2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 小中一貫校の教育創造に向かうM君に贈る言葉

今年も碌山美術館で、碌山忌の催しが行なわれる。4月22日(日)。それにむけての合唱団の練習が始まった。この写真は以前の碌山忌のもの。 M君が、この4月1日に開校する「小中一貫校」の教師として任務に就くことになったと、彼からの電話で知った。この十…

 温泉館での出来事

湯けむりが湯ぶねの人影をぼかしている。湯から首だけ出している人、浴槽の端に一段、腰かけのようにつくられているところに座っている人、四、五人の姿がうっすら見える。みんな高齢者だ。 ぼくは、湯船の外の一角につくられた木のベンチに座り、のぼせた体…

 コミュニティの再生と住民の作る民主主義 <人災がやってくる>

「50年後の日本の人口は、8000万人になるというのですよ。5000万人、少なくなるのです。4割の減ですよ。10人が6人になるのです。」 そういう割合で人口が減少していくとすると、25年後は人口が2割少なくなる計算になる。 今月の18日に行なわれた安曇野市の…

 新たな撤退戦略

みぞれが雪に変わった。朝の散歩で望月さんに出会う。 望月さんはチャコとチコを連れている。ぼくのランは小さいチコがお気に入りだ。 チコのところに飛んでいく。 望月さんに出会うと、ぼくはいつも少しおしゃべりをする。 今年の冬は寒かった。 「昔はもっ…

 オランダの知と実践

小学生のころに読んだ話で、心に残っているものがある。 そのひとつに、スイスの教育家、ペスタロッチの話があった。ペスタロッチが街の広場を歩いている。ふと彼は足を止めた。何かが落ちている。彼はかがんで、それを手に拾い、コートのポケットに入れた。…

 信じる人々

時計は午前3時、目が覚めてトイレから帰るといつものように頭が回転し始めた。前日の出来事が浮かぶ。頭がだんだん冴えてくる。これは記憶しておかなければと思うことが頭に浮かんでくる。そう思ううちに、またうとうとと眠りに入り、朝起きたらその記憶が…

 <木下尚江と田中正造>、安曇野と足尾・谷中とはつながっている

臼井吉見の小説『安曇野』第三部に描かれている田中正造の最期である。1913年、年号で言えば大正2年のことだった。 「八月十三日、正造は信頼していた谷中村の青年、島田宗三を枕もとに呼んで、改まった口調で言った。 ――自分は天地とともに生きてきた。天地…

 3.11脱原発のデモに行ってきた

昼になって少し暖かいかなと思ったから、軽装にナップザックで出かけた。 「NO原発」の集会は、松本城公園で開かれる。城堀に鯉が泳ぎ、鴨が十数羽浮かんでいるのを見ながら会場に着いたら、気温がぐぐっと下がってきているのが分かり、デモ行進までに体が…

 畜産センターが抱える問題

黒沢川の堤の桜並木は、安曇野を南西から東北方向へ斜めに断つように続いて、桜が開花すると桜堤は美しい遠景を見せていた。 けれども、桜並木に近づけば、そこは花見の宴を催したいとはとても思えないところになっていた。 「せめてここで、花を愛でながら…

卒業前夜

雪の下に春は芽吹いていた 卒業式の前日は、いつもと違う空気が流れている。 講堂にはたくさんの椅子が整然と並び、 演壇に旗が立ち、送る言葉が壁に貼られ、 校内は清められ、 生徒たちが下校してだれもいない学校には、 哀感と喜び、安堵感といくらかの緊…

 魂の伴走者

「悔やんでも悔やんでも、かえらぬ」という言葉がときどき記憶のなかから浮き上がってくることがある。森鴎外の小説「高瀬舟」のなかの言葉だ。 3.11後、悔やんで悔やんでもかえらぬあの日のことに苦しむ人の映像をいくつも観てきた。 福島原発近くの町…

 子どもたちの育つ環境を奪ってきた文明

福寿草の花が咲いた。 北西先生は、戦時中は鬼軍曹のように子どもたちから恐れられていた。町の各分団から隊列を組んで集団登校してくる生徒たちを北西先生は校門前の一段高いところに立って見ていた。態度が悪いと思う生徒がいると、指をさす。それを見た分…