2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

  政治が生み出した危機

仕事を失い、住むところをなくしたたくさんの人々が、この冬空の下で、不安と絶望のなかにいる。 上田紀行が「生きる意味」(岩波新書)を出版したのは、2005年1月であった。 それから4年が経過した。 その間に、世界経済危機の嵐が起こるべくして起こり、…

 もちつき

リンゴ農家のOさんの庭で、もちつきをするということで仲間に入れてもらった。 Oさんの旧宅には、安曇野に就農してきた若い夫婦、Tさんたちが住む。 Tさんの住居の前で、Tさんの奥さんがかいがいしく動いている。 15,6人が集まっていた。 庭には、…

 研成義塾と井口喜源治

「攪乱(かくらん)の会」とやら、いいかげんに名づけて、 50代以上の5人がI家に集まった。 薪ストーブが赤々燃えて暖かい。 世間ではクリスマス会とかやっているとき、こちらは「かく乱の会」。 今や50台以上の高齢者こそが、この社会に活を入れなけ…

 加藤周一と1968年

なずな 録画していたETV特集を観た。 加藤周一を偲ぶ特別番組は、彼の89年にわたる人生を軸にして、日本と世界を語るものだった。 観ている途中で、もう遠く過ぎ去っていた記憶の断片が浮かび上がってきた。 M君は自殺していたという風の便りが耳に入っ…

しめなわ作り・ソバ打ち

しめなわ師走の日曜日、 午前は、村の公民館で「しめなわ作り」、 午後はソバ工房のSさんのところで、地区のソバ打ち講習。 今年の新ワラ、手ざわりもやさしい。 いいにおいがする。 工作しやすいように、ワラに霧吹きで湿り気を与えてある。 20人ほどが…

大量解雇、大量失業

「牧場かあ」 青年はそう言っただけ。 結局ハローワークで提示されたその話に乗らなかったようだった。 (NHKの特別番組「クローズアップ現代」を観て) 派遣切りと呼ばれる派遣社員の解雇がすさまじい。 北海道苫小牧の自動車関連企業で働いていた派遣社…

 賞味期限切れを捨てる痛み

16歳、女子高校生の投書でした。 いい教材になると思いました。 「私はケーキ店で10月からアルバイトを週に3、4回しています。 毎日、多くのケーキやアイスクリーム、お菓子を捨てています。 大学生の先輩は、 『慣れちゃった』『しょうがないからね』…

 教材の力

小中高の学校で読んだ国語の教科書教材で、その後も心に残っているのはどんな教材だろうか。 ぼくは小学校で教えたことはないが、研究会で取り上げられた文学教材で印象にのこっているものに、 「ごんぎつね」とか「泣いた赤鬼」とかがあるけれど、 自分自身…

 犬の社会性、人間の社会性

ランは、ゴンチャン、カイちゃん、スズちゃんとは仲がよい。 これまで親しく接触する機会があったから、友だちになっている。 だが、散歩の折、通りがかりに出会って行き過ぎるだけの犬には、興奮する。 近づいて友だちになりたい、という気持ちなのか、対抗…

「教育をめぐる虚構と真実」(春秋社)

藤原和博、和田中学校での実践 柿の樹 東京の和田中学校校長を務めて、つぎつぎと独創的な実践を行なった藤原和博氏。 民間企業から2003年に校長になり、2008年に任期を終えられた。 その5年間の実践については、賛否こもごもだが、 実際の現場を見ずに、情…

 熊井明子さんの講演を聴く

イギリスの田園と安曇野 夜明け 安曇野市の区長会主催の講演会に行った。 居住区ごとに住民自治会があり、その代表区長の集まりが区長会。 区長は区の住民によって選挙で選ばれる。 安曇野市には80いくつかの区があるらしい。 市民ひとりひとりへの行政が…

 安曇野の美

屋敷を取り巻く樹林 安曇野には、家の周りに屋根より高い木々の生えている屋敷が、あちこちに点在している。 数少ないこれらの家々が、安曇野の美しい景色を構成する要素となっている。 それは自然と人工の調和の美である。 木々は、針葉樹が多いが、はるか…

   怒り

オバマ氏は、声を荒げたことがなかった、という記事を読んだ。 過去、アメリカの公民権運動に連なる黒人政治家は激しい怒りをもち、それを表明してきた。 だが、オバマ氏はどんな場面でも怒りを表に出すことがなかった。 討論会で興奮して声がうわずるのは決…

 自然の摂理を喪失した文明

今日の日曜日NHK俳句(選者・長谷川櫂)の第一席に採られた句。 狼や人なる闇の浅からず 人のなかにある闇は浅くはない。 闇はますます深くなるばかりの様相さえ感じられる。 不可解な事件が次々起きるのは何故。 文明も人も破滅に向かっているのではない…

 グールモン「落葉」

来年の土を肥やすために、どんぐり林の落葉と木屑を集めてきました。 道路際の側溝を埋めている落葉を取り除くだけでも、たくさんの量になります。 庭に入れると、ほかほかの布団のようです。 落葉と木屑は、この冬の酷寒に凍てつく木々や草花の根元を守って…

 教育実践の質と教師集団

グループや集団で仕事をしているとき、 みんなの仕事の質を上げたい、と強く思って打ち込む人と、 みんなの仕事の質を考えるよりも、出来るだけ合理的に自分の仕事をこなせばいい、 という人と、さまざまである。 教師集団の仕事の質を上げることにみんなが…

 破壊を進める文明

対向車線の車と衝突した車の運転手は若い女性だった。 携帯電話のメールに夢中になっていてハンドル操作を誤り、死傷者が出る事故になった。 最近長野県であったことだ。 地方の道路には、車道のないところが多い。 車の対向ができるだけの幅はあり、 そんな…

 ブッシュ大統領と戦争責任

12月1日、ブッシュ大統領が、言ったそうだ。 「大統領の職にあったなかで、最大の痛恨事はイラクの情報の誤りだった。 多くの人がフセインを排除する理由に大量破壊兵器を挙げていた。 政権の人間だけでなく多くの議員もそうだった。」 誤った情報を信じ…

 難問を考え続ける

いま、柱の刻みに入っている。 最も難しいのが梁の取り付け。 解体した家からもらってきた古材の梁(はり)は2間の長さで、太鼓橋のように弓なりになっている。 それを柱の上にどのように取り付けるか。 古材の端を見ると、わけの分からない刻みになってい…

 現代の労働

「フランスではこの三十年の間に、 都市から農山村に移住する多くの人たちを生み出してきた。 この動きが、百年近くも続いた農山村の過疎化の歴史を終了させてしまったほどに、である。 その人たちのなかから、自然とともに、地域とともに、豊かな労働、豊か…