2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 希望とは地上の道

南北首脳の板門店会談の実況放送を見ていて、ぼくは胸が熱くなった。 東西ドイツが一つになったときの、あのベルリンの壁崩壊のような道を歩んでくれ。 二人の姿は、ドイツの市民がつるはしをふるってベルリンの壁を壊している姿を思い起こさせる。 この春ま…

 小鳥たちの春

ウイーンのクロウタドリ 思いがけずガビチョウのことをコメントしていただき、うれしかった。halariさんという方、ブログを読んでくださっていたのだ。 よく観える双眼鏡を、買わなければならないかなあ。 昨日、あれはたぶんカッコ―だと思う、尾羽が長かっ…

 春爛漫

ミヨコさんの家の高木から、美しいさえずりが聞こえてきた。ときどき山手の方で聞くことがある、その鳥が何なのか、姿は見えず、分からないまま、さえずりだけを耳にする。そのさえずりを聴くと、足を止めて聴きほれる。複雑に変化するメロディは、ヨーロッ…

 田中正造の最後の問い

田中正造の絶筆は彼の日記の最後にあった。文語で書かれたその文章を口語に変えると、 「悪魔を退ける力のないものの行為の半分は、その身もまた悪魔であるからだ。業(ごう)によって自分自身に悪魔の行為があるから、悪魔を退けるのは難しい。そこで懺悔が…

 花咲く春の野

土筆(ツクシ)の大群落だ。 畔一面に、緑の草も混じる枯れ草の上に礼儀正しく、 枯れ色の土の筆をしゃきっと立てている。 目立たない質素な坊主頭。 野を見回すと、あっちの畔にも、こっちの畔にも、 土筆の大集団。 昨年はこんなに大繁殖ではなかった。 別…

[環境] 子どもの原っぱ <4>

写真家・宮原洋一が、写真集「もう一つの学校」の撮影を通して観た子どもの現状を、堀切直人は資料として提示している。「もう一つの学校」は、「原っぱ」などの子どもの遊び空間のことだ。 「1960年ごろから子どもたちのタテ型の遊び集団が解体しはじめ、ガ…

 子どもの原っぱ <3>

数年前、珍しい光景を見た。小学生の三人組がチャンバラごっこをしている。畑の一角に工務店が廃土を盛り上げた小山があり、そこに登った子がお山の大将になって棒きれを刀にして振り回し叫んでいる。小山の下から二人の子が、同じく棒を振りかざして攻撃を…

 子どもの原っぱ <2>

「原っぱが消えた」(堀切直人)は、北杜夫の書いた長編小説「楡家の人びと」の中に出てくる少年時代の原っぱを紹介している。 「その原は、訪れる人々の数によって、急に生気を帯び、にぎにぎしくさざめいて見せたり、突然がらんと人気もなくなって、いやに…

 子どもの原っぱ <1>

「原っぱが消えた 遊ぶ子供たちの戦後史」(堀切直人 晶文社)は、世の大人たち、政治家たち、親たち、教師たちに読んでほしい本である。今の社会を観ていて、このまま行けば、子どもはどうなるだろう、人間社会はどうなるだろう、と思うことしばしばだが、…

 北さん、逝く

白馬村に住む徹君に電話した。 「北さん、亡くなった。14日、大往生や。」 奥さんからの連絡は一週間ほど前にあった。 夕食に、ホタルイカを食べ、焼酎も飲んだ。ちょうど孫娘が来ていた。爺が大好きという孫娘は、18歳。 みんなが休んで、午前0時を回…