2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「扇町サロン」第一回・テーマ「次世代に誇れる安曇野の景観」<3>

講座とサロンの座席をどうするか、中村さんはテーブルを四つの島にして、一つの島に四人が座る、市からやってくる講師二人は、前のテーブルに座る、われわれ二人はいちばん後ろに並んで座る、という案を提示したのでそれにした。 講座が始まり、このような出…

 「扇町サロン」第一回・テーマ「次世代に誇れる安曇野の景観」<2>

サロンにコーヒーとケーキを用意するということになり、それをどうするかで中村さんが何度も我が家にやってきた。扇町の公民館では湯を沸かすことはできるが、20人分のコーヒーを淹れるカップも道具もない。中村さんは、「それじゃあ店に売っているふた付の…

 「扇町サロン」第一回 ・テーマ「次世代に誇れる安曇野の景観」<1>

近くに住んでいる中村さんが我が家にやってきたのは一か月前だった。安曇野市が企画している、市職員による「出前講座」をこの区でもやってもらい、それを入り口にして、みんなでコーヒーを飲みながら語り合う会をつくらないか、中村さんはそう提案した。 そ…

 白馬連峰が雪

台風が過ぎ去り、 この地域はリンゴの落下もなく、ほっと安堵したが、 信州のあちこちで被害が出ている。 故郷の大和川や石川は、増水して一部氾濫したようだ。朝、ランちゃんとの散歩で北の地平線を見ると、 白馬連峰が白い。早くも雪が来た。 白樺の木は、…

 今の日本を考えるために50年前を振り返る <3>

1968年8月、「反戦と変革に関する国際会議」で、鶴見俊輔が意見を述べた。 「それぞれの社会で、社会成立の契約を作り直し、それらの連合によって、人類の新しい社会契約を実現すべきです。国家によってあやつられている多数者に譲ることなく、少数者が確信…

 今の日本を考えるために50年前を振り返る <2>

米軍兵士、清水徹雄の「脱走」は、その後どうなったか。 彼は日本国憲法に守られて、日本社会で暮らす道を選択した。しかしいつ逮捕されてアメリカに送られ、牢屋に送りこまれるか分からない。その危険性もあったが、小田実は彼を予備校職員に就職させ、普通…

 今の日本を考えるために50年前を振り返る <1>

今から半世紀前、ベトナム戦争があった。 アメリカ軍によるベトナムへの攻撃は苛烈陰惨を極めた。沖縄の米軍基地からアメリカ空軍の爆撃機はベトナムへ向かって飛び立ち、爆弾を落とし枯葉剤でジャングルを死滅させた。 その戦争になんと日本人が兵士として…

 刈田に立った男が演説

畑へ行こうと、作業着に着替えていると、天から声が聞こえてきた。スピーカーから出る声は、選挙の宣伝カーだ。今ちょうど、市議会議員と市長と、国会議員の、三つの選挙運動が重なっている。村はずれのこの辺りにも、市議会議員候補者の車が時々やって来る…

  リトアニア杉原千畝記念館修復をした人たち

リトアニア国の杉原千畝記念館の修復をやっているボランティアのニュースを見た。その工事に携わっている彼らは、元暴走族だったり、元暴力団員だったり、経歴はいわゆる「札付き」の人であるけれど、生き方を変えた彼らの仕事はすばらしく、工事が完成した…

[愛犬と暮らす] 危篤のマミ

ミヨコさんが泣いた。 「マミが死にかけている。何も食べないよ。立つこともできないよ。」 マミが危篤だという。毎日散歩に連れて行ってくれた近所のミヤさんが、よだれを垂らしてよたよたするマミを犬小屋に入れた。 マミは犬小屋の毛布の上に横たわった。…

 ブレヒト「ドイツ」

ブレヒトは、崩れゆく母国を悲しんで次の詩「ドイツ」を作った。1933年、ナチスが政権を奪取し、ブレヒトが国外に亡命した年だった。ブレヒトは母なるドイツを「きみ」と呼び、「きみ」がナチスに侵され、「きみ」の国民がヒトラーを賛美する様子を悲しむ。…

  ブレヒト「ヴァイマール憲法義解」

ヴァイマール憲法義解 <第一条> ブレヒト (野村 修訳) 国家の権力は国民から出る。 ――だが出てからどこへ行く? そう、いったいどこへ行く? ともかくどこかへは行く! 警官が建物からぞろぞろ出る。 ――だが出てからどこへ行く? そう、いったいどこへ行…