2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

 遊びに見るランの意思

棒をくわえて、ランが入ってきた。遊ぼうや。 庭にいるランに近づいていくと、待ってましたとばかりに、 遊び道具を用意するのが、ランのいつもの意思だ。 遊びたがり、 ボロ靴があれば、それが道具になる。 棒切れがあれば、それが道具になる。 こちらの眼…

 教育汚職との闘い

大分の教員汚職に関して、今日の新聞A紙に、 「教職員組合の動きが鈍い」という投書が出ていた。 みずから傷を負うこともあろうが、全国の教組は国民の先頭に立って真相究明にあたるべきではないか、 このような不正が行なわれてきたことを、組合幹部が知ら…

 栗園の主

奈良の北さんから、安曇野のブルーベリーを送ってほしいという依頼を受けて、 三郷のブルーベリー農場へ行った。 リンゴ園、ナシ園、ブドウ園、トウモロコシ畑などいくつも広がる農場のなかにブルーベリー園がある。 だが、道を一つ早く曲ってしまったために…

ツバメ、巣立ちと飛翔訓練(3)

巣を飛び立ち、飛行訓練を始めてから3日目。 2日目の夜は子ツバメ4羽はねぐらに帰っていた。 3日目の朝、見上げると、巣からのぞく4羽の黒い頭、赤いのどが頭上にある。 成長した体には小さすぎる巣にきちんと並んではいても、 頭と胸は狭い巣から飛び…

ツバメ、巣立ちと飛翔訓練(2)

飛ぶ練習をして、また巣に戻ってきた子ツバメ。 次の日、巣に戻っていた子ツバメ4羽は、午前中に飛びたった。 今日も快晴、暑い。 これで巣立ちも完了した、と思った。 ところが、午後になってもくもく入道雲が出てきた。 今日は降ってほしいなと思っていた…

 ツバメ、巣立ちと飛翔訓練

1ヵ月ぶりに家に帰ってきたら、玄関前の軒下にダンボールが置かれていて、 ツバメの糞がどっさり堆積している。 こんなにも糞をするんだねえ。 糞の間に、トンボが一匹落ちていた。 ヒナに運んできた餌の一匹だ。 洋子の話では、今年のツバメはトンボをせっ…

原始のなかに

朝の4時すぎ、夜がしらじらと明けてくる頃、散歩に出ると、 原始のなごりが川にも池にも、草むらにもかすかに漂っている。 それを感知するのは、体のなかに眠っている原始の感覚。 ぞくりと背中を走るものがある。 人の気が消えたとき現れるものがいる。 川…

 夏山

夏休みが来ると、どどっと訪れる解放感と共に、 山の呼ぶ声がしきりにした。 山仲間と登る山、 生徒と登る山、 かつての教え子と登る山、 同僚教師と登る山。 今年はどこに登ろうか、 山々の姿を思い浮かべながら計画を立てる楽しさ。 夏山には夏山の、冬山…

 教員採用汚職

これは大分だけのことではないと思う。 大分県の教職員採用と管理職登用試験の汚職。 閉鎖的権力構造のあるところには、このような汚職が必ず起こる。 人事権を持つ者は次第に権力を持ち、それが特定の人物に集中する。 実権を持つ者は、権力の行使を秘密裏…

 団結・チームワーク

「どんな革命でも、どんな運動でも、しょせん個の孤独の集まりだと思うんです。」 窪島誠一郎は、父・水上勉との対談でこう語っていた。 実の親は別にいる、それはだれだろう、 しんしんと心に沈む孤独を生きてきた誠一郎だから、 このあたりの実感がある。 …

  益雄くんから来たメール

思いがけないメールが来た。 益雄からだった。 中学時代の彼の顔が思い浮かぶ。 成長して社会人として生きている彼のメールを読むと、 ぼくは自分の襟をたださなければならないなと思う。 「益雄くん、益雄さん」と呼ばなければいかんな。 お元気ですか。 約…

 我が家から送られてきた、大地の恵み

我が家から段ボール宅配便が送られてきた。 妻の送ってくれた箱を開けると、 ミントとレモングラスの一束がばさりと出てきて、ぷんと香った。 ミントは庭で猛烈に繁殖している。 レモングラスは、去年の株が冬の酷寒で枯れてしまい、この春新たに買った苗の…

 古書店で買った小説「安曇野」

会議までまだ2時間ほど間があるから、神田の古書店をのぞいてみた。 お茶の水駅から、久しぶりの東京の街、何度も来たことのある古書の街。 あの本、まだあるかしらん。 あるはずはない、もう4年ほども前のことだから、 宮柊二研究の本。 1冊何千円かの値…

 竹内浩三「五月のように」

竹内浩三は死んだ、23歳で。 姉は後に、浩三の死んだというフィリピンの高地を30年の時を隔てて訪れ、 土の中に慟哭の「弟への手紙」を埋めた。 「浩三さん、姉さんとうとう来ました。あなたの最後の地であるという比島バギオへ。 30年間この胸の奥に…

  竹内浩三「骨のうたう」

竹内浩三は、1945年4月9日、 フィリピンのバギオ北方1052高地で戦死した。 23歳だった。 浩三は、伊勢の呉服屋に生まれ、東京に出て日大の芸術科に学んだ。 クラシック音楽が好きで、よくレコードを聴き、 街のカフェに出入りして、「女給」に恋…

 心のなかの冷蔵庫

水上勉は、 「ぼくの心の奥には冷えきった冷蔵庫が一つあってねえ、 どんなにぬくめても温かくはならん冷蔵庫なんや」 と、窪島誠一郎に言った。 そのことを思い起こしながら、窪島はこう書いている。 「今になって思うのは、私にも心の底に父親譲りの冷蔵庫…

 役所の仕事

市の防災課に電話をかけた。 「地震、防災のビデオ教材はもう整えてくださいましたか。」 「え? どういうことですか。この四月に係の異動がありましたので、何のことか分りませんが。」 1年半前、今活動している職場のあるH市の防災課を訪ねた。 地震災害…

自動販売機

ぼくはタバコを吸わない。 だからタバコの匂いには非常に敏感で、 公立学校の教員時代、階段を上がっていって、 2階や3階の長い廊下の端に立つと、 5、60メートル向こうのもう一方の端の方からかすかに匂ってくるタバコの匂いを、 ぼくの鼻はたちまちか…