2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

 幼少年時代の体験は一生の糧となる

ヘルマン・ヘッセの研究家であり翻訳者でもあった高橋健二が、こんなことを書いている。 「ヘッセは少年時代、すでに死の一歩手前に追いつめられる危機を体験した。その後、二度の大戦には平和主義の立場を貫いたために生活の危機に直面した。ノーベル文学賞…

 暮らしをつくる子どもたちの力

カナダの先住民の村。若いフレッドには、10歳から15歳になる弟たちがいた。弟たちは元気だった。 「彼らは私を外に引っ張り出すと、自分たちが薪をじょうずに割れることを見せてくれた。実際、それは驚嘆に値するものだった。少年は左手で数メートルの長さの…

 満月の雪山を見よ、子どもらに夜の山を体感させよ

「外へ出て、山を見てごらん」 家内に声をかけた。夜に入ると外は氷点下に向かって気温を下げている。今夜は満月、まるまるとした月が冴え、鹿島槍ガ岳、常念岳が月光に浮かび上がっている。家内は街灯の光のない裏庭に出て山を見る。と急いで家の中に入って…

 薪づくり

このごろ、工房をよく使うようになり、薪ストーブが活躍している。薪ストーブの温かさは格別なものがある。そこで燃料がさらに必要となってきたのだが、薪を作るには、チェーンソーが必要だ。安く手に入れることはできないものかと、インターネット通販など…

 ベトナムの青年が来た・日本語教室

日曜日の夜は、公民館で日本語教室だ。7時から9時まで、ボランティアの指導者5人が教えている。ぼくは、とっぷり日が暮れた暗い夜道を自転車に乗ってやってくる外国人の青年たちの安全が気になった。そうだ、あの安全用の反射たすきを持っていって提供し…

 「樹木葬自然公園と子どもの森」構想実現に向けて<自然葬の実践例>

「自然葬ハンドブック」を取り寄せ、読んだ。そのなかに、遺灰を海や大地に撒いた人の名が載っていた。タゴール、ガンディー、ネール、周恩来、�殀小平、アインシュタイン、エンゲルス、ケインズ、ジャン・ギャバン、ライシャワーなど、宇宙自然界に帰ってい…

 今日は水路の掃除、小柿を食べた

朝8時から居住地区の共同作業だった。農業用水路の掃除と水路際の草取りが作業内容になる。この地区の住民はそれぞれ分担区域の水路に分かれて作業する。朝から雨になった。カッパを着て鍬を持ち出かけようとしたら、隣の0夫妻が車でやってきた。 「私は作…

 PTSD(心的外傷後ストレス障害)

沖縄の高齢者の中で、67年前の戦時に心と体に受けた傷の、今になってうずきだし苦しむ人が増えているという。沖縄戦の生き残りの島民たちである。沖縄戦は、日本軍11万人とアメリカ軍54万8千人が激戦を繰り広げ、その間に挟まれて殺されていった住民…

 われらはみんな渡来人

大阪市の中学校の教員をしていたとき、大阪に残っている地名と朝鮮からの渡来人について調べたことがあった。今も南百済小学校があり、百済川という川がある。川は別名平野川と言った。百済駅の名もJR関西線に存在する。加美には鞍作(くらつくり)という所…

明北小学校の水木勝俊氏の実践報告 <松枯れ病を観察して>

「第36回 安曇野教育大集会」の松本文男講演の前に、明北小学校教諭の水木勝俊氏の実践報告があった。短い時間だったが、総合学習の時間に、子どもたちが野外に出て行なった活動だったから、大いに興味関心があった。映像を使った報告は、「ふるさとの自然を…

 カウンセリングの力

日本精神療法学会の松本文男氏の講演を聴いた。 250人ほどの参加者の最前列にぼくは座って、一言も聞き逃すまいと思った。メモを取りながら聴く話は、36年間に及ぶ氏のカウンセリング体験が元になっている。先生は、カウンセリングを受けに来た人たちの、す…

 無意識の世界からとどく声

蕭蕭(しょうしょう)と風吹き、夜半に目覚めた。雨打つ音も聞こえた。 野歩きに着ようと探していて見つからなかったウインドブレーカーの置き場所が突然頭に浮かんだ。本棚と本棚の間、見えないところにぶらさげた記憶だ。そうだ、あそこにあるはずだ。 こ…

 安曇野に樹木葬自然公園と子どもの森を! 命のバトン、心のバトンを未来につなぐ<2>

今朝の新聞に、「いじめ楽しむ心の底 考えて」というタイトルでこんな投書が載っていた。書いた人は57歳の看護師、女性。「いじめをした生徒が『遊びだった』というのは、いじめた子と同じ立場で遊んだという意ではなく、今度はどういじめようか仲間と策を練…

 安曇野に樹木葬自然公園と子どもの森を! 命のバトン、心のバトンを未来につなぐ

「ちょっと相談したいことがあるんですが、今からどうですか」 「いいよ、いいよ、こっちへ来とくれ」 車をとばしたら、すぐ着いた。アキヒサさんは仕事場にいた。サツマイモがごろごろ床に並べられている所に、椅子が二つあった。 「相談ってなんかね」 そ…

  R・ド・グールモン「落ち葉」

7年前まで5年間住んでいた奈良の金剛山麓の古家は、冬はしんしんと冷え込んだ。築80年の古民家は少し傾き、土壁と柱の間に隙間が開き、天井裏には野良猫が住み着いて自由に外と出入りしていた。冷たい外気は容赦なく室内に入ってくる。寝室の気温は、外気…

 教員すべてにカウンセリングの基本を

いじめ問題から、学校にカウンセラーを置くという政策が考えられているらしい。しかし、現実的にそういう能力を持つ資格者がいないことから、すべての学校に配置することには無理がある。何よりも重要なことは、教師一人ひとりがカウンセリングの本質と理論…

 ふたたび「大笑いしなさい」

このブログの2009年10月30日、「大声で笑いなさい」と書いた記事にコメントをいただいたから、自分はどんなことを書いたのかなと、その日を出してみた。そうしたら柳田國男の「存分に笑うのがいい」という記事だった。 柳田國男の意見というのは、 「子供が…

 どあい子ども冒険クラブ、今日は基地づくり <2>

ハマさんは実演しながら、刃物の使いかたを子どもたちに説明する。「鎌は手前へ引っ張る、右手で引いたとき、左手の指を切った人がいるよ。ナイフは向こうへ押して木を削る。近くに人がいると危ないぞ。1メートル以上離れてやるんだぞ。」ハマさんは真剣だ。…

 どあい子ども冒険クラブ、今日は基地づくり

子ども冒険クラブを主宰するハマさんから二日前に電話があった。土曜日の冒険クラブのスタッフにきてくれないか、というものだった。快くOKして、今朝早く霧の中を車で出かけた。子ども冒険クラブは、黒沢川上流の谷間が舞台だ。今日は一日、基地づくりを…

 ロングブレスとウォーキング

以前太極拳の教室で、インナーマッスルを鍛えることの大切さを指導者から聞いたことがある。太極拳はそれに役立つということなのだが、インナーマッスルっていったい何だ?とそのとき思った。調べてみると、インナーマッスルというのは体の奥のほうにある筋…

  星の話

立冬の昨夜、東の空にオリオンの輝くを見た。この冬初めてのオリオンだった。昴(スバル)はそれより西にほんのりとかすかに光る。九月に眺めたのは白鳥座とカシオペア。今秋の初スバルは10月だった。むつら星(六連星)とも呼ばれているスバルの六つの星…

 秋の幸の贈り物

ここ数日の寒気で、トマトも、シシトウも、ヤーコンも葉がしおれ、黒ずみ、見るも無残な姿になった。近くの三反歩ほどの畑いちめんに地ばいトマトが残っている。ジュースなどの加工用に栽培されるトマトで、秋の出荷が終わった後も実りつづけていて、それが…

 木の細工、心安らかな日に作る楽しみ

「私は家ではティッシュペーパーの代わりに、トイレットペーパーの巻紙を使ってるのよ」 自然の木で作られた台があって、そこに木の軸に通したトイレットペーパーを取り付けると、居間でも食卓でも使える。なかなか趣があり、それを家で使っているという話を…

 高村光太郎 <「落葉を浴びて立つ」>

山の黄葉・紅葉が里山まで下りてきた。里の道沿いに立つケヤキも葉をいっせいに落とし始めた。毎朝、落葉かきをしている人の姿がある。気温が零下になり、ある日、一夜にして葉をすべて落としてしまうという木は徳沢園の桂の大木だった。 高村光太郎に「落葉…

 高村光太郎 <智恵子の心はなぜ壊れたのか 2 >

戦後、光太郎はそれまでの自分を暗愚と規定して、雪降る冬、草木輝く夏7年、たった一人の農耕自炊の生活を岩手の山の仮小屋で送った。その初期に「暗愚小伝」を発表する。 今は亡き智恵子への想いは消えることはない。1947年(昭和22年)、亡き智恵子に報告…

  高村光太郎 <智恵子の心はなぜ壊れたのか 1>

あれだけ愛し合った二人だったのに、光太郎の妻、智恵子の心がどうして壊れていったのだろうか。解けるはずのない疑問である。 智恵子は福島県油井村の酒造業・長沼家の長女で、洋画家をめざしていた。1914年(大正3年)に二人は結婚して、東京駒込のアトリ…

  柿渋工房オープン

11月1日は、よく晴れたが、朝から風が吹き荒れた。「安曇野スタイル2012」という4日間のイベントの初日、風は庭のスイカズラがからむ支柱を吹き倒し、軒先に置いておいた野菜コンテナ、バケツも飛ばしてしまった。木枯らし第一号かと思うが、気温はそれほど…