っていた。 日本に帰ってきた早いツバメは4月には巣をつくっていたから、もう今年は我が家にツバメは来ないものと決めて、 稲田の上を飛ぶツバメを眺めていた。 ところが昨日、6月も上…

  種取りタマネギ

のこぎりで木を切ろうとしていたら、人影を感じた。 顔を上げると、裏のタマネギ畑のおじさんだった。 裏の畦を下りて我が家の庭に入ってきたおじさん、おじさんと言ってももうかなりの年であることが顔に現れている。 「すみませんが、お願いがありまして、…

 お奨めウォーキング道 <豊科駅からアルプス公園まで>

ソバ畑と麦畑 検査をすることになっていたから、病院まで25分、自転車で行った。 天気がよければ自転車がいい。 駅まで歩けば小1時間かかる。行きは下り道だ。 うっそうとした神社の木々の下を抜け、古い農家の土壁の倉にそい、 庭に咲く花を見、田んぼの…

 上田紀行、ダライ・ラマとの対話(2)

日本の未来、人間の生き方 文化人類学者の上田紀行氏との対話で驚くのは、ダライ・ラマの知見は高く、その思想がきわめて科学的で、現代の世界の状況を認識しながら人類の未来への道程を探るものであったことだった。 ダライ・ラマは、ただ信心すればいいとい…

 自己紹介/家庭訪問/教師仲間をつくる

子どもを知る 子どもと仲良くなる S先生は、5月になって学校へ来なくなった。 学校へは行けない、行きたくない、不適応が激しくて気力が湧かない、 もう学校を辞めたいということであった。 4月に就職して出勤し始めて1ヶ月、 授業もクラスも動き始めた…

  思いがけないこと

(一)砂利を敷いある庭の通路に、何やら白い小花が咲いている。 あまりに小さな花だから花の形も葉の形もよく見えない。 地面からの背丈は6、7センチほどで、1ミリか2ミリほどの小花の群れはアリッサムに似ているなと思いながら、そのままにしていた、 …

  上田紀行、ダライ・ラマとの対話(1)

兵庫の山の村で和紙づくりをしながら考古学を仕事にしてきた進さんが、 パーティを組んで陸路雲南省、四川省からチベットへ行ったのは10年ほど前のことだった。 その旅が、進さんのチベット問題への認識を深めた。 進さんが体験し心の中にあるチベットと、…

 生ゴミ処理にダンボールコンポスト

こんなに簡単に堆肥化できるとは驚き 生ゴミを我が家で処理して堆肥にし、土に返す。 それをダンボール箱を使って行なう方法を我が家でやり始めたら、 驚き、驚き。 こんなに簡単に発酵が進むとは。 家庭の生ゴミを、連日ダンボールに入れても、たちまち分解…

  5月31日、朝日新聞

朝の会話 新聞を見た? 今日の朝日新聞、画期的だよ。 アフリカ問題を特集してるんだけど、今日の新聞、どのページもいつもと違うなあ、と思いながら読んでいて、気がついた。 編集は、外国のロック歌手の2人がやったんだって。 一日編集委員だって。 だか…