2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

海三郎君がやってきた

海三郎君が埼玉からやってきた。 彼の頭はつるつる。私の頭は疎林、まだほんの少し毛がある。 工房で話をした。今年初の薪ストーブに火を入れた。 話はあっちへ跳んだりこっちへ跳んだり、 「水岡君は本を買ってくれていますよ、奥さんが亡くなってから、元…

「夕映えのなかに」読後感想文<2>

私たち夫婦が、奈良県の御所市に住んでいた時、裏の畑で家庭菜園をつくられていた井上さんが、拙著「夕映えのなかに」の購読をたくさんの人に薦めてくださり、そして読んでくださったそれぞれの人の読後感想を集めて、プリントアウトして送ってくださった。…

「夕映えのなかに」読後感想文 <1> 

吉田氏が北アルプスの麓、安曇野市に移住され、公民館での日本語教室等のご支援をいただき、私にロマンを語られた背景が、この小説を読んで今さ らながらよくよく理解できました。ドラマチックな展開で読みやすく、立派な自分史でもあると思います。小中学校…

「土の歌」をモスクワへ

今朝テレビで、「土の歌」(大木淳夫作詞、佐藤真作曲)の混声合唱を聴いた。胸がふるえた。この曲のフィナーレ、「大地讃頌」は感動的で、地元のコーラスでも以前よく練習し、アルプス公園での数百人の大合唱にも加わって歌ったことがある。 「土の歌」を聴い…

人類は進化しているのか

今朝、ついに初霜おりる。気温二度。 一昨日は、白馬連峰が初冠雪。 昼間、庭の木漏れ日のあたるところに、赤とんぼが止まって、ひなたぼこしている。冬が近づいている。 今は亡き小田実を想う。彼はエーゲ海のサントリーニ島の沖に散骨され、海に眠る。 彼…

「ダウン症児から学ぶこと」

2013年からK君の書き始めた手記、 「ことともに ダウン症児から学ぶこと」 そのなかの一編、2016年10月01日をここに紹介しよう。 ☆ ☆ ☆ 福人がついに、わたしのことを「パパ」と呼びました。 この日を待って、7年間。 福人が生まれてからずっと、この子は一…

二人の来客

先日、三重のムラから、YさんとSさんが我が家に来られた。その一週間前、二人は、燕岳に登る予定で来たついでに寄って行かれたばかり。 その日、二人は蝶が岳に登って、帰りに我が家に来られた。 「麓の三俣から日帰りで蝶が岳に登ってきたよ。快晴のアルプ…

田中克己の詩「恥辱」

第一次世界大戦は、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、オスマントルコなどの同盟国と、フランス、イギリス、ロシア、イタリア、日本などの連合国とが、大規模な戦争を繰り広げた。そして第二次世界大戦では、ドイツ、イタリア、日本の枢軸国と、フランス、…

アイヌ神謡集の伝えるもの

かなり以前、朝日新聞に「ニッポン人脈記」という連載があり、「ここにアイヌ」という記事があった。ぼくはそれを切り抜きして残していた。偶然その切り抜きが出てきたので、ここにあらまし記しておこう。 「悠久の時をこの国に刻み、アイヌの人々は独時の文…

ビンガの謎

岩手を含めて東北は、かつてアイヌ人の住むところだった。柳田国男は、「遠野物語」で、岩手のあちこちの土地名がアイヌ語であり、アイヌの遺跡もあることを書いている。そのことを私の自伝的小説「夕映えのなかに」(本の泉社)に書き込んだが、かつて登山…