2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 定住と移住

引越し 樹齢八百年と言われるケヤキの大木が我が家の裏にある。 何十年か前に雷が落ちて、幹が半分焼けてしまったらしいが、 それでも元気に葉を茂らせ、 遠くからでも巨木の枝振りがよく見える。 ケヤキの隣、数メートルのところにイチョウの大木があった。…

 光太郎の詩「鈍牛の言葉」に託し

光太郎の詩「鈍牛の言葉」に託し 高村光太郎は、敗戦四年後、66歳のときに、 詩「鈍牛の言葉」を書いています。 1945年の春、東京のアトリエが戦災で消失、 光太郎は岩手県花巻の宮沢賢治の弟、清六方に疎開します。 8月15日、戦争が終わると、 光太郎は稗…

 明日香の棚田

明日香の棚田 棚田のいいところがありませんか、 と日本画を描いているIさんから電話があり、 それなら明日香ですと応えた。 じゃあ、一泊させてください、と言うから、 初めて明日香に来るIさんに、地図を書いてFAXで送った。 明日香の稲淵の棚田や、…

  (10)子どもに「お話」を

読み聞かせ・口演童話・お話 国際フレンドの会の上田さんが、一冊の本をプレゼントしてくださった。 郷土に伝わる昔話・伝説を集めたもので、 21編のお話が載っている。 19年前、 地元の公民館で開かれていたストーリーテリング教室に参加して語りを学ん…

 消えていく路地

大和の路地 北京の胡同 だあれもいない、だあれも通らない路地。 路地は人をひきつける。 路地の片側、土塀がつづく。 土塀の上から新芽をふいた庭木がのぞく。 花が咲いている。 倉の白壁がにおう。 路地に落ちるのは木の葉と花びら。 路地は人の暮らしの狭…

 デートと逢引き

デートと逢引き じゃあ、会話練習ですよ。 今日は「〜ように」の練習です。 「明日、夕方五時に、駅前の喫茶店でデートしましょう。 時間に遅れないようにね。」 「はい、遅れないようにします。」 先生、「デート」というのは何? ホンさんが質問した。 「…

 田を守るばあちゃん

神田のばあちゃん 神田のばあちゃんは、すこし腰が曲がっている。 春日のなか、田んぼに出て、一人でもみがら撒いていた。 よう、ごせいが出ますなあ。 はようせなあかんのやけど、なかなかでなあ。 田のあちこちに袋を置いて、曲がった腰でもみがらを撒き散…

  繁茂する草たち

オドリコソウに替わってカラスノエンドウ 四月七日の太陽は、 朝五時三十七分になるともう東の山からぽんと昇っている。 一日ごとに日の出時刻は一分早くなり、昼の時間が長く延びるこのごろだ。 ネギの株間にもワケギの株間にもオドリコソウとホトケノザが…

 宮柊二の従軍記録

歌人、宮柊二の従軍記録 日本文学を中国で紹介しておられる河南師範大学の劉徳潤先生から、 宮柊二の所属部隊とその部隊の戦闘相手についての問い合わせが二年前にあり、 新潟の宮柊二記念館に問い合わせたことがあった。 記念館の館長さんは、従軍の記録も…

 おじぎの謎

K先生のおじぎの謎 そういうことがあったのだ。 その記憶が深く心に残っていて、 40年以上になっても「なぜ?」と問いかけるのだ。 海三郎君の書いた次の文章だった。 <ぼくは、中学生のときに出会ったKという国語教師を思い出す。 K先生は、授業が終…

 鈍磨する感覚

カタツムリ、ツバメ、カモ、水仙 おう、もう少しで気づかずに通り過ぎるところだったよ。 頭は他のことを考えていたよ。 頭が何かにとらわれていると、見れども見えずだな。 アスファルトの農道をカタツムリが横断している。 両側は草むら、カタツムリは左の…

 武漢大学の桜 その後

武漢大学の桜は中国の恥か ロンドンの新聞社・タイムズの東京支社から電話がかかってきた。 今、武漢大学の桜論争が起こっていることを知っていますか。 武漢大学の構内にある桜をめぐって、中国国内で論争が起こっているのです。 初耳だった。 あなたの書い…