六月が来た

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 軒の小鳥の巣、ツバメは来ず、どうもスズメが利用してヒナを育てているようだったが、かすかにチイチイと聞こえるヒナの声がぱたっと聞こえなくなったのは一週間ほど前だった。

 巣立ったかな、そう思っていた。電線に止まってチイチイ鳴いている一羽、あれは巣立った子だろう、そう思っていた。

 一昨日、巣の下の傘入れに使っている甕の横に、ポロンと小さな小さなスズメの死骸が落ちていた。くちばしが黄色い。まだ十分に育ち切っていないヒナ、巣から落ちて死んだのだろう。昨日は、甕の反対側に、もう一羽死骸が見つかった。巣に二羽いたんだ。ツバメなら人間がその下を通っても平気だが、スズメは警戒感がツバメより強いから、人の姿のある時は巣に近づかない。結局親鳥らしい姿を見たのは一回きりだった。

 餌を十分に与えられなかったんじゃないか。餌を求める鳴き声があまりにも小さすぎたように思える。餌を欲しがってヒナは巣からはみ出し、落下したのではないか。

 死骸は庭の土に埋めてやった。

 

 日が暮れ、暗闇があたりを支配すると、カエルの大合唱が田んぼで始まる。

 夜寝る前、ランのトイレ散歩に出て、カエルの合唱に変化があることに気付いた。遠くのほうに車のライトが見えた。こちらにやってくる。すると合唱がぱたっと止んだ。ライトが田んぼの水面にいくらか当たっているようだ。車のライトが過ぎると、再び合唱が目の前で湧き起こった。明るさが合唱と関係しているのだろうか。

 今朝、四時四十分からラン散歩。田んぼの一つをのぞいたら、オタマジャクシが水の中にいた。カエルの大合唱の成果が現れている。

 

 昨日で黒豆蒔きが終わった。畝立てをし、豆を20センチほどの間隔で蒔いて、その上から木灰と土の混合を移植ごてを使ってかぶせ、鍬の裏面でポンポン叩くように鎮圧する。手数が省けて、早い。膝の痛みで息切れがする老体だから、この方法を考え出し、やってみた。これで雨が来て、芽が出たら、成功。

 一年間、我が家で食べる黒豆。煎り豆の黒酢漬けは毎朝大スプーンに一杯、生野菜にかける。黒豆の味噌は家内がつくる。

 

 六月が来た。黒豆どん、今年もよろしく頼みます。

 雨よ、来い。雨よ、来い。