2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

曲がりくねった道

先日、明石に住む息子が信州にやってきて、単独行で、上高地から蝶ヶ岳に登った。稜線に出ると、猛烈な強風に襲われ、風速、25メートルだったとか、ほとんど前進かなわず、吹き飛ばされそうだった。体を丸め、地を這うように歩いた。 息子は蝶ヶ岳から常念岳…

トンビを追い払う親モズ

驚嘆するのは、モズの親の愛情。 ヒナが巣立ちして数日経つのに、親鳥は巣立ったヒナに呼びかけている。 チチチチチチチチ‥‥、 ヒナはまだ餌になる虫を捕れない。ヒナに餌をやらねばならない。なんと親モズの愛情の深さよ。 その親モズの愛情の、どえらいシ…

モズの巣立ち

モズが生垣に巣をつくっていた。生垣は三メートルほどの高さになっている。 アカカナメの樹が端に、でっぷり太って茂っている。そこからイチイがぎっしり並んで茂っている。モズはこれまでアカカナメの茂みに巣をつくっていた。今年は、イチイのきのなかに巣…

チロル、緑のなかで自由に学ぶ

何年か前、チロル地方に遊んだ。 乗り継ぎのウイーン空港で待っているとき、巨大なポスターが目に入った。 オーストリアン航空のポスターだ。 英語の文字が山岳写真の上の書かれている。 私たちは、あなたのほほえみのために飛ぶ。 フリータイムから、フリー…

軍隊の中で

こんな文章に出会った。 私が野砲一連隊に入隊していた時、われわれの教官に、一人の中尉がいた。ある日、演習の時、われわれに練兵場の隅に塹壕を掘らせ、その中に大砲を埋めさせて、それからわれわれ兵卒たちに順々に次のようなことを聞いたものである。 …

日本が果たすべきこと、役割

かつて中国武漢大学で日本語を教えた時、緑したたる森のなかの大学図書館によく行った。ビルの五階が日本の膨大な書庫だった。 そこで見つけた京大の山室信一氏の著に、こんなことが書かれていた。 「竹内好が、『満州国をでっちあげた日本は満州国の葬式を…

ロシア革命の国の今

さらに濱野成秋氏は著書で、こんなことも書いている。 「大正時代、関東大震災のどさくさにまぎれて、無政府主義者の大杉栄は、伊藤野枝とともに、甘粕大尉に虐殺され、井戸に投げ込まれた。 大杉栄の『日本脱出記』は、大杉の遺作である。そこにこんな文章…

福沢諭吉は述べていた

徳川幕政から薩長の新政府になった明治二年、福沢諭吉が専制政治について書いているのに驚く。濱野成秋の著書で知った。 諭吉は、「モナルキ」、すなわち「立君」という論を書いた。専制君主政治はどんなに国を難渋させるか。原文を現代語に変える。 「立君…

自転車パンク修理

自転車の後輪が、空気を入れてもすぐにペチャンコになる。どうもパンクしているようだ。どうしたもんだろう。自分で修理してみるか。けれどガタガタのわが左脚、痛んで力が入らない。自転車が使えなかったら困るなあ。 親しくしているご近所のオーさんに言う…

人が転換するとき

1921年、アイルランドがイギリスから独立したとき、北アイルランドのプロテスタント系住民が、カトリック系と対立した。 1969年、両者の抗争は首都に広がり、泥沼化した。アイルランド統一を掲げる共和軍のテロが頻発、イギリスは軍を出して鎮圧に乗りだし、…

緑うるわし

15年前、庭に白樺の木の苗を一本植えた。その苗は成長して、梢が屋根を越すまでになった。ところが、カミキリムシが飛んできて幹に卵を産み、その幼虫が幹の中で育って樹を弱らせ、あれよあれよと思う間に樹が枯れてしまった。 がっかりしていたら、木の根の…

この世界、どうすればいいのだろう

「人間が、普段は法度になっている、みずからの残忍な衝動を自由に策動させ、最終的には殺人と死を奉ずるようになれば、いったいどういうことになるだろう。」 「フーコーは考える。『人はいかにしてファシストにならずにすませるか、それも自分自身を革命の…

子ギツネコンコン

我が家の前は、道路を隔てて秀武さんの水田。 昨日、秀武さんに玄米を頼んで、配達してもらった。 「いやあ、まいりましたよ。脊柱管狭窄症になって、痛くて痛くてi 「私も以前、狭窄症になりましたよ。」 「こうして体を前に丸めて、しゃがむと楽になるね。…