宮澤賢治

賢治とクラシック音楽

賢治の弟、宮沢清六さんが、「兄のトランク」という著書を、1987年ちくま文庫から出している。そこに大正7年ごろ、ラッパ型の蓄音機で賢治がレコードを聴いた話が出てくる。 「私どもははじめて従兄のところで洋楽のレコードを聴いたが、兄はその時、長い間…

東北農民管弦楽団の記事

昨日、朝日新聞の「ひと」欄に、東北農民管弦楽団を設立した白取克之さんの記事が出ていた。 白取さんは、中学生のときに、宮沢賢治の作品『セロ弾きのゴーシュ』にあこがれてチェロを始めた。そして宮沢賢治が教え子に、百姓になれと諭したことを知る。賢治…

菊芋

菊芋が、たくさん穫れた。毎日、少しずつ食べている。整腸作用があり、血糖値を下げる。心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病の予防にもなる、ガンにも効果があると言う。「名医の太鼓判」とも言われる芋だ。 我が家では、電子レンジでチンをして、みそだれをつけて、食…

賢治と心土

屋久島に住み、心にしみるエッセイを書いた山尾三省さんは、1988年、「自己への旅」というエッセイ集を著した。三省さんはインドを遍歴して、屋久島に帰り、コミューン「部族」に参加していた。 今は亡き三省さん、彼は「自己への旅」のなかに、仙台で出…

岩手県、賢治の故郷、感染ゼロ

報道のうえでは、コロナウイルスの感染がゼロの県は岩手県である。 宮沢賢治のふるさと、賢治が「イーハトーブ」と呼んだ、心象世界の理想郷、岩手。 新聞の感染の記録を毎日見る。おう、岩手、がんばってるぞ。 岩手は日本のチベットと、昔から言われてきた…

賢治の祈り

宮沢賢治は、動植物をはじめ、無生物も含めたものたちからなるコミュニティ、社会を考えていた。『なめとこ山の熊』は、動物たちや、人間たちを、同列の参加者とした一種の民主主義、社会の在り方を考えている。辻信一はそう主張していた。 家にある賢治の本…

 ブログ停止の顛末と「星めぐりの歌」の歌詞の削除

私のこのブログは、しばらくの間公開停止になっていた。初めの段階は、未公開になっていることが分からず、いつものように文章を書いてアップしていた。変だなと思ったのは、二週間ほど前、カウンターの欄が3とか4とかという数字が続き、それまでの数から…

 「イーハトーヴ交響曲」 

80歳を迎えた富田勲が、昨年「イーハトーヴ交響曲」を創った。長年心に抱き続けてきた大きなテーマに富田勲がチャレンジし、この交響楽を完成させるまでの密着ドキュメントを昨日録画で見た。大人と子どもの300人の大合唱団とオーケストラ、そこに現代アート…

 生徒のいたずら、先生のいたずら

子どもはいたずらが好きで、友だちを驚かせたり、困らせたりしては大笑いする。時には相手を怒らせ、大人から大目玉をくらうこともある。それでも、いたずらは遊びの一種として絶えることはなく、いたずらをしたことのない人よりも、いたずらを子ども時代に…

 生徒のストライキ事件

賢治は25歳から30歳まで、農学校の教員を勤めた。稗貫農学校と花巻農学校の教員時代の賢治について、教え子が語った話を作家の畑山博が書いている。 当時生徒だった根子吉盛が、生徒のストライキ事件を語ったことがあった。 「いつだったか、校長が生徒を殴…

  星の話

立冬の昨夜、東の空にオリオンの輝くを見た。この冬初めてのオリオンだった。昴(スバル)はそれより西にほんのりとかすかに光る。九月に眺めたのは白鳥座とカシオペア。今秋の初スバルは10月だった。むつら星(六連星)とも呼ばれているスバルの六つの星…

 銀河鉄道の夜

目に留まったのは、TVの一画面だった。 アメリカのモダンアートの絵画作品のそれは、街の風景であったが、雑踏の上に高架線があり、そこに駅があるのか電車が止まっている。下を歩いている人々は帰宅途中なんだろう。日は暮れている。電車の窓にはオレンジ…

 羅須地人協会での賢治の授業

1926年(大正15年)、三十歳の賢治は花巻農学校教師をやめた。 「この四ヵ年が、わたくしはどんなに楽しかったか。わたくしは毎日を鳥のように歌って暮らした」 農学校をやめる理由の中に、自ら農民の暮らしに入ろうという決意があった。 賢治はひとりで自炊…

宮澤賢治の思想と東日本大震災

この夏に出版された山折哲雄の新しい本、「往生の極意」(太田出版)を読んでいる。 宮沢賢治は、明治三陸沖地震が襲った年に生まれた。地震と大津波が二万二千人の命を奪い取ったその二ヶ月前に誕生し、誕生四日後に内陸直下型の陸羽大地震が襲う。 賢治が…

 貞子さんからの贈り物『賢治の手帳』

貞子さんから送られてきた小包を解いたら手帳が出てきた、黒い小さな手帳、 ほんにまあ、これがその手帳なのか、賢治の手帳だよ。 「雨ニモマケズ」が書いてあった、あの手帳の複製。 添えられていた貞子さんの手紙に、 「宮沢賢治の『雨ニモマケズ』の詩が…