サッカー・ワールドカップ決勝


      サッカー・ワールドカップ決勝


イタリアの歓喜とフランスの落胆、
勝敗は、数知れない必然と、
これまた数え切れない偶然の結果。
勝負の結果は、
一方を明に、一方を暗に分ける。
イタリアチームの顔に笑顔が爆発し、
フランスチームの顔には失望が影を落とした。
ひとつの歓喜の片側に、
負けて散った999の落胆が腰をおろしている。


ひとつの歓喜もまた、
それまでの無数の無念を含んでいる。
百千の落胆・無念を積み重ね、かみしめて、
ひとつの歓喜にいたる。


ひとつの歓喜にいたるのはひとつしかない。
失望をくりかえしながら、ひとつの歓喜に至らない999がある。


日が昇り、
日が沈む。
身体を鍛え、
技を研き、心を研く。


歓喜に酔うものと、
落胆に沈むものと。


健闘をたたえあえ。


空のうえで、希望がほほえんでいる。