長年その谷の一軒家に住む大浜夫妻は、そこを活動拠点にして「どあい冒険くらぶ」という子どもたちのキャンプを営み、自然の中で子どもたちの感性と心身を鍛えてきた。
周囲が森に囲まれ、車の音も聞こえない「どあいの森」。
ここにはチョウやヤンマ、カブトムシ、クワガタ、池の水生昆虫、小鳥たちが棲んでいる。キャンプの夜の静寂と、星空の美しさは格別だ。
その森が今、危機に直面している。森が伐採されて、そこに太陽光発電のパネルが一面に設置される計画が進みつつあるという。
これが実際に行われれば、市民憩いの「どあい自然公園」も、「どあい冒険くらぶ」キャンプ場も、決定的な被害を受けることになるだろう。
安曇野に住む子どもたちは豊かな自然の中で生活しているように見える。しかし、移住してきた親が言っているのを聴いた。
「生活の場に、カブトムシやクワガタムシ、ヤンマやアゲハチョウのいる林や草原や水場がひとつもありません。どこかにありますか。」
昔から安曇野に住む高齢者が言った。
「初夏になるとホタルがいっぱい飛んだがのう。今は一匹もいない。」
「どあいの森」の自然、いつの日にか、ここで夏を過ごしたフクシマの子どもたちは、思い出のこの場所にやってくることもある だろう。フクシマの親子にとって、かけがえのない安曇野の聖地。
市の行政にたずさわる人たち、学校の教職員の方々、PTAのお父さんお母さん、市民のみなさん、解決策を考えてください。