お盆で息子たちが帰ってきていた朝、家の南の畑で種取り用のタマネギを栽培しいるKさんの奥さんが、
「どうぞ、食べてください。」
腰が少し曲っている体で、10数本のトウモロコシを袋に入れてもってきてくださった。
洋子はそれを蒸し、みんなでありがたく、おいしくいただいた。
彼らが大阪と神戸へ帰って行った朝、
ヒデさんの声がした。
「一輪車貸してくれますか。」
ヒデさんは一輪車を押して、わが家の前のヒデさん畑に入っていったと思ったら、
しばらくして、
「スイカ、どうぞ・」
一輪車に乗せてきたのは巨大スイカ。
ウワー、なんとまあ、一輪車のなかにドカンと乗っかっている。
「雨が多かったから、メロンはだめだったね。
このスイカ、空洞があるかもしれんがね。」
この畑は去年は稲田だったが、今年はスイカとメロン、枝豆、カボチャ、ネギを作って循環させている。
その一部に、ぼくもカボチャとサツマイモを作らせてもらっている。
どでかカボチャ、体重計に載せて計ってみたら、13.5キロもあった。
息子たちがまだいたらなあ、みんなで食べれたのになあ。
夜に切ってみた。
よく熟れて少し空洞はあったが、スイカの甘い香りがする。
ぱくり、おう、おう、おいしいなあ。
日照りが少なかったのに、よくこんなに熟れたものだ。
全部はとても食べきれない。
おすそ分けすることにした。
ヒデさんのスイカ、
翌朝食べて、その夕食にまた食べて、
まだ余っている。
明日も食べられる。
食べた後の皮に残った赤い部分は、ナイフで切り取って、ランにやる。
これもランの好物だ。
垣根のイチイの樹は、高さが3メートルを超えている。
それに這い上がって、反対側に伸びたカボチャが1本。
道路まで進出しているから、
その生命力に驚きながらも、
はみでた部分を鎌で切り取ったら、
よく見なかったんだなあ、
実がなっていた。
まだ熟してなくて、大きくなる途中だった。
熟すまで、そのまま置いておけばよかった、早まったなあと後から思う。