2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 早春賦

ライラックの芽、ふくらむ 犀川の白鳥たちが、 二、三日前、いっせいに北の国へ帰っていったと聞いた。 ところが、毎日のように雪の降るこの頃、 どうしてそう急いで帰っていったのだろう。 シベリアの自然はまだまだ食べるものを用意できていないかもしれな…

絶望に打ちひしがれた人々へのエール<三好達治>

「氷の季節」・「涙をぬぐって働こう」 三好達治が、終戦直後1946年(昭和21年)に刊行した詩集『砂の砦』に、 「氷の季節」と「涙をぬぐって働こう」という詩がある。 敗戦、焦土と化した祖国、 人々は家族を失い、食べる物はなく、住む家、着るもの…

 湯たんぽ

夜の九時前になると、湯を沸かす。 ベッドの夜具の中から取り出した湯たんぽは、昨晩入れた湯の温もりがまだ残っている。 その湯を浴槽の湯のなかに流し込み、 台所で新たにしゅんしゅん沸いた熱い湯を湯たんぽに入れる。 このプラスチック製の湯たんぽは数…

 ツボ・プロセス・環境

1、ツボ 昔、徳川夢声の講演を聴いたことがある。 講談師、漫談家だった夢声は、落ち着いた語り口と話の間(ま)の取り方が絶妙だった。 夢声の言う話のツボは、間だった。 当今のTVのワイドショー的番組は、たくさんしゃべらな損損、とばかり、 絶叫してい…

 元時津風親方の担任の先生

後悔 元時津風親方が逮捕され、 元親方の中学校時代の担任教師が朝日新聞に投書を寄せられた。 丸木先生、75歳。 ▽ ▽ ▽ 40年余前、両国中学校で教師をしていた時、教え子の母親から1通の手紙を受け取った。 ふるさとの北海道を旅だった息子が相撲部屋で…

  雪

今朝は零下10度にはなっていただろう。 昨日は久しぶりの快晴で、北アルプスもくっきり、雪の峻嶺を現していたのだが。 今日は午後になって雪が降り出した。 厳冬期の新雪は、容易に融けず、ふわふわとやわらかい。 これまでの雪の上にまた新たな雪が積もっ…

 おいしいね、ゴマ

ゴマとエゴマ 作りたてのほうれん草のおひたしは、うまいもんだ。 熱湯でさっとゆがいて、軽く湯を切ってからすりゴマとカツオの削り節をふる。 そして、めんつゆをかけるだけ。 少しふにゃっと柔らかく、鮮やかな緑色、まだ温かみが残っているのを食べる。 …

 まど・みちおの詩(3)

空気 S氏は、猛烈なヘビースモーカーだった。 労働組合運動の闘士から部落解放運動のリーダーになり、 その生き様は清廉潔白で、人情家、 情勢を鋭く分析し、 権力との闘いでは、舌端火を吐く激しさがあった。 そのS氏、仲間との会議の席では、何本ものタ…

 新たな出発

志をもって生きる 中国の研修所で二ヶ月間、日本に来て一ヶ月間の日本語を勉強して、日本の中小企業に出発していった人たち。 合計三ヶ月の日本語学習の最後に彼らは作文を書いた。 学びから断絶されてきた人たちや、夢を持ち、志を抱いた人たちの学びは、驚…

 雪降る 

雪が簡単に落下する屋根(左) 凍結して危険な道(右) 屋根の雪 一昨日の夜から雪が降り続いた。 隣の土地にいた二匹の野良猫の姿が見えない。 野良と言っても、餌を与えに来る元の飼い主がいて、 畑だった自分の土地に猫小屋を作って、そこへ餌が切れたこ…

 2002・2003年の記録

留守を守り、留守の舞台を楽しんでくれた人たち (3) 9/24 母屋、緑枝舎を通風。発芽した小松菜や大根に水遣り。畝と水路の整備をし、堆肥を入れる。(有沢) 10/2・3 インゲン、ゴーヤのつる・支柱の整備。西側土手の草刈りをしました。枝豆の倒れ…

  蚕の火鉢

古民具の物語 いつのぞいても戸が閉まっている骨董屋だが、 それでも、その前を通るだけで、少しのんびりした気分になり、心が安らぐ。 店前の軒先には、何点もの古道具が、雨ざらしのままに置かれていて、 それら長年使い込まれてきたもの言わぬものたちは…