2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

 報せ来る

この春、自分で運転してやってきて、思いのたけを語っていった。 まだまだ元気だった。 だが、全身にガンは転移し、肺もおかされ、 自宅で闘病していた彼女をぼくらが見舞ったときは、 「今年いっぱい持つかどうかと医師は言うが、自分は死ぬ気がしない」と…

 戦後教育と日教組

20歳だった槙枝元文さんは青年学校の教師になり、岡山県で国民学校高等科2年生(今の中学2年生にあたる)を教えていた。 1941年、県から命令が来た。 少年航空兵と満蒙開拓少年義勇軍の志願者を1名すつ推薦せよ、 槙枝先生は教室へ行き、生徒にその…

 日教組と子どもの学力

<中山国土交通大臣の認識> 「失言」というのは、「言ってはいけないことを不注意で言ってしまうこと」の意だが、 「言ってはいけないこと」とは、「他人に差しさわりがあるから言ってはいけない」であり、 言ってしまうとトラブルになったりもする。 では…

 石垣りん「子供」

えっ、思わず叫びそうになる話を詩人の伊藤信吉が書いていた。 石垣りんの詩「子供」の解説のなかで。 こんな文章である。 「他人の手で殺された子供を、 その母親が三日三晩抱き温め、 三日三晩子守唄を歌いつづけ、 ついによみがえらせたという感動的な伝…

 伊東静雄「九月七日・月明」

我が子が病気になったとき、子どもが元気になることをひたすらに願う親の心は切ない。 むずかしい病気だと聞けば、日ごろは神仏に祈ることのない親であっても、 どこそこの神さんはごりやくがあると教えられるとお参りして祈願し、 お百度を踏んででも、祈り…

 巣にアシナガバチがいない

ブルーベリーという実を知っている? 「ブルー」は「青い」だね。「ベリー」はイチゴの類、「青いイチゴ」です。 イチゴといってもブルーベリーは小さな丸い実で、実の大きさは豆つぶほどかな。 熟すと黒っぽくなる。 熟れると甘いけれど、甘すぎないからい…

 生徒の相談には誠実に応えよ

「先生、父が胃ガンです。」 卒業生M君から、電話があった。高校生の彼はどうしていいのか分からず、悩んでかけてきた電話だった。 ぼくは20代の独身教師、ターミナルで落ち合って、さてどうしようかと考えた。 今なら喫茶店にでも入って話を聴いただろう…

 秋

水路を流れ落ちる水。 夕顔の花。 稲刈りが始まった。 コンバインが田の周囲からぐるぐる渦を巻くように刈り取り、わらは細かく切断されて田の面に撒かれた。 コンバインを運転する人、脱穀した米を運ぶ車を運転する人、 この日ばかりは家族総出だ。 日が落…

  星野道夫写真展 & 白クマとイヌイットアート展

安曇野の東部、池田町の丘に町立美術館がある。 美術館からの眺めは、まさに絶景。 高い木立が集落を取り巻き、黄金色の田園は稲刈りも近い安曇野の、 真正面に有明山、その背後に北アルプスが波打っている。 池田町立美術館はクラフトパークの中にある、こ…

 帯津医師の話 「心」

太極拳の会で、分杭峠へ行ってゼロ磁場の「気」を体験してきたYさんに帯津医師の話をしたら、その人の本を持っているよ、と言う。 早速借りて読んでみた。 本の名は、 「新しいガン治療 もうひとつの地平を見つめて」(帯津良一・王振国共著 K&Bパブリシ…

 命とは何?

伊那谷、南アルプスの麓に、分杭峠というところがあり、 そこは「ゼロ磁場」で、気が充満している「気場」だと言われており、 家内の入会している太極拳サークルが分杭峠行きを企画して、日曜日、家内は1日出かけていった。 分杭峠は中央構造線という大断層…

 芥川賞受賞、楊逸「時の滲む朝」を読む(2)

集会、デモ、座り込み、ハンスト、二人は甘先生をリーダーに連日運動にはまり込んでいった。 やがて二人は北京・天安門のデモに参加する。 天安門広場は全国から集まってきた学生で埋め尽くされ、自由に憧れる学生たちの思いを象徴して人民英雄記念碑の傍ら…

  芥川賞受賞、楊逸「時の滲む朝」を読む(1)

中国人、楊逸の「時の滲む朝」が芥川賞を受賞したことで、 いくつか興味関心の湧いてくるものがあった。 1987年に中国から来日して20年、作者の人生はどんな人生であり、それはどのように小説に結晶しているのだろうか。 20年の歳月で覚えた、母語で…

  首相は番頭であれ、ドン・キホーテであれ

おもしろい意見を書いている。 同志社大学教授の浜矩子氏(朝日紙)。 「福田首相は『番頭外交』というもので世界に打って出ればいいと思っていた。 番頭外交とは、大だんながむちゃなことを言ったら『まあまあ』となだめ、 若だんなが遊びほうけていたらい…