2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 志を立てる

栃木の中学では、立春の日に、その年14歳になる中学2年生たちを、 「今日から君たちは大人ですよ」 と祝う、立志式が行われているということを知って驚いた。 栃木出身の低山歩きで有名なエッセイスト、荒川じんぺいが書いている。 栃木と言うと、 那須連…

 小学生のつくる替え歌

以前、このことについて書いた記憶があるんだけれど、 小学生のつくった歌。 池澤夏樹の「風がページを‥‥」(文芸春秋)のなかに出てきた子どもの替え歌を読んで、 またそのことに触れてみようと思う。 子どもたちが、池澤の仕事場の近くで歌を歌っていた。 …

 チェンジ、改革

オバマ氏が叫んだ「チェンジ」。 「チェンジ」、この一言にオバマ氏は万感の思いをこめただろう。 「チェンジ」するには、どこかでだれかと衝突する可能性がある。 衝突・対立を解決して、前進するには、それをなしとげるための計り知れない知恵と行動を必要…

 大関松三郎「ぼくらの村」

1945年の敗戦後5年間の暗さより、今の方がもっと暗い、と大江健三郎が語っていた。 そのことを話すと同僚は、そりゃあ、あの時代には希望があったもの、と言った。住むところなく、食べるものもなく、栄養失調で死んでいく人々が出た時代、 それでも新…

 「高校生芥川賞」とでも言うべきもの

先日、第140回芥川賞が発表された。 受賞は津村記久子さん(30)の「ポトスライムの舟」。 日本の文学賞として最も権威ある芥川賞は、今回九人の選考委員によって選ばれた。 ところで、作家の辻由美さんが、フランスの「芥川賞」というべき賞にまつわるおもし…

 言葉の殺人

新聞A紙の声欄に、21歳の大学生の投書が載っていた。 名前からして女性のようである。 「言い合いをしていた男子の一人が捨てぜりふのように『死ね』と言った。 何げなく言ったようで、周りの級友は聞き流していた。 ところが、ひとりの女子が顔色を変え…

 井口喜源治記念館

井口喜源治記念館は、アルプス線(大糸線)の穂高駅から東へとっとっと歩いたところにあります。 駅前通りにひっそり建つ、小さな小さな平屋の記念館です。 喜源治の教え子の彫刻家、荻原碌山の美術館と比べると、それはそれは質素な記念館でした。 碌山は、…

 ふるさと

ホームレスの人たちに炊き出しを行っていた東京の公園で、 昨年暮れだったか、 「ふるさと」の歌をアコーデオン?で演奏しながら歌った人がいた、というニュースを読んだとき、 公園にいる人々を慰めよう、励まそうと思ったのだろうか、その人の心の優しさに…

 人間の孤独と希望

みんなでお話 「『村』というのは『群』なんだね。」「群れているところ、群がっているところだね。 群れなけりゃ、生きていけなかったんだもの、人類は。 獲物をとるにしても、脚はオオカミのように速くはないし、 ライオンや熊のように強くはないし。群れ…

 骨董屋のおやじ

久しぶりだね、半年ぶりかね。 今日は、日曜日だから店を開けたで。 なに、それかい。ひしゃくだよ。もうそういう大きな木のひしゃく、作る人はいなくなったね。 これかい、これは、綿の実から種を取る道具だね。 全部木でできてる。 こうやって手でぐるぐる…

『世界のシュタイナー学校はいま…』

強い風の吹く中、3キロの道を歩いて行った図書館の本棚で、一冊の本に出会った。 まだ読んだことのない本ではあったが、 手に取って見れば、それはなつかしく、わくわく胸を高鳴らせる、夢のような大型本だった。 表紙の、赤、黄、緑、青の絵具を塗り拡げた…

 精霊の声を聞く

朝、家を出た時は、安曇野には少し雪が積っていた。 道路は凍結していた。 列車は松本平から木曽路に入っていった。 ぼくは木曽谷の村々を眺めていた。 すると、いつものようにこみあげてくるものがある。 山に囲まれたこの狭い谷に、人はえんえんと住み続け…

 穂高駅前の像

穂高の駅前広場に立つ銅像。 それは父と子の、登高の像だ。 アルプスにむかって、岩場の上に二人は立つ。男の子は、両手を口に当て、ヤッホーを叫んでいる。 がっしりと、たくましい父は、右腕にザイルを持っている。 胸を張った父は、遠くの山並みを見つめ…

2009年、新しい年

2009年元日、 新しい年が明けました。 息子と孫とランと一緒に、初日の出を拝す。 山の端から顔をのぞかせた太陽はみるみる全身を現し、 冷え切った大地に無限のエネルギーを降り注ぎ始め、 今日も昨日も太陽は毎日変わらず出で、この世界を照らしてくれ…