モッコウバラが咲いている。続いて白バラも。
今年4月の「かくらんの会」で、
「樹木葬の森をつくらないかね。今、全国的にも注目されている樹木葬だよ。」
と、会の陽気な勢いにつられて出してみたら、みんな乗った。
「それいいね。」
7人みんな、他府県から安曇野に移住してきた人ばかり。
だからここには先祖代々からの墓はない。
大体が、高い費用を出して葬儀を行い、お墓をつくるという気の無い人ばかり。
そんな余裕も無い。
「自然葬がいいね。」
自分の葬式はそうしたいと言う。
ところで「かくらんの会」というネーミングは、カン・サンジュン氏の著『悩む力』からとったもの、
「年をとるほど元気になって、社会で活躍する」ということか、
誰か知らん、誰かが言い出した。
4月のその日は、50代から70代までの7人が集まった。
一品持ち寄り、酒も飲む。
安曇野の常念岳など北アルプスの見えるところにね、
いろんな木々を植えてよ、
そこが癒やしと憩いの森になって、うっそうと木々が茂る、
清流が流れ、動物が生き、散策路がめぐる、
それでね、
同時に一生を終えた人の大地に還っていくところなの、そこが。
希望する人がそこに埋葬されるんだよ、
自分の好きな樹を選んでね、
桜、けやき、楠、くぬぎ、こなら、ぶな、いちょう、松、落葉松、樫、桂、やまぼうし、白樺、いちい、‥‥
たくさんの樹を植えて、
どの樹がいいかな、選ぶんだ、
石碑のりっぱなの、いらないよ、
お墓は、わが子や孫の代もそこに住んでいるならいいけどねえ、
全国のお寺の墓地なんかにも、無縁墓地があるでしょう、
世話する人がいなくなる、
ところが、樹木葬なら石碑が樹木なんだから、森なんだから、
遺骨は樹の根方に静かに、土と一体化して、
その人は樹の精として生きつづける、
やがては宇宙と一体化する、
そんな広大な樹木葬森林公園をつくりたいねえ。
どう? NPO法人を立ち上げて、
やらない?
市長さんや行政とも、相談し、
地元の賛同者をつのって、
土地をどうするか、
資金どうするか、
まずそこが大きなテーマだね、
この公園は、安曇野の景観をさらによくすること請け合いだよ。
環境にもいいね。
全国から希望者が集まって、
葬られた人に会いに親族や友人がやってきて、温泉に浸かり、森に遊び、安曇野の文化を楽しみ、
地場産の作物を買っていく、
産業、文化、健康、環境、教育にも、よい影響をもたらすね、
交流の場でもあるよ、
つくりたいねえ。
人間誰も、還っていくんだよ。
還っていく日へむけて、生きているんだよ。
だんだん還る日が近づいているんだよ。
みんな乗ったね。
乗ったことは乗った、
ではどう動く、
さあて、さあて、
ここからだ、
まだ動かない。
ま、そのうち、動き出すずら。