ブルーベリーを植えよう



                     碌山美術館

 今ごろ畑の天地がえしをしている。右足をスコップの上に置き、ぐいと土にさしこむ。鉄の部分を全部土にさしこんで、スコップを土ごと持ち上げ、ひっくり返す。水分を含んだ土はそれなりの重さだ。小さな草の生えているところは、ひっくり返すと草が土の下に入って見えなくなる。年のせいで、連続したスコップ作業は息切れがする。休み休み続ける。
 今年は雪に覆われている日が長かった。ここ一週間ほどで雪が消え、やっと作業に入れる。雪の下にあった草は、まったく雪の影響を受けていないかのようで、緑色がきれいだ。
 タマネギ、ニンニク、イチゴに追肥をやった。秀武さんは、「尿素がいいよ、早く効き目を出せるから」とすすめてくれたが、やっぱり有機肥料にした。
 庭のブラックベリーは、昨年は出来がよくなかった。毛虫もよくついた。ブラックベリーの苗は、13年前に家内が仙台の知人から送ってもらったもので、安曇野に移ってくるときもトラックの引越し荷物と一緒に持ってきた。最初のころは安曇野の風土が合ったようで、大きな黒い実がたくさんなって感激し、毎日熟れたのを冷凍保存してからジャムにしていた。ところが加工するとき、種を取らなかったジャムは、ゴマ粒より小さな種が食感をじゃまする。奥歯でかんだとき、この小さな種が硬くてつぶれない。歯にはさまったようになるのだ。これが案外歯にこたえた。そこで種取りをすると、なかなかいいジャムになるのだが、これがまた手間がかかる。そういうこともあって、昨年はブラックベリージャムを家内は作らなかった。ラズベリーも植え、それも実をつけるようになって、昨年ジャムになった。けれどこれも種が気になる。
 そこで今年はブルーベリーを植えようと相談して、決定した。ブルーベリーなら、そのままでもおいしいし、ジャムになっても最高だ。眼にもいい。
 ブラックベリーの古木を引っこ抜いて、そこにブルーベリーを植えることにした。必須は土づくりだ。ブルーベリーは酸性を好む。まずは木屑のチップをもらってきた。ついでホームセンターでピートモスを買ってきて、両方を植える場所に撒いた。備中ぐわで耕し、土とよく混ぜ、これで畑はできあがり。後は苗を植えるだけ。
 望三郎君が、100本のブルーベリーを栽培している。これから剪定するというので、まずその挿し木用の枝をもらうことになった。だが、これだけでは、実がなるまで数年かかる。今年実のなる苗がほしい。農協に行くと3月末に大きな苗が入るということで、しばらく待つことにした。

 昨日も今日も、春の嵐。南風が吹きすさぶ。朝、外の手すりに布団とマットレスを干しておいたら、突風に飛ばされて、軒からの残雪の上に落ちていた。この地方は春の嵐が尋常ではない。