愛犬と暮らす

犬の心、犬の育ち

、 動物行動学のマイケル・フォックス博士(イギリス)は、「イヌのこころのわかる本」(日本語版は朝日文庫)を著わしている。その中の一文を紹介しよう。 フォックスが学生だった時、ノーマン・プライシャーという友人がいた。その友人は研究所で、イヌた…

愛ちゃんのストライキ

早朝と夕方、野をぐるっと一回りして、我が家の前を通り過ぎ家に帰って行く二匹の犬を連れた若いご夫婦に出会う。犬は、薄茶がかった白いラブラドール犬のサニーと、ネコほどに小さい黒犬、愛ちゃん。サニーは23キロほどあるかな。ひじょうに人懐こい。ぼく…

花も悼んでいる

今朝、五時過ぎ、両手ストックをついて散歩に出る。 「野のベンチ」に座って、山の歌を歌う。 二号ベンチの横に植えた、ムクゲの白花が十輪ほど咲いている。 野の中の一本のムクゲ、白花。 少し歩く。稲田の水を調整するために、畔を歩いている高齢の男性が…

犬は感知するのかも

15年余り、朝夕、ランを連れて野を歩いてきた。 犬連れの人と出会うと挨拶し、会話を交わした。 そうして犬を介して「友」が生まれた。 世間で、「犬友」という言葉もある。 中型犬を連れたご婦人に14年前出会った。犬の名は「おみそちゃん」、毛色が味噌…

ランの命 2

夜中にランの声が何度も聞こえ、目が覚める。悲鳴のような、何かを求めるような。 起きていって、土間に来る。 ランは土間に伏せて、二本の後ろ脚が右に延びている。 頭の後ろをモミモミしてやると静かになった。 どうしたら水を飲むだろう、いい方法はない…

ランの命

ランの命が尽きようとしている。 35度の酷暑のつづくなか、 なんとか耐えていたが、 今は水をのまず、食べ物を口にせず、ときどき悲鳴のような声を上げて、 助けを呼ぶような、苦しみの声を出す。 夜中も、二時間おきぐらいに、声を発し、 そのつど僕は起…

ランが「ワン」と一声吠える。

ランが「ワン」と一声吠える。 トイレに行きたいよ。 雨が降っていたら、リードを付けずに、玄関から出してやる。 ランは庭の隅の、植え込みのあたりを、行ったり来たりして、場所を決め、オシッコをする。 ランが「ワン」と一声吠える。 散歩に行こうよ。 …

ランちゃん、死んだらあかん

去年、八月の酷暑の日、ランは危うかった。立ち上がれず、水も飲めず、獣医さんに診てもらって、三日間動物病院の世話になり、助かった。 今年もひどい暑さだ。ランはひたすら耐え忍ぶ。 家の軒先の日陰で過ごしたり、玄関の土間で寝そべって、トイレに行き…

猛暑よ、去れ

昨日、 ランが少し食べた。動物病院が出してくれた、病気回復ケアの犬用の缶詰、獣医さんは「おいしいの」と言っていた、それを昨日大スプーンに一杯ほど、ランにやると、数粒のドッグフードは見向きもしなかったのに、やっぱりおいしいのだ、食べた。なかに…

ランがあぶない

先週の土曜日のこと。 食欲旺盛のランが何も食べない。水も飲まない。工房の床下に入って、ハーハー荒い呼吸をしながら伏せたまま動こうとしない。工房の床下は、おそらく我が家でいちばんヒンヤリするところだ。 その日、早朝五時からジャガイモ掘りをした…

犬は裏切らない

近所の小さな工場を経営している大将が、ちょくちょく犬を連れて散歩している。前に飼っていた犬はどうしたのか、亡くなったのか、別の小型犬を連れている。聞けば、 「前のが死んだんでね。この子は飼い主がいなくなって殺処分するというのをもらってきただ…

老犬

前回のクモの文章、どうしてなのか、大きな太字になってしまう。何度やり直しても太字になる。どうしてなのか、ほとほと疲れてしまう。下書きを別のwpsで書いて、それをコピーして貼り付けたからなのか、原因がわからない。今日はこの文章大丈夫なようだ…

  犬と暮らすと免疫力がつくとか

今朝はマイナス5度だった。羽毛服を着て行った。鳥たちはどんなに寒くても天気が荒れていても、明るくなれば活動している。生きることは行動すること。行動を止めるときは命の終わる時。 膝を傷める前までは、烏川渓谷まで長距離を歩いていたけれど、傷めて…

犬の願望

毎朝、ランの喜びは雪原の散歩。 人も車も来ない。うれしくてたまらない。 リードをはずされたランは、雪を蹴って自由に走る。 とつぜん雪の中に鼻をつっこんで匂いを嗅ぐ。 ひょいと畔の雪の中に、野菜のこぼれ種の育ったのがあるのを見つける。 ランは、葉…

 子守唄で眠るラン

いい天気の日は、ランは庭で過ごす。気温の低い日は、日なたへ、カンカン照れば日陰へ、快適な所を選んで移動してはそこで日がな一日のんびり寝ている。 暮れると家に連れて入る。きれいに洗ったラン用のタオルで全身を何度も拭いてやる。炎暑に向かう今の季…

 ランちゃんを預けて

三日間、ランは、日本語教室の事務と運営をやってくださっている高橋さんにあずかってもらった。 これまでペットホテルであずかってもらったことがある。獣医師に預かってもらったり、ペットも入れる喫茶店であずかってもらったりしたこともある。いずれも、…

 孫たちとラン

二人の息子たちが関東と関西から、正月、それぞれ子どもたちを連れて、ジイジとバアバそして犬のランの家に帰ってきた。ウイちゃんは2歳、アーちゃんとホノちゃんは今年の4月から小学校、3人とも女の子。セイちゃんは男の子、今年3年生になる。セイちゃ…

 ランの誕生日

一昨日はランの誕生日だった。17日ということはすっかり忘れていた。家内の記憶ではそういうことらしく、さすれば今年は9歳になる。 誕生日なら、なんかプレゼントしてやろうか、じゃあ、リンゴをやろう、ということで、朝のランの食事が終わった後、デザー…

 犬は考える

ランは8歳。大型犬の一般的寿命は12歳とか、13歳とかいうが、小型犬はもう少し長い。ランは中型犬、14歳ぐらいは生きるかなと思う。ランの寿命と、トウちゃんのぼくの寿命と、ときどきなんとなく比べている。トウちゃんのほうが長生きしそうだから、…

 犬の自由度

雪の日、ランは居間のストーブの前でぬくぬくと眠る。お向かいみよばあちゃんのマミは、外の犬小屋の、毛布に丸くなって寝ている。マミは散歩のとき以外は数本の杉の根方の犬小屋だけで毎日過ごしている。条件から見れば、ランは幸せ、マミは寒そうでかわい…

 犬の言葉、犬の表現

[「二階へ行って、ネンネしておいで。」 ところがランはぼくの目を見て、「行かない」ときっぱり意思表示をした。「二階の寝床へは行かない。まだここにいて、トウチャン、カアチャンと一緒にいたい。」という意思は、ランの態度を見ると明白に分かる。頭を…

 ランの寝床の古毛布

ランの寝床は一枚の古毛布。 ランの毛がいっぱいくついている。 ときどき天気のいい日に、外の犬小屋の屋根に干してやる。 風が吹くと、くっついている毛が飛んでいって、少しきれいになる。 風上に立って毛布の端を持ち、ぱたぱたと毛布をはたくと、毛布は…

 干し柿とラン

昨夜、ランがげろげろと戻した。 晩ご飯で食べたドッグフードが胃液にふやけて床の上に出ている。 どうしたん? 何か悪いもの食べた? 変なもの食べたのか? ランは神妙な顔をして、また毛布の上に身体を伏せた。 それにしては吐いたものの量が多い。おかし…

 犬の感情

猛暑の夏はいちばん涼しいところ、昼間は土の上や草の上、夜はフローリングの上、風の通るところを選んで、真横になって寝ていた。 秋になって、気温が下がり始めると、今度は暖かいところと涼しいところを交互に選んで寝ている。 日向で寝ていて、はあはあ…

 一輪車に乗った犬

行く道の向こうで二人のご婦人が、向かい合って話をしている。 村の中、人影はその二人だけだ。 夕暮れが迫っていた。 一人の婦人の足元に、犬がおり、 もう一人の婦人の前に、一輪車があった。 向かい合っていた二人の身体が動いた。 一人がかがんで、足元…

 犬の社会性、人間の社会性

ランは、ゴンチャン、カイちゃん、スズちゃんとは仲がよい。 これまで親しく接触する機会があったから、友だちになっている。 だが、散歩の折、通りがかりに出会って行き過ぎるだけの犬には、興奮する。 近づいて友だちになりたい、という気持ちなのか、対抗…

 ランの一日

真夜中、ごうごう、バタバタン、外は猛烈な風が吹いており、その音で目が覚めた。 また何かが吹き飛んでいるだろうな。 風は南からだ。このごろ強い南風の吹く日が多い。 昨日の午前中も南風で、午後になって北風になった。 一度、犬小屋の屋根が吹き飛んだ…

 ランのストレス

犬の先祖は群れの動物であったから、仲間が欲しいという本能がひそんでいる。 ランは、はるか遠くでも犬の姿を見つけると、関心を示す。 ときどき散歩で出会うゴールデンレトリバー種のゴンちゃんやカイちゃんは自分よりも大きいから、 一目置きながらも仲良…

 遊びに見るランの意思

棒をくわえて、ランが入ってきた。遊ぼうや。 庭にいるランに近づいていくと、待ってましたとばかりに、 遊び道具を用意するのが、ランのいつもの意思だ。 遊びたがり、 ボロ靴があれば、それが道具になる。 棒切れがあれば、それが道具になる。 こちらの眼…

 盗み食い

隠してもばれます 朝5時過ぎ、起きると、ランが階段を上がってきた。 様子がおかしい。 口を動かしている。 「何を食べているの?」 ランは、ばつが悪そうに顔をそむける。 何かやったな。 こっそり良くないことをしたときは、態度に現れる。分かっているん…