2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 近藤芳美の歌

近藤芳美の歌 歌人、近藤芳美さんが六月二十一日に亡くなった。 近藤芳美は、日中戦争に召集されて中国戦線で兵として戦ったことがあり、 その体験から戦後、戦争を重要なテーマにして詠った。 その軌跡は、宮柊二に似ている。 戦争体験では、はるかに宮柊二…

 快・不快と、追究・追及

快・不快と、追究・追及 期待したことが期待どおりにならなかったとき、 感情の波立つ場合がある。 問い合わせたのに返事がない、 返事があって当然ではないか、 気が悪くなる、不快になる。 そこで起こるのが「邪推」、 人の行為を悪く推察する。 「気を悪…

 リンゴの木の箸置き

リンゴの木の箸置き アキオファームの、薪にするリンゴの小枝を何本かもらってきて、 箸置きをつくることにした。 奈良の緑枝舎でつくった箸置きは今も愛用している。 アンズ、ヒイラギ、キンモクセイ、 ただの枝ではあるが、細工して箸置きにしたそれらは、…

 教師になるための必須科目

霧 一昨日が夏至だった。 午前四時半、太陽が昇る。 朝霧が周囲の森や山、村々をかくした。 四月まで五年間住んでいた奈良の葛城・金剛山麓の家は、 真っ黒な天井板の隙間をふさぐ板を張っても、 冬の寒風が屋根裏を吹き抜け、しんしんと冷えた。 ぼくは、防…

  糸はりと草刈り

ちょっと手伝い アイガモの入るタカオさんの田んぼに、 糸を張るのを手伝いに行った。 細い黒糸にアルミのような銀色の繊維をまきつけてある鳥防止の糸を、 二反半の田んぼ全面に、 稲の1.5メートルほどの高さで、 縦横に張り渡していく。 こんなに細い糸、…

 サッカー・ワールドカップ

脱線と発展 トーゴって国、どこにあるか知っていますか? トリニダード・トバゴは? コートジボアールは? それらの国はどんな国ですか? 教室で先生たち、 質問を投げかけているだろうか。 サッカー・ワールドカップに出場している国々、 子どもたちの日常…

 チャレンジする若者たち 2

希望 近所の麦畑にコンバインが入った。 麦刈りだ。 このところ、大麦はすっかり枯れ色になっていた。 一反ほどの麦畑一枚を数条一挙に刈り取っていくスピードは、 キャタビラを響かせ、時速十五キロほどにもなる。 みるみる大麦は株元から刈り取られ、 一往…

 チャレンジする若者たち

アイガモ農法 アキオさんの田んぼにアイガモのヒナが入ったと聞いて見に行った。 一枚の田んぼ全面をおおって、ネットがかぶせられ、 田んぼの一隅にアイガモのヒナを遊ばせる囲いがあった。 そのなかを小さなヒナが泳いでいる。 全部で15羽、 かれらにと…

 家族の崩壊

ラッキョ洗い 土つきラッキョを妻が買ってきた。 「皮むきするから手伝って。」 声をかけられてテーブルに着いた。 ラッキョがとれるこの時期に、一年間分を漬ける。 洗って薄皮をむき、 茎を伸ばす先端の細い部分を包丁で適当な長さに切り取る。 ひげ根の部…

 道端での会話

絹さや これかね、絹さやだね。 去年秋に植えて、冬は雪の下にあっただが、 どういうわけだか、よく育っただね。 やわらかくて、おいしいだよ。 わたしゃ、しろうとだがね。 こうやって、畑してりゃ、 空気はいいし、景色もいいし、 よそへ行って、おしゃべ…

 かみなり

かみなり 久しぶりの雨が来た。 リンゴの摘果をしていた、四時ごろ、 東の空が暗くなって雷が鳴りだし、 ぽつり、ぽつり、 今日はここまで、 テルちゃんはウーファーたちを車に乗せて、 小倉山農場へ、 ぼくは、反対方向の自宅へ車を走らせた。 雨は北からや…

 道を行く子ども

大人のまなざしで守られる子どもたち ゆっくりゆっくり車が走る。 その車の少し前や横をちっちゃな子どもがとことこ走ってくる。 走る子どもは二人、 車の中には運転しているお母さんと、三番目の子どもが乗っている。 「子どもが走って帰ると言うんですよ」…

 唐箕

唐箕 大きな段ボール箱の宅配便が来た。 奈良の井上さんからだったので、中身が分かった。 わざわざ宅配便で送ってくださいましたか、申し訳けないことです。 それは引越しのとき、畑の農小屋に置き忘れてきた唐箕の一部で、 穀物投入口の四角な漏斗だ。 井…