知らないで、ムードで動く危険


       滅びゆく国家 日本はどこへ向かうのか


市の図書館へ行ってきた。
五つの町村が合併してできた市だから、五つの図書館がある。
穂高町の図書館は、北アルプス側が全面外界に開かれていて、
直接外の空気を吸うことができる。
勉強をしている高校生らしき子もいた。
本を二冊借りた。
立花隆「滅びゆく国家 日本はどこへ向かうのか」(日経BP社)
養老孟司対談集「ニッポンを解剖する」(講談社


立花隆の方を読み終えた。
「この国はいま、危ない大きな曲がり角を曲がりつつある」
「これから何年かして小泉改革負の遺産が社会のあらゆる側面に浸透してくると、
小泉改革に相当のネガティブな側面があったことが共通認識となってくる。
そしてついには、それが時代の常識になってしまうと、
あのような見かけだけの小泉マジック
みんなだまされてしまった時代があったことがまるでウソのように
感じられる日がくるだろうと思っている。
ちょうどあの戦争が終わったとたん、
全国民があれほどの戦争に熱中していたこと、
戦争中の国家指導者たちがあがめられていたことが
まるでウソのように感じられたのと同じように‥‥」


真相・真実を知らず、
ポーズを信じて、ムードで動いていく、
危険だと思う。
事実・真相をよく知り冷静に客観的に考える、
まずそこから始めなければ‥‥。


やつらは間違っている、
けしからん、制裁だ、
やっつけろ、
軍事力をもっと強めろ、
勇ましい論が、声高に論じられる。
たたかれる前にたたけ、
真珠湾攻撃と同じだ。


安倍官房長官ら一部政治家が、
敵基地攻撃の研究の必要性を論じていることに、
韓国が猛反発しているという。


今日の朝日新聞の「歴史と向き合う」では、
インドのパル判事が、東京裁判で示したものとは何だったのか、
を三ページにわたって特集している。
「日本無罪論」としてパル意見書を解釈してきた論が、
日本の戦争を擁護肯定する人たちに利用されてきたけれども、
その解釈の浅薄であることが指摘されている。


知らないで、知っていると思う、
実は知らないことばかりだ。
事実認識歴史認識を深めなければ、
政治を誤まる。
国を滅ぼす。