2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

秘めた心の、核心から立ち上がれ!

寒さが厳しい。庭に来る小鳥たちも寒いだろう。雪が積もると、食べ物を見つけられない。「お腹が空いたよ」、ひさしの下の雪のない所に降りて、落ち葉をはねとばして餌になるものを探している。小箱に、小鳥の餌、植物の種や野菜くずを置いてやると、スズメ…

親愛なるアレクセイ・ナワリヌイ氏へ

インターネットに、こんな署名活動が送られてきた。世界的な活動を展開するアヴァーズからだ。 ☆ ☆ ☆ 親愛なるアレクセイ・ナワリヌイ氏あなたの命は奪われました。 今日、大勢の人々があなたの家族と共に涙を流し、あなたの死を悼んでいます。独裁者がもっ…

消えていく「ずら言葉」

信州安曇野に移り住んで、この四月で18年になる。信濃の山に登り始めたのが18歳の時だったから、信濃は僕の人生の大半を占める。 大学山岳部の頃、夜行の蒸気機関車が木曽路を過ぎ、松本平に入ると夜が明ける。窓を開け、ひんやりと澄んだ外気を吸い込むとき…

「北越雪譜」2

「北越雪譜」に雪崩の記事がある。要約すると‥‥、 村の百姓、二月初め、朝から外出して夕方になっても帰ってこない。息子が探しに出たが見つからない。夜中に一人の老人がやって来た。老人は、「心当たりがある」と言う。 「私は今朝、西山の峠道のなかばで…

「北越雪譜」を雪の日に開く

「北越雪譜」という書がある。江戸時代の越後のいろんな雪に関する情報を集めて記録された雪物語で、ときどき手に取って、古ぼけた表紙をめくる。濱森太郎が現代語に訳してあるが、さらに要約してここに書いてみる。「雪のたかさ」という文章。 ☆ ☆ ☆ 隣の宿…

激減する野鳥

雪が積もると、野鳥たちは食べ物が無くなる。野鳥は、軒下や植木の根方など、地肌が見えるわずかなところを、くちばしで掘り返しているが、食べるものはなかなか見つからない。そこで台所から出る野菜くずなどを庭においてやったりすると、いくらか食べに来…

夕映えの歌

積もった雪は、膝ぐらい。工房の薪ストーブに火を入れ、妻と二人、暖を取りながら本を読んでいると、降りしきる雪の中、家の前の道路に雪かきする三人の人影が見えた。出て見ると、ご近所のOさんの息子さんと娘さん、そして雪かきの手伝いに来てくれた息子…

戦場体験を考える

河合隼雄(1928―2007)が、国際会議に出席するために北京に行った時、日本人女性の留学生から一通の手紙を受け取った。手紙は、彼女の苦悩を伝えていた。 「私は中国人の学生と親しくなるにつれて、率直な意見を聴くようになりました。 『あなたと親しい間柄…

残り続ける記憶

山の呼び声を聴くと 重いキスリングザックを担いで、大阪から夜行の蒸気機関車に乗って、ぼくは信州に出かけた。夏、冬、春、何度か鹿島槍ヶ岳に登った。大町から田舎のバスで鹿島の部落に入った。60年も前のこと。 鹿島槍ヶ岳に登る時は、山奥の鹿島部落の…