2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 岩波茂雄の子ども時代

ついでに岩波茂雄の子ども時代のことを記しておこう。 先日、地区の小学校の保護者会があった。例年夏休み前に行なわれるPTA地区懇談会である。夏休みの過ごし方や、行事、子どものことで気になることなどを出し合う場だが、参加者は全員お母さんで、父親の…

 岩波茂雄と中国

武漢大学の図書館にどうして膨大な日本の書籍があったのか、それも岩波書店からの寄贈本が大量であったことのいきさつが、今分かった。 その図書館は一つの独立したビルであった。6階が日本の書籍の書庫になっていた。キャンパスは広大な森であり、その中央…

「全日本おばちゃん党」

「全日本おばちゃん党」というのができたという。大阪の中年女性中心に、「党員」1000人超とか。コメントをくれたmichiさんからの情報を得て、毎日新聞を読んでみた。 「全日本おばちゃん党」の谷口真由美代表が語っている。 「オッサン政治劇場に嫌気がさし…

 岩波茂雄と信州人気質

信州に住んで8年目になる。信州の人には信州人気質があるように思える。けれども、信州人気質と言われるものが信州人に共通しているかとなるとそうは思えない。特徴と思えるものも、それが目立つ人たちがいるということであって、それが感じられない人も多い…

 人を化かした昔の狐、狐に化かされた昔の人間

臼井吉見記念館 「遠野物語」(柳田國男)には、村人から聴き取った昔の不思議話がたくさん収録されている。ザシキワラシの話、山の神の話、山男の話、河童(かっぱ)の話など多種にわたり、キツネの話もある。「遠野物語拾遺」と合わせると、キツネの話は1…

 キジ物語の取材

キジのヒナのことを近所の大友さんと相談した。地方紙の「市民タイムズ」にこの話を伝え、ヒナを育ててくれる人、あるいは組織が探せないだろうか。これはいいアイデアかもしれない。早速「市民タイムズ」に電話を入れた。支社は我が家から車で5分ほどのと…

 「トマトの苗、いりませんか」

ズッキーニ 種から育てた大玉トマトとミニトマトの苗が余り、誰かにもらってもらおうと、日曜の朝、子ども会の親たちの家へ、苗を持っていった。まず数軒の区画に建てられた新興住宅地2箇所をたずねる。小学生のお母さんたちに、 「トマトの苗、要りません…

キジのヒナがかえった

アヤ子さんが自転車を降りて、庭に入ってきた。 「キジがかえったよ」 「えーっ、ヒナがかえったーっ?」 もうあきらめていたヒナ情報だ。日が経ちすぎ、何も連絡がないから、ヒナがかえらなかったのだと、すっかりそう思って、キジのことは過去のものになっ…

 「水俣」の死者とともに、石牟礼道子

石牟礼道子は昭和2年(1927年)生まれだから、現在85歳になる。石牟礼道子が「苦海浄土」の一部を発表したのは昭和35年(1960)、完成本が出版されたのは1970年だった。石牟礼道子は16歳から20歳まで小学校の代用教員をしていたことがある。水俣病が発生して…

 死者とともに生きること

高市早苗はどうしてあのような発言をしたか。高市政調会長は、「原発の放射能によって死亡した人はいない。だから福島原発はそれほど深刻な被害ではなかった」と言いたかったのだろうか。原発推進の方向に凝り固まっているから、このような意識になり、死者…

 会津藩と『八重の桜』<歴史の見方>

忍者のように、ふわふわと、方向がないようで方向がある不思議な飛び方で、5、6匹のモンシロチョウが毎日飛びまわり、キャベツに卵を産み付ける。おかげでアオムシが、何匹も産まれて葉を食べている。一切農薬を使わないから、わが畑はチョウの楽園になって…

 弱音を吐いてよい

最近、自分のやってきた活動の困難に関して、一人の男にちょっと弱気を吐いた。同士がなかなか出てこない、運動が広がらない。そう思う複雑な心境については言葉足らずであった。聞いていた男の感情は冷たかった。態度はともに考えることを否定していた。こ…

 日本語教室の先生たち

一昨日の日曜日、日本語教室にやってきたノブの顔つきがいつもと違って見えた。右頬がやせて、口もゆがんでいるように見える。どうかしたの? 先生たちが気にして聞くと、ノブは、耳が痛い、右頬の感覚がにぶい、風邪を引いて飲んだ薬の副作用ではないかと医…

 「エミール」<3>

エミールが読む一冊の本、ルソーはその本を、「エミールが読む最初の本となり、その一冊が長い間、彼の蔵書のすべてとなるだろう。そしていつまでたっても、それは彼の蔵書のなかで特別の位置を占めるものになるだろう」と書いた、その本とは「ロビンソン・…

 「エミール」<2>

ルソーは、幼少時期の子どもの五感、すなわち視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚を鍛え、レベルアップすることを重視した。五感を鍛えるには、体験して感じる機能を敏感にする必要がある。私たちは日常生活で、「このカレーがいたみかけているよ」と食べ物が腐敗…

 「エミール」<1>

ルソーは「エミール」の序文に、こう書いている。 「よい教育がたいせつであることについて、あまり多くは語るまい。現在行なわれている教育が悪いということを、ながながと証明することもするまい。そんなことは、たくさんの人たちが、わたしよりも前にして…

彼はなぜ「エミール」を薦めたのか

22歳、教師として赴任した淀川中学校に、一年先輩の I という教師がいた。彼は猛烈な読書家であった。出勤途中、停留所で市電を降りて淀川の堤を歩いて学校に至る、その10分ほどの道も本を読んでいる。授業に行くとき、職員室から教室までのわずかな間も読書…

 ルソーの思想から現代へ

東京、大阪で起きている「在日」を排斥するデモに参加している多くの人は普通の庶民である。普通の庶民が、普通の庶民を何のためらいもなく「殺せ」と叫んで街を歩くのだから、これはもう犯罪ではないか。ドイツでは逮捕されるようだが、日本のこの恒例のデ…

 安曇野の人たち

ぼくは大阪生まれの大阪育ち、大阪人の好きな「おっちゃん」「おばちゃん」という言葉になじんでいる。庶民的なこの言葉は、だれにでも使えて、気安さ、親近感がこもる。信州に来てもつい使う。 チャコとチコのMおばちゃんに、一昨日のキジのことを報告した…

 キジが襲われた

ランを連れて家から出た。半そでシャツ1枚は少しひんやりする。とつぜん宮田さんの姿が現れ、すたすたこちらにやってきた。 「やられた、やられた」 「エッ、何?」 「キジが、やられただ。キツネにやられただ」 キジが殺された。朝4時過ぎ、マミの散歩でキ…

 帰国するリー君の発見

「自分は短気だと気がついた。3年間で気がついた。自分は気が短いと分かった」 と、リー君は言った。初めてそれに気がついたのだと言う。眼を光らせて、この言葉を言う。単純なことのようで、彼にとっては重要な発見であったのだと、正面からぼくを見るまな…

 種まき、苗植え

今日、トマトの苗を定植した。今年は種から育てた苗で、たくさんできた。御近所のR子さんが、使わなくなった支柱をくださったので、今年はトマトの一部に雨除けの屋根をかけられる。 昨日は黒豆を蒔いた。黒豆を植える畑は去年から何も作っていなかったから…

 写真集「隣人 38度線の北」<2>

この写真集の写真には、説明が全くついていない。だから写真集を見るものは写真を見て想像するしかない。北朝鮮にとっては、撮られる写真が国にプラスになるかマイナスになるか、どのような目的でどんな意図で発表されるか、と神経質になるだろう。さらにそ…

 写真集「隣人 38度線の北」

「隣人 38度線の北」(徳間書店)という写真集を図書館で見つけた。北朝鮮の写真集だ。撮影は2011年から2012年にかけて4度北朝鮮を単身訪問し、合計して一ヶ月間ほど滞在している。写真家は初沢亜利氏、153ページに及ぶ写真の最後に、滞在記が14ページ掲載さ…

 口笛と草笛とハーモニカ

少年時代、自由自在に吹けた口笛が、この年になって吹いてみたら吹けないことに気づいたのは数年前のことだった。あんなに吹けたのにどういうわけだ、とショックだった。少年期から老年期までのわたしの長い遍歴の人生、口笛を吹くことがなかったその間に、…

 午前4時からおばあさんは田んぼを巡る

今朝、烏川上流の須砂渡に建てられてあるウエストンの胸像まで登り、そこから降りてきた。田んぼへ水を引き入れる水口のそばに、おばあさんが座っている。足腰の弱った高齢者がよく使う手押し車に椅子がついたもの、それに腰を下ろしていたのは、何度か話を…

 日本語教室で「ビリーブ」を歌う

日曜日のことを書いておこう。日曜日の夜は公民館で、午後7時から9時まで外国人のための日本語教室である。 ここ数週間、みんなで日本の歌をおぼえて歌おうと、最初の30分間練習してきた。今練習しているのは「ビリーブ(Believe)」。1990年代、この歌はN…

 キジをのぞきに来た人

麦畑と稲田の間の道を、遠くのほうからすたすたこちらにやってくる御婦人がいる。白い長靴にエプロン姿、農作業姿だが、軽トラックに乗らず、歩いてやってくるこのおばさんは、どこへいくんだろう、と窓から見ていると、おばさんはキジの巣の前まで来て、そ…

 生き残って教師となった特攻隊員

「福島の田舎の教師となり、宿直室に寝泊りする生活を重ねて、ある年、わたしは十万ページの本を読みきる。戦争が作った青春の空白を、そうすれば埋めることができるかと思って、本にしがみついていたのだった。手当たり次第に読みとばし、そのときはバイブ…

 レンゲの里づくりプロジェクトと子ども会

レンゲの里づくり プロジェクトのお世話で地区の子ども会がサツマイモの苗植えと黒豆の播種をやった。子どもたちは40人ほど集まった。地区の公園の草取りを朝8時から行ない、そのあと10時から、農業体験だった。レンゲの里は常念桜と道祖神で名所になってい…