2006-01-01から1年間の記事一覧

 安曇野

初めての写真 写真を取り入れたいと、デジタルカメラを買ってきました。 スーパーで先着十台、格安を買いました。 ほんまに操作はややこしい。 赤ちゃんが生まれて帰ってきた息子に教えてもらっての操作です。 さて、できばえは? 常念岳の雲間から、「天使…

 きびのマントウ

きびのマントウ 信州には、「満州」へ渡った人が多い。 有賀さんもその一人だった。 昭和19年6月、有賀さんは国民学校高等科を卒業して、 中国へ渡り、満蒙開拓青少年義勇軍に入った。 「満州」へ行けば広い土地が手に入る、夢の大地だという勧誘にのせら…

 野の不思議

なぞの正体は? 夜明けの道を横切る黒い生き物、 猫? いや猫より少し大きい。 と、見る間に走り出し、あぜ道を東に向かって、 矢のように疾走していく。 しっぽが長い、なんだあれは。 尋常の速さではない。 キツネにしては小さいけれど、 やっぱりしっぽか…

 ガレージを建てる

変化していく のろまな頭 いま、2間×4間の広さの、物置にも使えるガレージを建てている。 主な材料は、奈良から持ってきた間伐材の丸太と家屋の古材で、 家屋の古材は、家の解体業者からたタダでもらったものだ。 業者の廃材置き場には、大和の大きな古民…

 痛む心と悼む心

人の痛みを感じて、私の心が痛む 友人の通信が送られてきた。 彼は西国三十三所観音霊場を巡礼している。 そのことについて書いている文章の中で、 一人の社会主義者との出会いをつづっていた。 労働運動の闘士であったその人も友人と同じ観音霊場をめぐって…

 知らないで、ムードで動く危険

滅びゆく国家 日本はどこへ向かうのか 市の図書館へ行ってきた。 五つの町村が合併してできた市だから、五つの図書館がある。 元穂高町の図書館は、北アルプス側が全面外界に開かれていて、 直接外の空気を吸うことができる。 勉強をしている高校生らしき子…

 一瞬の判断

一瞬の判断 ランがぼくを起こしにきたのは四時二十分だった。 来るな、と感じたのはその数分前、 廊下で寝ていたランが動き出す気配が聞こえ、それで目覚めた。 ランが起こしにくるのは、毎朝、これぐらいの時刻だ。 ぼくの足をなめたり、鼻を身体に押し付け…

 サッカー・ワールドカップ決勝

サッカー・ワールドカップ決勝 イタリアの歓喜とフランスの落胆、 勝敗は、数知れない必然と、 これまた数え切れない偶然の結果。 勝負の結果は、 一方を明に、一方を暗に分ける。 イタリアチームの顔に笑顔が爆発し、 フランスチームの顔には失望が影を落と…

[安曇野] 白樺

白樺 白樺の木を一本買ってきて家の入り口近くに植えた。 まだ幼木で、背丈は3メートル近くあるけれど、 幹の太さはぼくの足の親指ほどだ。 ひょろっと伸びた白い幹の上部についた小さな葉っぱの、 風の吹くたびにひらひら揺れるのが、可憐だ。 ぼくはとお…

  お日さまとポンキー

お日さまとポンキー ポンキーはほんとうの日の出を見たことがありません。 夕日のしずむのも見たことがありません。 太陽はいつもビルの上から顔を出し、 いつのまにかビルの向こうにかくれていました。 太陽はせまい空をだまってよこぎっていきましたが、 …

 人が育つ社会

人が育つ社会をつくること アキオさんの農場に、 ウーフの世界的システムを利用する旅人、ウーファーたちがやってくるが、 若者からお年寄りまで、日本人、外国人さまざまだ。 この前、一緒に摘果作業をした人は、 日本の関東地方から来られたご婦人で、 定…

 日本で働く中国人の女の子

ホンシャから来た手紙 ホンシャが日本に来て一年がたつ。 奈良県の小さな縫製会社で働く中国の女の子。 週に六日間、朝八時から夜遅くまで残業する。 規定月給は六万円、残業して十万に達する。 三年間働いて資金を蓄え、故郷に帰る。 資金は、弟の学費など…

 近藤芳美の歌

近藤芳美の歌 歌人、近藤芳美さんが六月二十一日に亡くなった。 近藤芳美は、日中戦争に召集されて中国戦線で兵として戦ったことがあり、 その体験から戦後、戦争を重要なテーマにして詠った。 その軌跡は、宮柊二に似ている。 戦争体験では、はるかに宮柊二…

 快・不快と、追究・追及

快・不快と、追究・追及 期待したことが期待どおりにならなかったとき、 感情の波立つ場合がある。 問い合わせたのに返事がない、 返事があって当然ではないか、 気が悪くなる、不快になる。 そこで起こるのが「邪推」、 人の行為を悪く推察する。 「気を悪…

 リンゴの木の箸置き

リンゴの木の箸置き アキオファームの、薪にするリンゴの小枝を何本かもらってきて、 箸置きをつくることにした。 奈良の緑枝舎でつくった箸置きは今も愛用している。 アンズ、ヒイラギ、キンモクセイ、 ただの枝ではあるが、細工して箸置きにしたそれらは、…

 教師になるための必須科目

霧 一昨日が夏至だった。 午前四時半、太陽が昇る。 朝霧が周囲の森や山、村々をかくした。 四月まで五年間住んでいた奈良の葛城・金剛山麓の家は、 真っ黒な天井板の隙間をふさぐ板を張っても、 冬の寒風が屋根裏を吹き抜け、しんしんと冷えた。 ぼくは、防…

  糸はりと草刈り

ちょっと手伝い アイガモの入るタカオさんの田んぼに、 糸を張るのを手伝いに行った。 細い黒糸にアルミのような銀色の繊維をまきつけてある鳥防止の糸を、 二反半の田んぼ全面に、 稲の1.5メートルほどの高さで、 縦横に張り渡していく。 こんなに細い糸、…

 サッカー・ワールドカップ

脱線と発展 トーゴって国、どこにあるか知っていますか? トリニダード・トバゴは? コートジボアールは? それらの国はどんな国ですか? 教室で先生たち、 質問を投げかけているだろうか。 サッカー・ワールドカップに出場している国々、 子どもたちの日常…

 チャレンジする若者たち 2

希望 近所の麦畑にコンバインが入った。 麦刈りだ。 このところ、大麦はすっかり枯れ色になっていた。 一反ほどの麦畑一枚を数条一挙に刈り取っていくスピードは、 キャタビラを響かせ、時速十五キロほどにもなる。 みるみる大麦は株元から刈り取られ、 一往…

 チャレンジする若者たち

アイガモ農法 アキオさんの田んぼにアイガモのヒナが入ったと聞いて見に行った。 一枚の田んぼ全面をおおって、ネットがかぶせられ、 田んぼの一隅にアイガモのヒナを遊ばせる囲いがあった。 そのなかを小さなヒナが泳いでいる。 全部で15羽、 かれらにと…

 家族の崩壊

ラッキョ洗い 土つきラッキョを妻が買ってきた。 「皮むきするから手伝って。」 声をかけられてテーブルに着いた。 ラッキョがとれるこの時期に、一年間分を漬ける。 洗って薄皮をむき、 茎を伸ばす先端の細い部分を包丁で適当な長さに切り取る。 ひげ根の部…

 道端での会話

絹さや これかね、絹さやだね。 去年秋に植えて、冬は雪の下にあっただが、 どういうわけだか、よく育っただね。 やわらかくて、おいしいだよ。 わたしゃ、しろうとだがね。 こうやって、畑してりゃ、 空気はいいし、景色もいいし、 よそへ行って、おしゃべ…

 かみなり

かみなり 久しぶりの雨が来た。 リンゴの摘果をしていた、四時ごろ、 東の空が暗くなって雷が鳴りだし、 ぽつり、ぽつり、 今日はここまで、 テルちゃんはウーファーたちを車に乗せて、 小倉山農場へ、 ぼくは、反対方向の自宅へ車を走らせた。 雨は北からや…

 道を行く子ども

大人のまなざしで守られる子どもたち ゆっくりゆっくり車が走る。 その車の少し前や横をちっちゃな子どもがとことこ走ってくる。 走る子どもは二人、 車の中には運転しているお母さんと、三番目の子どもが乗っている。 「子どもが走って帰ると言うんですよ」…

 唐箕

唐箕 大きな段ボール箱の宅配便が来た。 奈良の井上さんからだったので、中身が分かった。 わざわざ宅配便で送ってくださいましたか、申し訳けないことです。 それは引越しのとき、畑の農小屋に置き忘れてきた唐箕の一部で、 穀物投入口の四角な漏斗だ。 井…

 地域文化

地域文化に触れる 「安曇野を描く 安曇野の画家たち展」の会期が、 明日までというので、 豊科近代美術館へ行った。 元豊科町の美術館として1992年に地域文化の発展を願って建てられ、 去年の五カ町村の合併によって安曇野市立になった地域の美術館ではある…

 リンゴの摘果

手数をかけて 今日はリンゴの摘果だった。 アキオさんの家で、トラックに脚立を三台載せ、 ぼくはそれを運搬することになった。 ウーフさんは、新しい人が二人増えていた。 オーストラリアから来た男性青年と、 世界の各地へよく旅に出て、去年この農場へ来…

桃の摘果

桃の摘果 アキオさんから電話があった。 「桃の摘果なんですよ。人手がいるんで、来てくれませんか。」 一日二時間でも、半日でもいいから、手伝ってほしい。 OK、快く引き受けて、午前中の予定で出かけた。 爽やかな五月の晴れ間。 常念岳と大天井岳の雪…

 強風、今日も吹く

吹きすさぶ烈風 今朝はおだやかな天気になった。 おだやかな天気になると、心境もおだやかになる。 昨日、おとといは、台風並みの風が吹きすさんだ。 ガス会社の上条さんが、この地域には風の通り道がある、と言ったとき、 どのあたり?と訊いたら、 梓川の…

 子どもの名前を呼ぶ

名前を呼ぼう 会話の前に相手を名前で呼ぶ。 現代はこの回数がますます少なくなっているように思える。 親から、家族から、友だちから、 先生から、近所の人から、親戚から、 子どもたちは、一日何回名前を呼ばれているだろう。 生まれた赤ちゃんは、家族か…