景観

ぜいたくな朝

夜明け前、今朝はマイナス8度、ランを連れて外に出る。煌煌と輝く満月が西の空にあり、感嘆の声を上げた。昨日の宵に見た月がまだ空に残っている。 昨夜、あまりに見事な満月がくっきりと東山から出ていたから、「すごい光景だ、見ておいで」と妻に声をかけ…

月と太陽のショー

今朝、 夜明け、 満月が西山に傾いていた。 一晩輝いていた満月、その表面が見える。 東山を見ると、しののめは紅く染まり、 西山はモルゲンロートを待っている。 予感する。 西山の常念岳に満月が沈むとき、 東山の美ケ原から日が昇る。 沈む満月と昇る太陽…

風景

フランスの作家、プルーストは、「失われた時を求めて」という大作を書いた。母の死が転機になって構想された小説で、9歳から苦しめられた喘息の病を押して死の数日前まで執筆をつづけた。 この小説の描写は実に詳細を極め、文章から匂い立つものがある。こ…

 風景の中の色

枯れ野の向こう、わずかな麦の緑が混じっているが、そこを越した遠くの方を歩いている赤い点が目にとまる。一キロ以上離れているから、芥子粒ほどだが、それが見える。視界を占めているくすんだ色のなかにあって、赤が目を引く。赤色の特色なのだろう。だか…

  美しい風景にはたおやかな香りがある

故郷の風景が壊されていくと感じたのは、高校生のときだった。地元には西国札所の葛井寺(ふじいでら)があり、見事な石垣が境内を囲んでいた。石垣の内側の境内にはイチョウやケヤキの大木があり、街道を覆うように枝を伸ばし、晩秋になると街道いっぱいに落…

山の上からの景色はなぜ美しい?

<写真:蛇行する野の道は美しい、白馬村で> 一昨日登った八方尾根のウサギ平に展望台があった。 ゴンドラ終点はウサギ平、そのゴンドラ終点の建物には、レストランやスキー用具点も入っていて、スキーヤーが休息する空間もあった。かなりいい年のおじさん…

 桜並木を守る

近くに、安曇野の名所になっている大木の桜並木があった。ソメイヨシノの並木が二十数本、南北に流れる農業用水路沿いに枝を伸ばし、北アルプスの雪嶺を背景にした桜は、人を陶然とさせる美しさだった。 並木は南へ、種類を八重桜に変えてさらに続いていくが…

 人の美意識

先日のシンポジウム(テーマ『安曇野在住の若手世代による安曇野の未来とわたしの夢』)で、小学校教員の圭さんが、故郷を愛し、故郷に根づく子どもたちを育てたいと語ったこと、その後のグループ討論で、二人の年配の方が語られたこと、そのことに関連して…

 「風景は思想である」 学校林、寺社林、屋敷林

かつての日本の、暮らしと調和した田園と村の風景が、どうしてこうも魅力のない不協和音のようなものになってしまったのかと、安曇野においてすらあきらめに近い思いをぼくは持っていた。 93歳にして好奇心、創作意欲ともに盛んな画家の堀文子が、 「風景…

 遠望は美しいが‥‥

「夜目(よめ)遠目(とおめ)笠の内」という慣用句がある。 夜見たときや遠くから見たとき、笠を被っているのをのぞき見したときに、女の人は実際よりも美しく見えるという意味である。 江戸時代などは夜、ロウソクや行燈(あんどん)の光で見たのだから、…

 安曇野の景観、いい所・悪い所

市民への「景観アンケート」でもとるといいんだが。 安曇野で、ここがいいと思っているところはどこですか、 安曇野で、ここはよくないと思っているところはどこですか。 付け加えて、「どうしていいと感じるのですか。どうしてよくないと感じるのですか。」…

 小布施のオープンガーデン

日曜日、北信濃の小布施町へ行ってきた。百数軒のオープンガーデンを見るためだ。 一つの小さな町が、町おこしの一つとして行なってきたオープンガーデン、 それが100を超えていて、一冊のガイドブックまで作られていることに感心する。 オープンだから、…