この十日ほどで、ヤマボウシの木もヒメシャラの木も、枝々からふきだした新芽がみるみる大きくなり、完全な葉になって木をおおった。ハナミズキは、花と葉で満たされた。
一本の木に芽吹いた葉の枚数を数えることは難しいが、おおよそ数千枚はある。大きな木になると数万枚はあろう。
なんという不思議な、奇跡的な、しかし当たり前の自然の息吹であることか。
木々を眺める。飽きることがない。
ステイ・ホーム。子ども連れで散歩する人が道を行く。最近その姿が増えている。
ホームはハウスではない。家族とともに、なのだ。このときこそ、家族とともに、自然のなかへ入れ。
ステイ ネイチャー。
人に出会うことの少ない場所はいくらでもある。山や野の、そこにある小道を歩いて、自然のなかへ、今こそ還れ。
秘密の隠れ家、秘密の小径、秘密の生き物、それを発見するのだ。
田んぼのカエルが鳴いている。
ツバメが舞っている。
タンポポが咲いている。
遠くでウグイスが鳴いている。