2020-01-01から1年間の記事一覧

雷鳥計画は無理

中央アルプスの木曽駒ヶ岳にライチョウを復活させようという環境省の計画が動いている。 昔は木曽駒にもライチョウがいた。それがいなくなり、最近、北アルプスの乗鞍岳から成鳥を移住させたり、卵を持っていったり、復活計画をいろいろやっていて、前回は、…

広報あづみの

安曇野市が発行する「広報あづみの」、今月号の記事は久しぶりに読ませるものだった。 記事は、安曇野に生息する貴重種のオオルリシジミという蝶を保護するために食草のクララを植え、穂高西小学校の子どもたちが取り組んでいる話だ。 その次に「安曇野の木…

郷に入れば‥‥

「郷に入れば郷に従え」 そうではあるけれども。 居住区の鎮守は、諏訪神社。 昨日は、地区の公民館で、自治会費である区費の納入と、神社費の納入の日だった。 ここに住んで15年余、「郷に入れば郷に従え」で、五、六年ほどは神社費を納入してきた。 移住…

いい人に出会った 

今朝、やっと晴れた。360度、野に立って見渡す。常念山脈の雪は完全に消えた。 まっすぐ常念に向かって農道を登る。水路の水は濁ったまま。 ベンチの置き場所、最適なところはどこか。一応五か所、第一ベンチから第五ベンチまで、距離を置いて設置する。…

ガルシーア・ロルカ 「さらば」

「さらば」という詩がある。ガルシーア・ロルカという名のスペイン人の詩。 さらば ぼくが死ぬとしたら バルコンはあけといてくれ。 子どもがオレンジを食べている。 バルコンからそれが見える。 農夫が麦を刈っている。 バルコンからそれが聞こえる。 ぼく…

日本語教室再開

4か月もコロナウイルスのために休みになっていた日本語教室を昨日再開した。 午後6時半から、七人のスタッフと二人の市の係員とで会議を開き、今後の方針とこれまでの状況を話し合った。 公民館の部屋は、エアコンは使わず、窓もドアも開け、風を通す。全…

兜太、イーさん

霧の村石を投(ほう)らば父母散らん 金子兜太 今は亡き兜太の句、霧の村は彼の故郷の秩父。 彼は、戦時中南方戦線に送られ、昭和二十年トラック島で飢餓状態のなか敗戦を迎え、米軍の捕虜になって生きのびた。兜太は戦後、前衛俳句を詠み、戦を憎み、戦争に…

黒豆とモズ

黒豆の芽が90パーセント出て、ほぼ順調な畝と、ほんのわずかしか発芽しなかったところと、この違いはどうしてだろう。 畝によって、種まきの日が異なる。5月の末に蒔いたところは、成績が良く、いちばん後に蒔いたところは、わずかしか発芽していない。 …

リーフ・レタスとベンチづくり

リーフレタスの苗がたくさんできたので、この便利な野菜をみんなに食べてもらおうと、あちこち持って行った。 ソウゾウ君は雨の中取りに来たから、リーフレタスとゴーヤの苗をたんと持って帰ってもらった。 ソウルさんとこへ10本持っていくと、ご夫婦が庭…

「ベートーヴェンの希望の第九」

昨日、そのときの録画の再放送を観て、戦慄を覚えるほどに感動した。 2011年3月、あの東日本大震災の渦中、原発爆発、放射能襲来、外国人は東京から脱出し、被災地の人々は各地へ避難していた。渦巻く恐怖と悲嘆、苦悩、怒り、絶望。その大混乱のなかに…

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 2

みかこさんは息子の学校の教育について書いている。日本では考えられない教育である。 英国の公立学校では、中学の年代で「シティズンシップ教育」が義務付けられている。すなわち、政治や社会の問題を批評的に探究し、問題の根拠を探って意見を交わしあい、…

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

保育士でライターの、プレイディみかこの記録「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を今読んでいる。 みかこさんの家族はイギリスに住み、夫は大型ダンプの運転手、「荒れている地域」の元公営住宅地の「ヤバい」と言われている地区で生活し、名門…

ベンチは文化だ

今朝は日の出前にランを連れて家を出た。4時ごろかな。よく晴れている。 満月から少し欠けた月が、西の空に残っていた。その月の位置に驚いた。なんと南南西の低い位置に月がある。仰角30度ぐらいか。今の季節の月はこんなに低く南の空を回っていくのか、…

C・W・ニコルの話

故C・W・ニコルさんが、「1500人の英国水兵を救った日本海軍の軍人」という文章を書いている。(「誇り高き日本人でいたい」出版社アートデイス) 1942年3月、ジャワ海において、日本海軍は英国海軍の巡洋艦と駆逐艦を撃沈した。海に投げ出された1500余名の…

六月が来た

軒の小鳥の巣、ツバメは来ず、どうもスズメが利用してヒナを育てているようだったが、かすかにチイチイと聞こえるヒナの声がぱたっと聞こえなくなったのは一週間ほど前だった。 巣立ったかな、そう思っていた。電線に止まってチイチイ鳴いている一羽、あれは…

子どもが学び始めるとき

「自閉症だったわたしへ」という、ひじょうにすぐれた自伝がある。著者はドナ・ウイリアムズ、1963年生まれのオーストラリア人である。訳者は河野万里子。この著は、欧米でベストセラーになった。新潮社から出されたこの本は日本でも多くの人に読まれた。 著…

今、教育の問題は?

<今や、現代の教育は、人材養成はできるが、本来的に人間をつくることはできない。 だが、それでも人間は人間をつくる。 人間のつくり出す社会のもろもろは、意図せずに人間をつくる。 現代の若者や子どもが、人間を継ぐことを拒絶し、巨大な断絶を生み出し…

ツバメの巣にスズメ?

ツバメの飛翔する姿を見ることが少なくなった。田んぼの上を低空飛行するのも一羽とか二羽とかだけで、群れ飛ぶ姿がない。 十数年前、安曇野に引っ越してきた時、家の前住人が、軒のツバメの巣を除去した跡が残っていた。そこに住んで一年後、ツバメが戻って…

「ネパールの碧い空」4

安曇野烏川渓谷緑地 1989年、アジア協会アジア友の会という団体を知った。その団体は、ネパールでの植林と盲学校の建設、井戸掘りなどの活動を行っていた。 友の会はボランティアを募っていた。ネパールの森がどんどん消滅している。このままでは、ヒマ…

「ネパールの碧い空」3

「菩提樹の陰で」という章があり、こんな文章がある。 「山の人たちの目覚めは早い。朝の三時か四時ごろ、鶏が鳴き始める前に、『起きろ、起きろ』という声が聞こえてくる。水汲みは嫁さんの仕事、大きな甕(かめ)に水を汲んでくる。旦那は家畜の世話だ。 …

「ネパールの碧い空」 2

ネパールで岩村夫妻が生活丸ごと、感染症との闘いに打ち込んだ活動は、医療活動にとどまらなかった。 親が病気になると、その子の世話をどうするのかということになる。岩村夫婦は、ミイラのようにやせた赤んぼ、飢えた幼児の世話も引き受ける「おかあちゃん…

「ネパールの碧い空」

三月に、カミュの小説「ペスト」を読もう、とブログに書いた。 次は、「ネパールの碧い空」(著者・岩村昇)というドキュメンタリーを読もう。 筆者の岩村昇氏は1927年生まれ、医師になり、1962年から1980年までの間、七期にわたってネパールの僻地で、日本…

初夏

カッコウが鳴きだした。ユーラシア大陸の中南部、アフリカで繁殖して、日本に来るとか。長い旅、ごくろうさん。 カッコウの鳴き声は余韻がこもる。遠くまで聞こえる。 白樺の新緑の一部、葉の色に勢いがない。観察するともうアリマキがついている。今のとこ…

少年十字軍1939

ブレヒトがつくった、「少年十字軍 1939」という詩がある。 39年、ポーランドに 血なまぐさい戦争があった 無数の町の また村のあとに 荒涼たる廃墟がひろがった。 東の町で ひとはくちぐちに語り 雪は降り積んでいる 聞いたか 一種の少年十字軍ができ…

烏川渓谷を歩いた

「今から烏川渓谷へ行こう。」 昨日午前、突如ワイフに声をかけて、車で五分ほど、烏川緑地に行った。 あまりに燦爛たる快晴、この時をおいてなるものか。 森の中をちらほら散策する人がいる。お父さんが幼児を肩車し、もう一人の手を引いて歩いている。 常…

五月の風

萩原朔太郎は、詠った。 ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背広をきて きままなる旅にいでてみん 汽車が山道をゆくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ 五月の朝のしののめ うら若草のもえ…

自由なる宇宙人間

光輝く五月、風薫る五月、生命の湧きたつ五月。 こんな文章に出会った。 人間だって、檻のなかの人間ではだめなのだ。人間は限りなく自由でなければならない。 ほんとうに自由になり、自分という身体の境界をこえることができれば、、体が天に接し、地に接す…

今こそ ステイ ネイチャー

この十日ほどで、ヤマボウシの木もヒメシャラの木も、枝々からふきだした新芽がみるみる大きくなり、完全な葉になって木をおおった。ハナミズキは、花と葉で満たされた。 一本の木に芽吹いた葉の枚数を数えることは難しいが、おおよそ数千枚はある。大きな木…

安倍政権のからくり

今朝も山を見ながら、お稲荷さんの丸太に腰かけて歌ってきた。いい天気だ。田植えの済んだ田んぼがあちこちに現れた。長野の気温が異常に高くなる。とりわけ昨日は安曇野がいちばん高かった。32度。ヒメシャラも白樺も新芽をふき、ハナミズキが咲きだし、…

お稲荷さん

毎朝の散歩の途中、小さな若宮稲荷に立ち寄る。 老犬ランは、とぼとぼ歩き、 ぼくはストックをつきつき、 舗装路から野道に入り、若宮稲荷へ、 野道を折れ曲がり、折れ曲がり。 ランは草の道に入ると、元気になる。 ランは、草と土が好き。 菜の花があると、…