強風、今日も吹く


      吹きすさぶ烈風


今朝はおだやかな天気になった。
おだやかな天気になると、心境もおだやかになる。
昨日、おとといは、台風並みの風が吹きすさんだ。
ガス会社の上条さんが、この地域には風の通り道がある、と言ったとき、
どのあたり?と訊いたら、
梓川の流域と言うのだが、
ここもそうなのではないかと、次第に思うようになってきた。
引越しのときに持ってきた黒スグリブラックベリー)の苗から、
新芽が二寸ほど伸びていたのも、
風で吹きちぎられてしまった。
庭に植えた五本のエンドウの苗一本が、
途中から風で折られた。
キャベツの苗七本に風除けビニールをかぶせたのは正解だ。
吹きすさぶ風はごうごう音を立て、
波板がばたばたと鳴る。
となりの田んぼを見ると、
我が家から飛ばされたものが田んぼの水に浮いている。


天候が変わるとき、
かならずと言っていいほど強風が吹き出す。
安曇野のように「野」が付くところは風が強いのかもしれない。
以前、一年半ほどいた那須野も風の国だった。
野の道を帰ってくる小学生の姿が、
畑の黒土を巻き上げて吹く風で見えなくなるほどだった。
中国人研修生に日本語を教えた濃尾平野の西尾も、
建物がうなり声を上げていた。


いつ止むかもわからない強風のなかにいると、
心が落ち着かなくなってくる。
心がざわざわっとしてくる。


心境というのは天候も関係してくる。
体調は心境に連動しているし、
生活状況も密接にかかわっている。
人の心境は、とりまくものによってずいぶん変化する。
そのときのその人の心境によって、
その人の人格を判断してしまうことはできないことだが、
そのときに現れたその人の心境を観て、
この人はこういう人だと断定していることがよくある。
いいかげんなものだ。


今日の風、午前は平穏だった。
それが午後、またもやぶんぶん吹きまくる。
強風も次第に慣れるてくることだろう。
風で心境が左右されるのも、ばかばかしい。
風よ、吹け。