お奨めウォーキング道 <豊科駅からアルプス公園まで>



ソバ畑と麦畑



検査をすることになっていたから、病院まで25分、自転車で行った。
天気がよければ自転車がいい。
駅まで歩けば小1時間かかる。行きは下り道だ。
うっそうとした神社の木々の下を抜け、古い農家の土壁の倉にそい、
庭に咲く花を見、田んぼの中を一直線、風を切る。


サイクリングやウォーキングにぴったりの道を探していた。
この道はいける。
これは豊科駅から安曇野アルプス公園までのウォーキング道にふさわしい。
車にも出会わないし、静かできれいな道だ。
昔ながらの道だから、くねくね回りはするけれど。
それがまた味わいがある。
だが、駅近くになると、どうしても車の往来する道路に出てしまう。
帰り道、コースマップをつくろうと思いながら、上り道を自転車こいできた。


見つけた道は、
豊科駅から市役所支所横の大糸線踏切を渡るとすぐ車道を避けて右折し、集落の裏側に回る。
そして田んぼの中の道を、北アルプス常念岳目指して西に歩く。
田園地帯を過ぎれば、一部新興住宅の混じる古い村に入る。
風雪に耐えてきた土蔵や民家、納屋、
歴史を刻み込んだ稲架(はざ)の丸太、木のはしご、
沈黙して動かないそれらを包み込むように、緑の命が燃えている。
イチイの垣根、バラの香り、コデマリの白、ジャーマンアイリスの紫、
山から流れ下ってきた水が音を立てている。
広域農道を横断する。
この新道がつけられるまでは、上から下へ分断されることなく続いていた街道沿いの昔の村が、
この広域農道によって断ち切られ、そこには横断歩道はなく、渡るには車の切れ目を見なければならない。
建設の名目は広域農道だが、むしろそれは産業道路であり、観光道路であり、すっかり車のためだけの幹線道路になってしまっている。
渡り終えると、ふたたび古い農村のたたずまいの中を行く。家々の周りに高く生い茂る木々は、家の高さの2倍以上はある。
野道に入り、麦畑、ソバ畑、水田の間を、山を見、草花を見、鳥を見ながら風に吹かれ、諏訪神社の境内をつっきっていくと、山麓線に出る。
アルプス公園と烏川渓谷はすぐそこだ。
麦は今、大麦が黄色に熟れ、小麦はまだ緑色が濃い。
ソバは白い花を一面につけている畑と、これから育つ畑とがある。


まず一つお奨めウォーキング道が見つかった。
この地図を完成して、駅にでも置くとするか。
パブリックフットパス、まずは1本からだ。