2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

 汝、殺すなかれ …「戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相」(新船海三郎著)

「冬の夜」という童謡がある。子どもの頃から好きな歌だった。 「ともしび近く きぬ縫う母は 春の遊びの 楽しさ語る 居並ぶ子どもは 指を折りつつ 日数かぞえて 喜び勇む」 続く歌詞は、一番、二番とも、 「いろり火は とろとろ 外は吹雪」。 美しい曲で、何…

 人類への予言

「いつか森の中で」(草薙渉作 読売新聞社)という小説を読んだ。1995年に出版されたものだが、最初の部分を読んだだけで放置したため、長く書棚に眠っていた。それを何の気なしに手に取り読んでいくうちに、これは人類への予言のように思えてきて、ストーリ…

 福島の親子キャンプ

福島に帰る朝、エイトちゃんがひとり、地球宿の庭で小さなポリ袋を開いていた。4歳のエイトちゃんは、「どあい冒険くらぶ」のキャンプ場で、自分の指の爪ほどの虫を2匹つかまえ、土といっしょにポリ袋に入れて地球宿に持ち帰った。今日、家に帰るからこの…

 「あるく ウォーキングのすすめ」(宮下充正著 協力 暮らしの手帖編集部)という本

ストックを右手について歩く、ランと一緒に痛むひざを引きづりぎみに、朝の道を。 NHKテレビの朝の人気ドラマは、花森安治編集長の雑誌「暮らしの手帖」が舞台になっている。蔵書を整理していたら、ひょいと暮らしの手帖社の本が現れた。「あるく ウォー…

 孫たちとキャンプ

今年もキャンプに行きたいという。どこかいいところがないかと探した。去年は、近くの烏川渓谷のキャンプ場に行った。小学生と幼稚園の孫たちを含めた二人の息子の家族7人。テントを張るサイトが区割りされていて、テントが林立していた。キャンプ施設は整…

 NHKスペシャル「決断なき原爆投下〜米大統領 71年目の真実〜」を観た

思いこんでいたことは事実ではなかった。奈良と京都が空襲から免れたのは、アメリカが日本の歴史的古都を破壊しないようにしたからだと、聞いたことがあり、ぼくはそれを事実だと信じてきた。先日のドイツの旅の記録でも、ぼくはこう書いた。 「この中世都市…

巣を去ったキツネ、焼かれたイチョウ

一枚の田んぼを大きくして、畔や農道を整える圃場整備が地元で行なわれている。我が家の東側はこの春完了し、秋から西側が始まる。ところが、すでに整備された稲田の中に、長年耕作放棄されて草がぼうぼうと生え、古タイヤや古ドラム缶が捨てられている2000…

 昭和15年の冬、最後の登攀

高須茂が木村殖とおもしろい話をしている。昔のことだが、「日本山河誌」(角川選書)のなかにある話。高須:「昔話だが、上高地の小梨平事件というのがあったね。昭和6年だったろう? ぼくが学校卒業する前の年だ。」 「小梨平事件」というのは、上高地の…

 雷雨激し

午後、雷鳴とどろき、篠突く雨となった。昼過ぎまで蒸し暑い日照りだったが、三時ごろにわかに雲がわき出た。それでも、 「いや、これぐらいじゃ、雨は大丈夫。あの雲は松川村か池田町辺りだな」 と高をくくっていたところが、ぽつりぽつりと降り出したかと…