2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 <研成義塾1> 荻原碌山と相馬黒光、そして井口喜源治

雪の日は、何か曲を聴きたくなる。 2008年の春、碌山美術館で催された荻原碌山忌のイベントに参加した。その時、フォーク歌手、三浦久さんのギター弾き語りを聴いた。三浦さん自ら作詞作曲した「碌山」という曲と、井口喜源治の詩「次郎」に付けた曲、その演…

 他者を拒否する方向に社会が一気に流れ始めた時<バルセロナに学ぶ>

腹の底に抱え持つ蔑視感情や差別意識を発散させてヘイトスピーチを行なう人たちがいる。この人権侵害を国連からも指摘されてきたが、国はなんの手も打たなかった。大阪市で国に先駆けてひとつの動きが生まれた。 ヘイトスピーチの抑止策をまとめた条例は、大…

 ショッキングなニュース

「産業廃棄物処分業の更新許可証を、地方事務所環境課職員1人が偽造、交付」だって? ショッキングなニュースだ。 「長野県は22日に、本来は本庁で交付する産業廃棄物処分業の更新許可証を、地方事務所環境課職員1人が偽造、交付していた例が2件あった…

 雪の日

ここ数日の積雪は50センチ近くある。雪かきが一仕事だ。我が家の横の通りは、舗装された道路で隣町からの抜け道になっていて、通勤時間になると通り抜けていく車がやってくる。南岸性低気圧がやってくるという天気予報があった日の夕方から雪が降り始め、夜…

 長田弘の詩、三編 (その三)

長田弘の「詩の樹の下で」という詩集のモチーフは、幼少期の記憶がもとになっている。 「わたしの幼少期は、そのままこの国の戦争と戦後の季節にかさなる。わたしのものの見方、感じ方、考え方の土壌をつくったのは、その時代に緑なす風景のなかに過ごした少…

 長田弘の詩、三編 (その二)

「長田弘全詩集(みすず書房)」を読むと、しみじみと心に響いてくる軽妙な詩に次々と出会う。 ちょっと変わった詩を紹介しよう。こういう詩を読むと、なんだか心が軽くなる。楽しくなってくる。いいね。 ヨアヒムさんの学校 物の見方を、この世界の秘密をお…

 長田弘の詩、三編 (その一)

大きな欅(ケヤキ)の木の下で 大きな欅(ケヤキ)の木の下の道を歩く。 ただそれだけである。 ただそれだけなのだが、 どこにもないものが、 そこにある。樹上に、 大きな青空がある。濃い 樹形には、大きな感情がある。 冬の裸木には、するどさがある。 春…

 生命のリズム <3>

小学生のころ、単行本を読みだしたぼくに友だちがこんなことを言った。 「まだ知らない漢字は、ウンと言って読んだらいいねんで」 それからぼくもそうすることにした。知らない漢字が出てきてもウンと言ってとばして先に先に読んでいく。「三銃士」「ああ無…

 生命のリズム <2>

息をする、心臓が動く、歩く・走る・踊る、 歌う・演奏する・音楽を聴く、 詩や文章を読む、 おしゃべりをする、 さまざまなリズム、人間の身体の中の律動・リズム、生きている人間のリズム。 古代日本、文字がない時代は口承文学があった。歌があり詩があり…

 生命のリズム <1>

生物学者の福岡伸一がこんなことを書いていた。冬の夜長、バッハの曲を薄い音で聴いていた。すると想いが過去のことや、とりとめない夢に広がっていった。曲が終わると静けさがあたりをおおい、何かがまだ聞こえてくるような気がした。そんなことを書いてか…

 民謡・安曇節

ぼくが安曇節を歌い出したのは18歳のときだった。信州の山に登るようになってこの歌を知った。どこで知ったのか覚えていない。聞いて覚えたものを自己流で山で歌った。大学山岳部の合宿やコンパでも歌った。こういう民謡は何が「正調」なのか、よくわからな…

  世界が風雲急を告げている

明治維新から後、日本はどういう道を歩んできたか、最近そのことが頭をかけめぐる。今朝も午前5時ごろから、うつらうつらしながら、考えていた。欧米の植民地主義に対抗すべく同じ植民地主義に走った日本の歴史、その一本の道。 世界があやしい。風雲急を告…

 アイヌ民族の歴史

日本人は何民族かと聞くと、高校生の返答は、 「日本人じゃないの?」 彼はけげんな顔をした。日本人は複数の民族という認識がない。アイヌという少数民族の存在は知ってはいても、その歴史は頭に位置づいていない。少数民族の多い中国の学生なら、自分は何…

 2016年 元旦は白い世界

昨日の大みそか、孫たちはテレビを見ていた。大人たちは、シャンパン、清酒、どぶろくを飲んで、年越し蕎麦を食べて、談論風発の後、「カンタータ 土の歌」から「大地讃頌」の家族合唱をした。息子二人と次男の嫁とぼくたち夫婦、5人がソプラノとバスに分か…