2009-01-01から1年間の記事一覧

 木曾三川

木曽川と長良川と揖斐川、 三つの大河が一つのところに集まって並走すれば、 風景はどれほど雄大だろうかと、 運動がてら見に出かけた。 岐阜県南部の三川が並走するところに河川公園ができていることは知っていたが、まだ行って見たことがない。。 雲ひとつ…

 大笑いしなさい

「子供がうっかりウソをついた場合、 すぐ叱ることは有害である。 そうかと言って信じた顔をするのもよくない。 又興ざめた心持を示すのもどうかと思う。 やはり自分の自然の感情のままに、 存分に笑うのがよいかと考えられる。 そうすると彼等は次第に人を…

帰る家

NHK短歌大会が信州・塩尻で開かれ、その様子を日曜日の今日、放送していた。 最優秀賞に選ばれた歌の一つに、次の歌があった。 作者は、地元の塩尻の人だった。 橋上の 駅の階段 おりてゆく 夕焼けの街に 帰る家あり 雨宮かず子 JRになるまでの国鉄の時…

 教師と教師、教師と子どもの人間関係

教師になって初めて教壇に立ったときのこと。 担任するクラスにS君がいた。 Sは口から生まれてきたような子で、思ったこと感じたことをすぐに口に出す。 授業中も、ぼくがしゃべっている最中であろうとなかろうと、お構いなしに発言する。 いきなり椅子か…

綿の栽培から機織物に <美濃縞>

羽島市の大寺、竹鼻別院の山門を出ると右に古民家が軒を連ねている。 その一軒で、機織りをしている伝承会があることを知っていた。 訪ねてきた愉理ちゃんに見せようと、そこをはじめて見学することにした。 入口に円空仏の木彫りが置かれている。 木の引き…

 茨木のり子 『はじめての町』

はじめての町 はじめての町に入ってゆくとき わたしの心はかすかにときめく そば屋があって 寿司屋があって デニムのズボンがぶらさがり 砂ぼこりがあって 自転車がのりすてられてあって 変わりばえしない町 それでもわたしは十分ときめく 見なれぬ山が迫っ…

 景観と環境

万水川 安曇野の三郷地区、リンゴの農場が広がる山麓地域に、民間の産業廃棄物処理場が突然建設された。 6年になるだろうか。 驚いた住民が反対運動を起こしてから、 市から県へと問題は広がり、反対する住民と業者との争いは裁判沙汰になっている。 手続き…

 牧の草競馬

「安曇野の牧に、草競馬があるだ。このあたりじゃ、塩尻のタカボッチの草競馬もあるがね。 農耕馬が出て、おもしろかったね。反対方向に走ったりしてね。」 と、以前に地区の人から聞いたとき、へえ、そんなものがここにあるだか、 へえ、それは見たいもんだ…

 信越放送テレビのドキュメント「清沢 洌」

たまたま新聞の放送番組を見てみたら、 午後8時から清沢 洌(きよさわきよし)のドキュメントが眼に飛び込んできた。 えー、どこの放送局だ? ほう、信越放送テレビか。 時間はすでに8時半近くになっていて、しまったと思いながらかけてみた。 半分しか見…

 朝河貫一『日本の禍機』

<コメントをいただいた記事> 「拾ガ堰」にかかる橋。 北穂高村出身のジャーナリストにして外交評論家であり、 『暗黒日記(戦中日記)』を書いた清沢 洌(きよさわきよし)の思想に影響を与えたのは、 清沢の恩師である研成義塾の井口喜源治、内村鑑三の無…

 万水川の源流を探る

秋晴れの日曜日、穂高の小学校は運動会をやっている。 子どもたちのかん高い声が聞こえてきて、いい天気になってよかったなあと、自転車をこぎながら思う。 万水川(よろずいがわ)の源を訪ねてみよう、今日は最適の日だ。 明治のころ、相馬黒光がエッセイに…

野菜たち、生き切る

蔓に残った最後のゴーヤ 夏の野菜たち、すっかり衰えてしまった。 畦の上から取りかたづけてしまったのと、ぼくの未練でまだ畑に残してあるのと。 インゲンは緑の葉っぱを少し残して、ほとんど枯れてきたから、近々片づけよう。 ゴーヤも、3株は支柱も取り…

 学校の教具は活用されているか

政権が交代して、予算の見直しが行なわれ、教育予算の執行猶予による学校現場の様子をNHKが報道していた。 ある小学校では、理科実験室の人体模型が破損していて、胸の辺りに補修テープが貼られ、腸の一部が少し欠けている。 電気の実験用送風機は古くなって…

天然酵母パンが本格的な味になってきた

カレー入りパン パン・ド・カンパーニュ くるみとレーズン入りのライ麦パン ブラックベリージャム入りのパン この味とこの形、 一口前歯でかみちぎって食べたとき、 記憶がよみがえった。 この歯ごたえとパンの中のポテト、 どこかで、食べたぞ。 どこだろう…

 北本哲三『たたかい』

たたかい 希望を失うことは死ぬことに等しい このような場合 悲しんでばかりいたらどうなるだろう 惨禍を未然に防ぐためには 計画をしっかとたてねばならない 七月 太陽の恵みが照りそそぐべき月 その光を満身に浴びて作物の生長する月 朝、起き抜けに田んぼ…

『差別と日本人』と『「村山談話」とは何か』(3)

火の見やぐら 信義 話というのは時の流れに乗っかって通りすぎて消えていくものだから、 耳を傾けて聴かねば‥‥。 耳を傾けてもなおも、通りすぎていってしまう。 天体に向けられた望遠鏡をのぞくように、話のなかのある言葉の奥を探れば、 その奥には宇宙が…

虫たちとの会話

白樺の幹の白さよ 働く人の姿も見えない町工場の、古びたフェンスにツルバラがからんでいて、 元気のないピンクの小さな花が咲いていた。 一枝をもらってきて挿し木にしたら根づいて芽が伸びた。 それをガレージの前に植えたのだが、うどん粉病にかかって元…

 種まき

ソバの花と安曇野 ほうれん草の種を蒔いたところに、うっかり白菜の苗を移植しようとした。 あれ、おかしいな、 移植ゴテで白菜の植え穴を掘った土のなかに、 ほうれん草の種がある。 あ、そうだった。 ここにほうれん草を蒔いたんだった。 ほうれん草の種か…

 『差別と日本人』と『「村山談話」とは何か』<角川書店>(2)

誇り 野中広務は最後のほうで、こんなことを語っている。 「このごろもう疲れちゃってるんだ。 ほんとに、自分の出生問題の波及の大きさ、 日本の閉鎖性と、僕はずっと闘ってきた。 誰も手をつけなかった同和利権に関する税の問題などは、自分が政治家でいる…

 『差別と日本人』と『「村山談話」とは何か』<角川書店>(1)

差別 『差別と日本人』(野中広務・辛淑玉 <角川書店>)を読み、 今同じシリーズの『「村山談話」とは何か』(村山富市・佐高信)を読んでいる。 どちらも今年6月と8月に出版された新書。 自民党の国会議員にあって政府の重職にいた野中広務は、2003年、政…

 ダンボールコンポストを木箱コンポストに

新たにつくった木箱コンポスト ピーマン。堆肥は作物を輝かす。 生ゴミを堆肥に変える「ダンボールコンポスト」を我が家でやっているが、 これを「木箱コンポスト」に変えた。 「ダンボールコンポスト」は、簡単で便利で、効果があり、臭いもあまりしない。 …

 床工事の最中

工房兼学習室の外側が完了し、今床を作っている。 横殴りの雨風を完全に防ぐために、横はりした24センチ幅の杉の野地板に塗料を塗り、 窓のアルミサッシを全部入れ、板と板のすき間や、サッシと板との間をコーキングし、 雨どいを付け、 かくて屋根と外壁…

 言葉の魂が抜けていく

「国家戦略局」という言葉 ラン 民主党が新設する予定の「国家戦略局」という名称について意見が載っていた。 朝日の声欄、 91年の湾岸戦争のころ、その声の主は広告業界にいて、 広告戦略、販売戦略、マーケティング戦略など何にでも「戦略」を付けること…

 映画『ベルサイユの子』

研成ホールに置いてあった映画のチラシ。 ザックを背負った一人の男が、男の子の手を引いて歩いている。「寒くても、 お腹がへっても、 手を握っていてくれたら、 ぼくは泣かない。」二人の背後にベルサイユ宮殿が見える。 そのうえに、この言葉が載っている…

 清沢 洌(きよさわきよし)の思想と現代

井口喜源治記念館 北穂高村出身で、あの『暗黒日記(戦中日記)』を書いた、ジャーナリストにして外交評論家であった清沢 洌(きよさわきよし)の展覧会が、穂高の碌山公園研成ホールで開かれている。 8月23日に、そのホールで、「清沢 洌の 思想と現代 --―…

 長塚節『土』と 臼井吉見『自分をつくる』

信州安曇野の堀金出身だった、作家で評論家の臼井吉見が、中学生、高校生に、『自分をつくる』という話をしています。 その話は、以前一冊の本になったのですが絶版になり、 本屋で買うことはできなくなっていました。 半年ほど前、この『自分をつくる』が、…

[自然] この名前、ひどいじゃございませんか

ヘクソカズラ ハキダメギク ヤブガラシ 「ハキダメ草が、庭中に繁茂してのう。」 児童館で一緒に子どもたちのお世話をしているSさんがおっしゃる。 庭に、今年はえらい勢いで広がっている草で、 調べてみたら、 「ハキダメギク」という。 ハキダメとは、ひ…

 トウモロコシ・スイカ・カボチャ

お盆で息子たちが帰ってきていた朝、家の南の畑で種取り用のタマネギを栽培しいるKさんの奥さんが、 「どうぞ、食べてください。」 腰が少し曲っている体で、10数本のトウモロコシを袋に入れてもってきてくださった。 洋子はそれを蒸し、みんなでありがた…

 じいちゃん、子どもになる

「かくれんぼ、しよ。」 「かくれんぼか、うん、しよ。」 じいちゃん先生はすぐ乗る。 「先生、オニだよ。」 「先生、オニか。うん。」 ぼくは、目をつむる。 「もう、いいかい。」 「まあだだよ。」 「もう、いいかい。」 「まあだだよ。」 そのうちに、こ…

 ヒロシマ、ナガサキ <自分のやれること>

穂高・碌山美術館 児童館の朝、8時15分、 館にはテレビもラジオもない、市役所からは放送の声もない。 時計を見て、黙祷だけはした、いつもの年のように。 S先生も、早く来ていた小学四年生のハルカちゃんも一緒に、黙祷をした。 8時半、数人の子どもた…