「全日本おばちゃん党」


 「全日本おばちゃん党」というのができたという。大阪の中年女性中心に、「党員」1000人超とか。コメントをくれたmichiさんからの情報を得て、毎日新聞を読んでみた。
 「全日本おばちゃん党」の谷口真由美代表が語っている。
 「オッサン政治劇場に嫌気がさした」。インターネット上のこんなつぶやきをきっかけに、大阪のおばちゃんたちが中心となり、昨年9月に「全日本おばちゃん党」を「結党」した。交流サイト・フェイスブックを舞台に、暮らしから政治まで井戸端会議を繰り広げ、今や「党員」は女性ばかり1000人以上。
 −−―結党のきっかけは。
 ◆ちょうど民主党の代表選と自民党の総裁選をやっててんけど、テレビを見ても、ダークスーツのオッサンばかりでジジむさい。「おばちゃん党でも作ったろか」と書き込んだら「ええやん」「入るわ」と共感の書き込みが来て。「政治にツッコミ入れる場を作りたい」と思って、シャレと勢いで作った。
 「おばちゃん」という言葉を肯定的にとらえたかった。世間では蔑称みたいに思われてるけど、それは「女は若くなければ値打ちがない」という既成概念が生んだもの。ヒョウ柄やアメちゃんで象徴される「大阪のおばちゃん」しかり。おばちゃんには、おせっかいやら、自分を下げても人をバカにしないとか、エエとこがいっぱいある。
 −−―フェイスブックでは何を話しているんですか。
 ◆更年期のつらさや子どものおねしょから、領土問題にアフガニスタンまで何でもアリ。「暮らしのことは政治のこと」やからね。「縦」でつながるオッサンと違って、おばちゃんたちは肩書に関係なく横でつながるのがいいところ。意見が違っても認め合い、何となく議論が収束する。
 −−―「結党」にはどんな反応が?
 ◆男性中心社会の傾向が強い地方のおばちゃんたちの反響がすごかった。「周りに言っても理解してもらえない話が、ここでは共感してもらえた」って。「息子と選挙の話をしていたら、しゅうとめから『オナゴはそんなことに口出さんでええ』と言われた」という書き込みもあった。
 −−―おばちゃん党の目標は。
 ◆おばちゃん全体のボトムアップ(底上げ)。教員とか医師とか、一部のエリートの女性による運動やったらあかん。そういう人たちにとったら、どうやったら普通のおばちゃんに届くのか、分かりやすい言葉で話す練習になる。議論する場に慣れてないおばちゃんにとったら、自分の意見を言う練習になる。
そして作り上げたのが、以下8項目の「全日本おばちゃん党 ハッサク」。大阪維新の会の「維新八策」にあきれた、おばちゃんたちの対案。
(その1)うちの子もよその子も戦争には出さん!
(その2)税金はあるとこから取ってや。けど、ちゃんと使うなら、ケチらへんわ。
(その3)地震津波で大変な人には、生活立て直すために予算使ってな。ほかのことに使ったら許さへんで!
(その4)将来にわたって始末できない核のごみはいらん。放射能を子どもに浴びさせたくないからや。
(その5)子育てや介護をみんなで助け合っていきたいねん。そんな仕組み、しっかり作ってや。
(その6)働くもんを大切にしいや! 働きたい人にはあんじょうしてやって。
(その7)力の弱いもん、声が小さいもんが大切にされる社会がええねん。
(その8)だからおばちゃんの目を政治に生かしてや!

 <ぼくのコメント>
 「政治にツッコミ入れる場を作りたい」と思って、シャレと勢いで作った。これぞ浪花のおばちゃん気質や。フェイスブックでつぶやく段階から、ほんまに政治の舞台に踊り出たらどうや。全国のおばちゃんが立ち上がったら、日本は変わる。そして、故なだ・いなだがインターネット上で作った「老人党」。ダークスーツのオッサンばかりでジジむさい老人ではない老人の党。戦争体験をもち、戦後の飢餓を生き、公害・環境破壊をつぶさに見て闘ってきた「世直しじじばば党」だ。おばちゃん党とじじばば党が、エールを送りあい、手を携える。
 口先だけの、駆け引きばかりの職業政治家はもう要らない。権力志向のおっさんにくっついていく女性議員ではあかん。そういうおっさんに対向する女性による「おばちゃん党」が政治を変える。