サッカー・ワールドカップ


       脱線と発展


トーゴって国、どこにあるか知っていますか?
トリニダード・トバゴは?
コートジボアールは?
それらの国はどんな国ですか?


教室で先生たち、
質問を投げかけているだろうか。
サッカー・ワールドカップに出場している国々、
子どもたちの日常ではまったく知ることもない、
縁のない国々。
これらの国々を取り上げたTV報道が、
世界大会を機会にいくつかあった。
それを録画して子どもたちに見せた先生がいるかしら。


ワールドカップは世界を知るチャンスだ。
日本チームを応援するムードが教室に生まれているだろう。。
サッカーが強いとか、技術が上手だとか、
かっこいい選手だとか、子どもたちの話題を掘り起こす。
だが、それだけで終わるのではなく、
そこを入り口にして入っていき、
その国の社会や歴史、
人びとの暮らしや文化を学んでいく、
絶好の機会が到来しているのだ。
眼を世界に向け、
同時に自国を知るチャンスなのだ。
それを活用しない手はない。
TVで報道されていたアンゴラ
子ども時代はボールも買えず、
布をまいて作ったボールを使い、
裸足でサッカーをして遊んだ。
内戦が続いたためにサッカーを奪われた選手がいた。
逆境から育った選手、
その姿はその国の子どもたちに大きな夢を与えた。


敵同士になって戦争した国々、
彼らは憎悪・怨念を超えていこうとする。
ワールドカップの桧舞台に登場した、
知らない国のことを、子どもたちに調べさせるのも、
発展学習になる。


よく授業を脱線する先生がいる。
脱線ばかりして、学習を深めない先生は失格だが、
教科書をそのまま型どおり教えるばかりで、
なんの発展もない授業は魅力がないし、学習も深まらない。
学習を深め、深化させるには、発展が欠かせない。
筋書きどおり、教科書どおりから脱却して、
もっと主体的に調べる。
授業が脱線するときは核心からずれた感じになるが、
そこから核心に向かって焦点化していくのだ。
「脱線」のようでいて、学習の発展深化であるような、
生きた授業が子どもの興味・関心を引き起こし、
子どもを元気づけ、
知性を深めもする。
先生がおもしろがって脱線話を生き生きとするとき、
先生の眼はきらっと光る。
光るまなざしと、ユーモアを含んだ語り口が子どもを引き付け、
新たな学びの発端となる。


A班は、コスタリカという国のこと、調べてみましょう。
B班は、エクアドルだよ。
C班は、ガーナ。
だれか、クロアチアセルビア・モンテネグロのことを調べてみませんか。