ダンボールコンポストを木箱コンポストに


 新たにつくった木箱コンポスト

 ピーマン。堆肥は作物を輝かす。



生ゴミを堆肥に変える「ダンボーコンポスト」を我が家でやっているが、
これを「木箱コンポスト」に変えた。


ダンボーコンポスト」は、簡単で便利で、効果があり、臭いもあまりしない。
全国的に実践している人が多いが、まだまだ知らない人が多い。
二重の堅牢なダンボール箱を使い、そこに「ピートモス」と「モミガラくん炭」をホームセンターから買ってきて箱の半分ぐらい入れ、
家庭の生ゴミを投入して、移植ゴテでかきまわして、ふたをする。
ある程度の水分が必要で、生ゴミが含んでいる水分と調整して、乾燥しすぎていると水を入れる。
てんぷら油の処分したいものや、米ぬかをときどき入れると、発酵が進み、温度が50度以上まで上がることもある。
そうすると、どんどん分解していく。
投入したものが、完全に形まできれいさっぱりこなごなになるところまでは行かないが、
箱がいっぱいになったら、その箱ごと別のところへもっていって約一月寝かせて熟成させ、
それから畑や庭の野菜や草花の土に入れると、すぐれた肥料になって土に還る。
投入する生ゴミの量も関係するが、分解が好調だと、量はそんなに増えない。
数ヶ月かかって箱が満杯になったとき、二つ目を準備し、新しい箱で次のコンポストをつくる。
この作業は洋子がやっている。


ところが、移植ゴテでかき回すと、ダンボール箱が破れてくることがある。
二重のダンボールを使っているのだが、それでも圧力で壊れてくる。
そこで木箱にしたらどうかと考えた。
木箱なら、ダンボールのように通気性があり、堅牢で長く使える。
たぶんうまくいくはずだ。
木箱つくりは、ぼくの仕事。
工房建設で木っ端がたくさん出ている。
杉材のそれらを使って、木箱を作った。
横30センチ×縦40センチ×高さ40センチ、
そこにすっぽりはまるようにふたを作った。
内側にも外側にも、炭の塗料を塗った。
普通のダンボールよりも大きくなった。


夏の児童館活動で、
同じ指導員のS先生にこの「ダンボーコンポスト」の話をしたら、
まったく知らないということだった。
このあたりではまだまだ普及していない。
生ゴミはそのまま畑に持って行って土に埋めたりしている家もあるが、
日本全国どこでも、ごみ収集日に出される「燃えるゴミ」の量は、はんぱではない。
そこに占める家庭の生ゴミの比率は実に大きい。
イカを食べた家族が、その皮をゴミに出す。
トウモロコシの芯を出す。
料理や食事のいらなくなったものを出す。
それら膨大なゴミを、自治体ではごみ焼却場で燃やしている。
そして二酸化炭素を大量に空中に発散している。
全国の家庭が、家庭の生ゴミを、自家や地域に仕組みを作って堆肥にしたら、
どれだけ税金も助かり、地球温暖化に役立つことか。
そして堆肥が土を肥やし、新たな農作物や樹や草花を育てる。
ほんのちょっと手間が掛かることだが、暮らしの中に取り入れ、やりつづける、
それが生きて還ってくる。
手間のかからない便利で快適な暮らしというのは、長続きしない。


行きづまったとき、人間も地球も、もう元へは戻れなくなっている。