2021-01-01から1年間の記事一覧

流行するボカシ表現 つづき

コロナ対策右往左往。 三度目の緊急事態宣言の際の記者会見で、責任を問われた菅首相の論。 「そうした変異株への対策を行うことが大事だというふうに思っています。 ただ、その対策を講じることというのは、基本的な従来の対策を、そちらの勢いの方が強かっ…

流行する表現

安倍前首相は、「しっかりと」という言葉をよく使った。 それがはやりだした。 他の議員も、官僚も、「しっかりとやります」、国民も「しっかりやりましょう」、「しっかりやってください」。 少しも「しっかり」していないのに、「しっかり」だらけになって…

コウノトリ、トキがやってきた

五月に入って、珍しいことが二件、安曇野で観られた。 五月初め、我が家の前の田圃が田植えだった。唐沢さんが田かきの耕うん機を動かしているとき、その田に、見慣れぬ大型の鳥が降りている。ランちゃん散歩から帰ってきた妻が見つけて、あれはコウノトリだ…

安曇野の地下水

我が家では、愛称「しゅわさかさん」を自家培養して飲んでいる。沖縄、比嘉照夫さんの研究開発したEM菌が元になっているらしい。そのEM善玉菌を元にした「しゅわさかさん」に初めて出会ったのは、三年前の「福島の子ども、保養キャンプ」のミーティング…

政策を進める人よ

ある現場に行政上の課題が出てきたら、まず現場へ視察に行くだろう。当然のことだ。現場を観ないで政策を決めることはできないはずだ。 しかし「私は現場主義です」と選挙の時に主張していた人が、当選して庁舎に入ると、現場を観ないで政策を決めている。 …

森を守れない人たち

今は亡きCWニコル。ウエールズ出身で、日本に来て長野県の黒姫山の麓に住んで、森づくりをした。 探検家、小説家、自然保護運動家、ニコルは以前書いていた。 「私はこの国の自然と文化のもつ美を、私の娘と将来の世代のために残していこうと思う。 私の生ま…

死後に生きる夢のプロジェクト

この市で、こんなアンケートをとったら、どんな回答が集まるだろう。 「あなたは、自分の死後、どんな葬送を考えていますか。」 「あなたの入る墓地はありますか。」 七十歳を過ぎた人たちで、「考えている、準備している」と答えるひとは何パーセントぐらい…

この国の虚言

政治家がウソをつく。官僚がそのウソを補完する。文書もこっそり改ざんする。 ウソに鈍感、ウソが当たり前。ウソ免疫をもつ。 権力のトップや、権力機構に生きるものは、「自分は間違っているのではないか」と自己を問い直す思考から遠ざかる。「私の言って…

力なき者たちの力

政治家は大衆に向かって平然とウソをつく。ウソはウソでなく、方便だと思っている。 世界の強国、大国のつくウソは、自国を統治するとともに、他国を味方につけ他国に影響を与え、他国を支配下に置くためのウソ。 強国に武力で抑圧されてきたチェコのハヴェ…

日本沈没 4

「日本を救え!」の叫びは世界を駆け巡り、街頭で募金や集会が行われた。しかし自分たちの国に、大量に受け入れねばならない難民への不安や疑問が、各国の国民の中にあった。小説は、その葛藤する心理も描く。また放射能の不安についても触れていた。 「原子…

日本沈没 3

小説は叙述する。 「日本消滅の日せまる、という衝撃的なニュースが世界に流れた。 日本列島の主なる四つの島が、マントル変動によって、急速に沈み、地上の火山噴火と大地震によって壊滅的な破壊を被るだろう。‥‥国連はこの問題について緊急の安保理事会が…

日本沈没 2

田所博士が低い声で言う、 「大陸移動が始まって二億年、アルプス造山運動という地殻変動の最盛期が終わってから六千万年、地球史上、未曽有の火山活動をともなったグリーンタフ造山運動が安定を見てから二千五百万年‥‥。 われわれはふたたび新たな大地殻変…

日本沈没 1

小松左京のSF小説「日本沈没」のなかに、こんな文章がある。 地球物理学者、田所博士の弁。 「日本など、こんな国なんか、わしはどうでもいいんだ。 わしには地球がある。大洋と大気のなかから、もろもろの生物を何十億年にわたって産みだし、ついには人類…

花、満開

工房の屋根より高く育ったヒメコブシに、ピンクの花が咲き、 それを待っていたヒヨドリがやってきて、花の蜜を吸う。 昨年は、ヒヨのために、花がさっぱりこんと、貧素になったから、 今年は、満開のときを守るために、ヒヨ追いの「鷹の模型」をつくって、ヒ…

「どあい自然公園」が危機に直面

三郷地区の、黒沢川上流にある「どあいの森」、「安曇野市どあい自然公園」が今、危機に直面している。 そこは、「安曇野ワイナリー」からさらに黒沢川をさかのぼったところにある。 長年その谷の一軒家に住む大浜夫妻は、そこを活動拠点にして「どあい冒険…

地球がいくつ要る?

朝から居住区の堰掃除だった。農業用水路のゴミや草、落ち葉のたまっているのを、近隣の人が集まって取り除く。 作業の途中、雑談する。イワちゃん、胸骨を折って、入院している。足も腰も弱っている。一緒にコーラスもしてきたのに、もう言葉もほとんど話さ…

ヒバリが鳴きだす

朝六時、日の出が早くなった。もうすぐ日が昇る。 野の道で、塚原から歩いてくる、いつもの散歩おじさんに出会う。 挨拶をかわす。 「今日は温かいですねえ。」 「温かいですねえ。ヒバリが鳴きだしましたねえ。」 「えっ、ヒバリ? ほんとうだあ。ヒバリだ…

辻邦生のつづき

そして、辻邦生は、「詩への旅 詩からの旅」で書いていた。 「私が信州に暮らしたのは戦中から戦後にかけての時期で、東京から疎開した人々でもなければ、山や谷を訪れる人はいなかった。敗戦で虚脱したあとの数年は、信州の美しい自然は、ただ、むなしい太…

青春の旅

かつて辻邦生が、次のような文章を書いていた。こういう文章を読むと、なつかしさとともに、熱いものがよみがえってくる。 ☆ ☆ ☆ 北杜夫とともに、ローテンブルグから支線を乗り換え、ヴュルツブルグで本線に乗り込んだ時、胸がときめいた。15年来、抱き続け…

ぜいたくな朝

夜明け前、今朝はマイナス8度、ランを連れて外に出る。煌煌と輝く満月が西の空にあり、感嘆の声を上げた。昨日の宵に見た月がまだ空に残っている。 昨夜、あまりに見事な満月がくっきりと東山から出ていたから、「すごい光景だ、見ておいで」と妻に声をかけ…

教員の原点

かつてぼくは、教育という現場で生きていた。そのころ、しばしば思った。教師たちは本当にプロフェショナルと言えるか。 NO! 長野県の教員の犯した問題が時々報じられる。今日は体罰のニュースだ。 教員免許のない人が学校で教えていたということが問題にな…

不思議な音

朝まだ暗い。四時ごろだった。 ピッ、音が聞こえた。その音で目が覚めた。何の音だろう。 ピィ、また聞こえた。この音、どこから? 三度目、音が聞こえ、ふとんのなかで、数をかぞえた。 約一分ほどしてから、ピッ、ピィ、と来る。妻は眠っている、音に気付…

森喜朗発言の女性蔑視発言に思う

ドイツ文学者、小塩節がかつて著書「ドイツに学ぶ自立的人間」に、「女性の愛」について書いていた。その部分を要約しよう。 ☆ ☆ ☆ キリストが十字架にかけられたとき、弟子たちのうち誰が十字架のもとに付いて行ったか。ヨハネだけではないか。十字架のもと…

我が家のジョウビタキ

毎日、「おジョウ」が楽しみだ。ガラス 戸一枚を隔てて、ベランダのテーブルの上、わ.ずか五十センチほどの距離にいて、こちらを眺めている。 「おジョウが来たよ」 これが、我が家の朝のあいさつ。 細い線香のような脚、黄金色の産毛のようなお腹の毛、ふわ…

「ラトビア100年物語 歌と踊りでつないだ誇り」

NHKで再放送されていたのを録画して、昨日観た。 圧倒される内容だった。 大地から湧きおこる、何万の民族衣装を着た人々の歌と踊り、見事なハーモニー。 ぼくは合唱を聞き、歌い踊る人々の表情を見、苦難の歴史を聞きながら、感動に胸ふるわせていた。 歌う…

月と太陽のショー

今朝、 夜明け、 満月が西山に傾いていた。 一晩輝いていた満月、その表面が見える。 東山を見ると、しののめは紅く染まり、 西山はモルゲンロートを待っている。 予感する。 西山の常念岳に満月が沈むとき、 東山の美ケ原から日が昇る。 沈む満月と昇る太陽…

カナダの多文化共生の歴史

高賛侑君は、1963年、私が中学教員になって三年目の初めての卒業生だった。彼は教え子だが、今は彼から私が教えを受ける。 あの年、高君は学級委員長だった。私は、秋に学級弁論大会を実施した。コリアンの女子、ミンジャが弁士になって、教壇に立って発表し…

何故なんだ?

小学生の、P君、桃子、コンキチ、よね、タブゾウと話をした。 「昔、日本は戦争をしました。相手の国はどこですか?」 「アメリカ、中国です。」 「それだけですか?」 「ソ連ともしました。」 「そうです。アメリカ、ソ連、中国、そのほかイギリス、オラン…

今朝公民館で思ったこと

今朝は8時から地区の公民館の掃除当番だった。 毎月第二日曜日が清掃日になっている。ぼくの所属する班ともう一つ別の班が、今年度一月十日が当番。 ぼくの班はたったの4軒。旧村地区の外に後から建てられた住宅地。もう一つの班は村中の11軒。 ぼくは今…