2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

たがね

アキオさんの家は里山の際にある。 蝶ガ岳に連なる山のすぐ麓であり、夏は夕方が近づくと山から下りてくるそよ風が涼しく、冬は外壁も内壁もすべて木製の家に薪ストーブが燃えるホットなホームである。 今年はもうストーブに火が入っているということだった…

 理想の庁舎とは

ソバ畑 夕暮れのススキ ロシアのクレムリンを赤の広場で眺めたのは、まだソビエト連邦が健在だった1965年だった。 レーニン廟に詣でる人々や見学者が、赤の広場に長い列を作り、クレムリン、ロシア正教会、見わたす眺めは、ソビエトの威光を放っていた。 ヨ…

 電話の切り方

「スーさんへ 昨日の電話の終わり方、すまんことでした。 サンマが焼けて、テーブルに置かれ、かあちゃん、夕食準備はOKの様子、こりゃ長電話になりそうだと思ったから、早く電話を切ろうと思っていると、なんとなく話し方が不自然になり、気持ちがそれて…

 羅須地人協会での賢治の授業

1926年(大正15年)、三十歳の賢治は花巻農学校教師をやめた。 「この四ヵ年が、わたくしはどんなに楽しかったか。わたくしは毎日を鳥のように歌って暮らした」 農学校をやめる理由の中に、自ら農民の暮らしに入ろうという決意があった。 賢治はひとりで自炊…

 住民投票は市民の政治参加<未来のビジョンを画いて>

安曇野市新庁舎建設の可否を市民の直接投票で決めようではないかという住民投票条例制定の署名運動が始まっている。 安曇野市の借金は、現在900億円。 そこへもってきて安曇野市新庁舎の建設計画は80億円と見込んでいる。 日本の国の借金は、880兆円…

 山のフィナーレ<乗鞍高原・白骨温泉>

乗鞍高原は、紅葉まっさかりだった。 青空の滑り台。 尾根から谷へ、錦の森はなだれ落ちる。 稔りの秋の、やがて来る冬に先駆ける静寂の賛歌だ。 休眠に入る前、 山はフィナーレの大合唱。 一の瀬牧場を歩く。 黄葉の森を編む白樺の白い幹。 あざみ池の澄ん…

 外国人対象の日本語教室が始まった

16日の日曜日の夜7時から始まった。 地元地区の、外国人対象の日本語教室だ。 かねてからやろうと考えていたが、スタートが切れないでいた。 やっと動けるようになり、教育委員会の社会教育課と相談したら、奇しくも二人の人が同じように教室を開こうと準備…

 『田舎のモーツアルト音楽祭』全校生徒のレクイエムがすばらしかった

生徒合唱 校庭の彫刻 校庭にある碌山の彫刻「坑夫」 図書館においてあったチラシを洋子が持ち帰ってきて、見ると『田舎のモーツアルト音楽祭』とある。 会場は穂高東中学校で、生徒の発表と、招待演奏家の演奏の二部構成になっている。 最初この音楽祭が、尾…

宮澤賢治の思想と東日本大震災

この夏に出版された山折哲雄の新しい本、「往生の極意」(太田出版)を読んでいる。 宮沢賢治は、明治三陸沖地震が襲った年に生まれた。地震と大津波が二万二千人の命を奪い取ったその二ヶ月前に誕生し、誕生四日後に内陸直下型の陸羽大地震が襲う。 賢治が…

 久しぶりの山道

「小さな同窓会」があって、十人の旧同志たちが、ピラタスの丘の「ひこう船」に集まった。 波乱に富んだ夢の、「梁山泊」か「井岡山」か、胸躍らせたそれぞれの人生を振り返り、 希望と矜持、悔恨と責任、 自由奔放に話は夜中の3時まで続いた。 翌朝、秋は…

  灰燼の中から不死鳥のように立ち上がる <ウェストンも日本で地震を体験>

ここ数日、地震が連続している。震源地は長野県北部。 TVに、あの不安な地震予報のコールサインがなり、「強い地震が来ます。」と知らせた。 四回だけ、一瞬グラッと来た。やっぱりドキリとして不安が襲った。 グラッと来ると大急ぎでドアを開けて逃げ道を…

 日本語教室への一歩

二十歳ぐらいの彼はまだ少年の面影があった。 中国労働部(労働省)の青島研修所で一心に日本語を勉強する彼は希望に燃えていた。 午前中は私の日本語の授業、午後は中国人教師の授業、学習期間は二ヶ月間。 生徒たちは専用の宿舎に合宿し、夜の自習の時間も…

 薪づくりと初冠雪・初霜

ログビルダーのケイタ君が、伐採した2本のナラの樹を運んできてくれたのは、一月ほど前だった。 建築現場で切り倒された後、寝かされていたのか、樹肌に苔がついている。 工房に設置した薪ストーブの薪に持ってきてくれたのだが、二本とも直径30センチほ…

 犬と受刑者の愛情が運命を変える

暴力行為を繰り返してきた、 強盗を犯した、 人をナイフで刺し殺した、 そのような罪を犯した若者の受刑者が収容されている刑務所で、虐待されてきた犬や捨てられていた犬を服役者が世話し、訓練して、人間を取りもどしていくドキュメンタリーだった。 秋の…