激減する野鳥

 

 

  雪が積もると、野鳥たちは食べ物が無くなる。野鳥は、軒下や植木の根方など、地肌が見えるわずかなところを、くちばしで掘り返しているが、食べるものはなかなか見つからない。そこで台所から出る野菜くずなどを庭においてやったりすると、いくらか食べに来ている。

    大雪の日、またもや無双網でスズメを獲る人がやってきて、近くのススキの群落に網を仕掛けていた。早速、日本野鳥の会に、メールを送った。

 

    「毎年、この季節になると、私の家の近くにある、ススキの群落地へ、スズメの捕獲にやってくる人がいます。狩猟の許可証は持っているそうです。狩猟者は何百羽のスズメを無双網で捕獲し、焼き鳥屋に売ると言います。スズメは、急激に減ってきています。以前は家の軒や電線に群れる姿を見ましたがもう見られません。以前私は、日本野鳥の会のツバメの調査に参加したことがありますが、夏に飛ぶツバメはわずかです。野鳥全体が減っています。心が痛みます。このような状態を放置していいのでしょうか。」

   

     野鳥の会から返事が来た。

    「スズメ件については、個人が、合法的な狩猟を行っているもので、現時点では対応できることはありません。カモ類の銃猟等と同様のものであると言えます。当会では、繁殖分布調査の結果を基に、環境省に働きかけ、公聴会で意見を述べ、減少が著しかったバン、ゴイサギが狩猟鳥獣から外されることになりました。モニタリング調査でスズメの減少が著しいという結果がでれば、行政への働きかけを行って狩猟対象から外されるよう努めるとともに、根本的な解決につながる生息環境の保全を検討することもあるかもしれません。また、当会ではバードウォッチングを普及しています。野鳥を見る人の数が増えることにより、生息地の悪化や密猟等が発見しやすくなり、野鳥保護の必要性を国などに訴えていく際の力も大きくなります。
 目の前での野鳥の捕獲は心が痛みます。風力発電へのバードストライクや、山林を伐採してのソーラーパネルの設置など、生息地環境の悪化も凄いスピードで進んでいます。
    当会では、支部等と連携しながら、野鳥の保護と生息地の保全を進めておりますので、今後ともご理解とご協力をお願いいたします。」

 

   こういう返答だった。地元の行政はどう考え、どう対処しているのだろうかと思う。

 

 ツバメ、ヒバリ、人の暮らしに身近なこの鳥たちが、激減している。