リーフレタスの苗がたくさんできたので、この便利な野菜をみんなに食べてもらおうと、あちこち持って行った。
ソウゾウ君は雨の中取りに来たから、リーフレタスとゴーヤの苗をたんと持って帰ってもらった。
ソウルさんとこへ10本持っていくと、ご夫婦が庭で作業していた。
「便利な野菜ですよ。上へ上へ伸びていきますから、下の葉っぱをもいで、サラダにして、ドレッシングをかけ、我が家は山盛り食べていますよ。」
奥さんは恐縮して、韓国海苔をお返しに持ってこられたから、
「そんな、気を使わなくていいですよ、いっぱい苗ができたから、もらっていただければ、うれしいです。」
と言ったが、自転車の籠に海苔袋を放り込まれた。
キヨちゃんとこへも10本、渡してきた。
「庭の片隅にでも植えれば、すっと行って取ってきて、すっと食べられるからねえ、重宝するよ。」
胃がん、4ステージになって手術し、熱心にやっておられた家庭菜園もやめてしまった療養中のコバさんにも、持って行ったけれど、植えるところがないと、ニコニコ顔で、ノーサンキュウだった。そこで、イヌ友のおばちゃんのところへ持っていくと、
「植える所あるかしら。」
と言いながらも、喜んでもらってくださった。
腰も膝も悪くなり、よちよち歩きになっているイワちゃんの家に10本持って行った。
「野菜いっぱい食べて、元気になるんや。」
とぼくは言いながら、
「実はね私、我が家の前の農道、ところどころにベンチをつくって置こうと思って計画してるんです。ウォーキングの途中、膝が痛くてしんどくなって、腰を下ろしたいと思っても、どこにもベンチがない。何十億円もかけて市は体育館を建ててるけれど、ささやかな高齢者の散歩に役立つベンチがどこにもない。膝や腰の痛い人でも歩くことがきる条件をつくるという発想が行政にないのは悲しいね。高齢者は家の中。イワちゃんよ、いらなくなった木材あったらくれないかい。」
「そうかいそうかい。そりゃ、いい計画だ。いらない材木、処分するの、いっぱいあるで、持って行っとくれ。どんどん持って行っとくれ。」
古材の角材と板材をおんぼろミニカに積んでもらってきた。
いよいよ、ベンチづくり開始。
ベンチ設置場所は五か所。
一か所目。広域農道から新しく整備した農道へ入って五百歩ほどのところにある銀杏の木の根方。
二か所目、銀杏から1000歩ぐらい上ったところ、長瀬さんの畑の際。山の眺め抜群の砂利道。
三か所目、カカシをあちこちに作って立てておられた平林さんの田んぼの脇。
四か所目、諏訪神社へ分岐する野道の脇。
五か所目、さらに上に上って、道祖神桜の近辺。ここは写真撮影に来る人が多いから、場所を決めるのはちょっと考えなければ。
さらに上にあと一か所、山麓線近くにつくりたい。そうするとベンチが6台だ。
さあ、どうつくるか。頭の中に図面を書いている。
設置許可は、農地の所有者と行政の方と相談して、設定しよう。