五月に入って、珍しいことが二件、安曇野で観られた。
五月初め、我が家の前の田圃が田植えだった。唐沢さんが田かきの耕うん機を動かしているとき、その田に、見慣れぬ大型の鳥が降りている。ランちゃん散歩から帰ってきた妻が見つけて、あれはコウノトリだと思って唐沢さんに、
と叫んだ。唐沢さんも鳥を見てびっくり。
すでに数日前にも地元新聞に、コウノトリ飛来のニュースが出ていたらしい。兵庫県豊岡のコウノトリの郷から飛んできたのだろう。
ヨーロッパでは木のてっぺんに巣作りが見られる。中国でも木の先端の巣を観たことがある。しかし日本の野生コウノトリは絶滅した。そこでコウノトリ復活の取り組みが起きた。飼育と保護が行われた。2005年、放鳥が始まった。野生復帰。現在、兵庫県北部の但馬地域を中心に繁殖個体群が復活し、200羽を超えるコウノトリが全国の大空を翔けているという。
二日前、今度はトキが安曇野に飛来したというニュースが報じられた。佐渡からやってきたのか。トキもまたいったん絶滅し、復活に向けて取り組みが行われている。
田植えの済んだ安曇野。小さな稲の苗が並んでいる。田に水が入ると、やかましいほどのカエル大合唱が夜の田圃に展開されたけれど、今年カエルの声が少ない。コウノトリもトキも、安全な餌が充分に得られるか、不安がよぎる。
昨日、この地に来て初めて、ホトトギスの声を聴いた。遠くで鳴く、「テッペンカケタカ」の聞きなし。カッコウも初鳴きを聴く。