ぜいたくな朝

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 夜明け前、今朝はマイナス8度、ランを連れて外に出る。煌煌と輝く満月が西の空にあり、感嘆の声を上げた。昨日の宵に見た月がまだ空に残っている。

 昨夜、あまりに見事な満月がくっきりと東山から出ていたから、「すごい光景だ、見ておいで」と妻に声をかけた。妻は外に走り出て、「すごい、すごい」と叫んでいた。

 その見事な月が今、常念岳の肩に沈んでいく。 

 この光景を観ている人はどれだけいるだろう。

 ご近所のOさん、出てきて、見てごらん、

 声を掛けに行こうかと一瞬思った。けれどそれはご迷惑。安眠妨害だ。

山の稜線に月がかかると、何秒ぐらいで完全に没するのかと、数えてみた。約一分ぐらいだ。このときだけ、月の速さが感じられる。

 東の空を眺めると、太陽はこれから昇ってくるところだ。常念岳に日が当たる。

 幽玄にして壮大な天体の美、この素晴らしさを見ることも味わうこともなく、多くの人々はその時を過ごしている。まだ寝床の中にいる人、朝ご飯を準備している人、テレビを見ている人、温かい室内にいて、宇宙の動きを感じることもない。

 

 今日は昼間は温かくなりそうだ。冬耕、あと二畝残っている。スコップを足で踏んで、土を持ち上げ、裏返して土に戻す。ホトケノザ、オドリコソウにつぼみが付いている。もう凍土ではなく、土は柔らかい。

 このごろ、ヒヨドリが毎日やってくる。ヒメコブシの開花を待っているらしい。つぼみが膨らんでいる。花が咲きだすと、たちまち彼らのごちそうとなる。