野鳥

スズメの狩猟がなぜ認められるのか

スズメ歳時記。その本には、スズメの写真が全ページに充ち溢れていた。スズメのいろんな姿態、よくぞこれだけカメラに収めたものだと思う。愛らしいスズメ、愛情が満ちている写真集である。 そのなかに、こんな一文があった。 「野鳥としての生を尊重すると…

激減する野鳥

雪が積もると、野鳥たちは食べ物が無くなる。野鳥は、軒下や植木の根方など、地肌が見えるわずかなところを、くちばしで掘り返しているが、食べるものはなかなか見つからない。そこで台所から出る野菜くずなどを庭においてやったりすると、いくらか食べに来…

一羽のトビ

見上げると一羽のトビが円を描いて舞っている。 雲が多い。 風が冷たく、他に鳥の姿はない。 描く円弧から予想して、このトビは上昇気流に乗って、上がっていくのだと思う。 ぼくは歩くのをストップして、冷たい風に吹かれてトビを見つめていた。 予想通りト…

トンビを追い払う親モズ

驚嘆するのは、モズの親の愛情。 ヒナが巣立ちして数日経つのに、親鳥は巣立ったヒナに呼びかけている。 チチチチチチチチ‥‥、 ヒナはまだ餌になる虫を捕れない。ヒナに餌をやらねばならない。なんと親モズの愛情の深さよ。 その親モズの愛情の、どえらいシ…

モズの巣立ち

モズが生垣に巣をつくっていた。生垣は三メートルほどの高さになっている。 アカカナメの樹が端に、でっぷり太って茂っている。そこからイチイがぎっしり並んで茂っている。モズはこれまでアカカナメの茂みに巣をつくっていた。今年は、イチイのきのなかに巣…

小鳥の食べ物

戦時中、飼っていた農耕馬が、戦場へ送られていったのだろう。 馬「大東号」の出征碑。戦場に出て行った馬や犬の戦死はどれほどの数になるだろう。軍馬、軍用犬は、戦死しても祀られることも弔われることもなかった。 雪が積もって、白銀の世界に小鳥たちの…

托卵のヒナ

炎天が広がり、カッコウの声がほぼ消えた。ヨシキリも声を聴かず。モズも姿見えず。 オオヨシキリが盛んに鳴いていた時、妻が「分かったあ」と叫んだ。 「何?」 「あのヒナは、オオヨシキリのヒナだったんだ」 カッコウやオオヨシキリはモズの巣に、托卵す…

我が家のジョウビタキ

毎日、「おジョウ」が楽しみだ。ガラス 戸一枚を隔てて、ベランダのテーブルの上、わ.ずか五十センチほどの距離にいて、こちらを眺めている。 「おジョウが来たよ」 これが、我が家の朝のあいさつ。 細い線香のような脚、黄金色の産毛のようなお腹の毛、ふわ…

スズメを獲りにくる人

毎年、冬のこの時期になると、無双網でスズメを獲りに来る人がいる。我が家の近くに、半分耕作放棄地のようなところがあり、背丈より高いススキのような草が茂っている。冬になって枯れたくさむらは、スズメの餌場になっていて、毎日何十羽何百羽と群れてい…

ジョウビタキ、何してる?

ガラス窓の外に、薪の置き場がある。その屋根はポリの波板、そこにジョウビタキが飛んできてチョコチョコ歩き、こちらの窓ガラスを見る。僕の顔とジョウビタキとの間は一メートルも離れていない。ジョウビタキはしきりに体を動かし、突然飛び上がって、窓ガ…

ツバメの巣にスズメ?

ツバメの飛翔する姿を見ることが少なくなった。田んぼの上を低空飛行するのも一羽とか二羽とかだけで、群れ飛ぶ姿がない。 十数年前、安曇野に引っ越してきた時、家の前住人が、軒のツバメの巣を除去した跡が残っていた。そこに住んで一年後、ツバメが戻って…

ヒメコブシの話

スイセンが咲き始めた。一年でいちばん美しい季節だ。 ヒメコブシのつぼみが膨らみ、赤紫の楕円形が枝の先に見える。小鳥の眼はするどい。ヒヨドリがもう十日前ぐらいからやってきて、咲き始めるのをねらっている。 花が咲き始めると、ヒヨは枝の先端に止ま…

ムクドリ

秀さんとこから、コメの収穫後に出た米ぬかをもらってきて、動物性の台所食材の廃棄物を堆肥化するのに使っている。木箱のなかに、もみ殻燻炭とピートモスを混ぜて入れ、そこへ卵の殻や煮干しの煮だしたのや、魚のあらなどを投入してかき回し、ときどき米ぬ…

カラス

借りている半反ほどの畑に行ったら、えらい草やあ。草の勢いはたまらん。数日畑に行かなかったら、どえらいことになっている。畑には黒豆を植えているのだが、早く種をまいたのはすでに実をつけており、その間に草がにょきにょき生えている。草刈機であぜの…

アオサギ

(ストローベリー ムーンの日) 田に水が入り、田植えが終わった後しばらくは、カエルの声が盛んになる。昔は夜になるとやかましいくらいにカエルの声が夜のしじまを埋め尽くしていたが、現代農業になって、このなつかしいカエルの合唱は、田植えの後の一時…

アオバトの声

最初に播いた黒豆が芽を出した。今日も涼しいうちに新たな一畝に豆を播く。去年の秋に収穫した黒豆を種にして、今年の秋にたくさん収穫できますように、二粒か三粒ずつ、三十センチおきに播く。 黒豆は毎朝食べている。煎り豆にしてビンに入れ、黒酢をひたひ…

ヨシキリが啼く

今朝も雨かと思っていたら、止んでいたから、朝5時からラン散歩。道はまだ濡れている。 西の山の雲が低い。ときどきポツリと頭に雨粒が落ちる。 一枚の畑が雑草におおわれ、その草が背丈ほどにもなっているところから、小鳥の大きな声が響いてきた。 ギョギ…

モズのヒナ、元気です

巣立ちをしたモズのヒナ、無事外敵におそわれずに生きている。 あれから何日たつだろう。十分飛ぶ力もないのに早い巣立ちをして、ヒナは冒険をしてきた。無事に生きることができているのは、親鳥が見放さなかったからだ。ヒナは二羽、それぞれ我が家の庭と周…

カッコーとホトトギス

柳田國男の「遠野物語」の序文に、 「この話はすべて遠野の人、佐々木鏡石君より聞きたり。」 と書かれている。岩手の遠野郷は花巻から北上川を渡り、東へ十三里行ったところにある。遠野の「トー」は、もとアイヌ語の「湖」、遠野郷は大昔、湖だったという…

カラス・モズ・セグロセキレイ <2>

風が強かった。雪も少しまじって吹き付けてくる。食べ物の少ないこの時期、鳥たちは何を食べているのだろう。 モズは木の枝にとまって、動くものを探すが、どこにも虫はいない。それでも何かを見つけたかのように枝から地面に一直線に飛び降りて地面を探り、…

カラス・モズ・セグロセキレイ

雪の常念岳にまだ朝日が射していない。振り返ると日はまだ東山の陰を、姿を見せずにゆっくり昇ってきており、山際がオレンジ色になってきた。 常念を眺めながら、その方向にまっすぐ伸びる道をランちゃんと行く。 道路際の水路からセグロセキレイがぴょんと…

 小鳥たちの春

ウイーンのクロウタドリ 思いがけずガビチョウのことをコメントしていただき、うれしかった。halariさんという方、ブログを読んでくださっていたのだ。 よく観える双眼鏡を、買わなければならないかなあ。 昨日、あれはたぶんカッコ―だと思う、尾羽が長かっ…

 春が来た

一昨々日の重い湿雪で、ひばりの巣は雪に埋もれてしまったのでは?と案じていた。 地面に巣をつくるから、ドカ雪は災難。 ところが昨日、雲雀の姿が見えた。無事だった。巣の位置は、あの辺りかなと遠目で探すが、畑の中まで入ることは避ける。だから目にす…

 あげひばり

ここ数日、ヒバリと出会う。ヒバリくん、よくもどってきてくれたね。 安曇野に住んでいた写真家の田淵行夫は晩年、「ヒバリの声が聞こえなくなった」と環境劣化を嘆いていた。ぼくも安曇野に来て、ああヒバリがいない、と寂しい思いをしていたが、二年前、麦…

 酷寒のスズメ

昨日の夕方、木枯らしが吹き荒れていたとき、野をぐるりと一周して風に向かって帰ってきた。家の入口に来た時、ころりと地面にころがっているものがある。スズメだ。仰のけになっている脚の一つがかすかに動いた。胸のにこ毛もふくらんだり、へこんだりして…

 モズの巣立ち

ミニ牛蒡の種をまいた。ミニと言っても根っこは50センチにもなると種袋に書いてあった。できるだけ高畝にしたが、それでも根が50センチも伸びると堅い土の層に突き当たるだろう。そうなるとゴボウの先端は曲がる、いやそれでも根は堅い土に入り込んでいくか…

 オオルリ観察会

河原に下りていったら、対岸の木に止まっている小鳥を見ている人がいる。こちらを見て笑顔で、 「いますよ」 と言った。 「います?」 オオルリがいる? 対岸の木の中ほどの枝に、青い色の小鳥が見えた。烏川渓谷緑地の事務所から借りた双眼鏡を目にあてた。…

 ヒバリ、スズメ、ヒヨドリ、カラス

ひさしぶりに初ヒバリ。 朝5時半からランとアルプスあずみの公園まで、ゆるやかな坂を上っていった。3寸ほどに伸びた、公園手前の麦畑から、一つの黒点が細かく羽ばたきながらまっすぐ上空に上っていく。さえずり声はヒバリ。なつかしのヒバリだ。たった1羽…

 雪の季節の小鳥たち

写真:狐の足跡 明日、また雪になりそうだ。雪降る前に小鳥たちにくず豆をまいてやろうと、黒豆の掃除をした。発泡スチロール箱に入れてある黒豆は、収穫後に唐箕や風で主なゴミは飛ばしてあるが、まだ虫食いや成熟しなかった豆がたくさん混じっている。それ…

 オオジュリンの異変の原因は原発?

渡り鳥のオオジュリンに異変が起きているという。 オオジュリンはホオジロの仲間で、15、16センチの体長、チッと小声で鳴いて、澄んだ声でチーウィンとのばして鳴く。翼は赤褐色、黒い縦縞の斑紋がある。 北海道や東北地方のヨシ原などで繁殖し、秋冬は本州…