安曇野

烏川渓谷を歩いた

「今から烏川渓谷へ行こう。」 昨日午前、突如ワイフに声をかけて、車で五分ほど、烏川緑地に行った。 あまりに燦爛たる快晴、この時をおいてなるものか。 森の中をちらほら散策する人がいる。お父さんが幼児を肩車し、もう一人の手を引いて歩いている。 常…

年に一回、今だけの喜び

道祖神桜まで歩けば、1000歩ぐらいかな。行ってみたら、やはり写真撮影に来ている人がいる。 あちこちで桜が満開、早咲きはもう峠を過ぎた。 花は年に一度咲くだけど、その「年に一回」を楽しみにしているものがたくさんいる。楽しみにしているのは、人間だ…

危機意識 もうひとつのメッセージ

畠野さんから、数日前、もう一つメッセージが届いていた。医師からの悲壮な訴えだ。日々状況が深刻になって、今はさらに危機的だ。いくつかの都市で緊急事態宣言も出される。 昨夕、区長の家に行って、このドクターの文章を渡し、当面の区の活動(集会、桜の…

このような雑木林が安曇野から確実に消えている。 昨日は一日雨だったが、今朝は晴れた。五時五十分からランと歩く。 太陽の上る位置が、冬至のころは美ケ原の南の峠だったが、今朝は美ケ原の山体を越えた北の峰に移動していた。 ヒバリが空に舞い上がってい…

ヒマワリの種

去年、孫が送ってくれたヒマワリの種、 庭に蒔いて伸びた六本の芽は、 あれよあれよ、三メートル近くになり、 その花がまたでかくて、直径三十センチほどあった。 でかくなれば、風当たりも強い。 強風が吹くたびに、花の重さは幹を傾がせ、 花が実になると…

山の光

午前5時過ぎからランと散歩に出た。まだ暗いが、うっすら明るくなってきている。 山の方へ歩いた。常念山脈が西の空に黒く横たわっている。別荘だろうか住宅だろうか、前衛峰のかなり上の方に街灯の明かりらしき光が見える。 カラスがねぐらから出てきて、二…

田舎のモーツァルト音楽祭

一昨日、穂高東中学校で開催された第21回「田舎のモーツァルト音楽祭」に行ってきた。今年の生徒たちの演奏の最後に行われる、生徒と来場者全員による合唱は「大地讃頌」だった。7年前に参加した時は、全生徒と来場者による合唱は「レクイエムから」だった…

強風にバラのアーチが倒れた

稲田の中の数軒家、ときどき強風が吹く。 廃材の丸太を使ってバラのアーチを作ったのは十年ほど前、朝起きるとそれが風で倒れた。これから花を咲かせようと、つぼみをつけていたのに、さっぱりワヤや。 この強風にバラのアーチが耐えられなかったのは、バラ…

アルプス公園

ランを連れて、洋子とアルプス公園へ行った。チューリップの花が見ごろで、区分けされたエリアに各種、各色の花が整然と植えられていて、それなりに美しい。でもやはりいちばん美しいのは、雪の山岳で、そして芽吹きの木々だった。 園内にドッグランがつくら…

花盛り

停まった車の運転席からおっちゃんが、声をかけてきた。 「道祖神どこかね?」 「道祖神桜? それならこの道まっすぐいったら右にあるよ。見えてくる。」 三年前亡くなった写真家の中沢さんが元気な時に、道祖神を二体つくり、コヒガン桜を二本、あぜの道祖…

 旧篠ノ井線の廃線敷きを歩いてきた

昨日の文化の日に、明科の旧篠ノ井線の廃線敷きを歩いてきた。 「あづみのシティマップの<わが区の紹介>で私が最も注目したのは、明科の潮沢区だった」と前々回に書いたその旧篠ノ井線の廃線敷き。 あまりに天気が良かったので、午後に、この日を逃すまい…

 秋深まる

昨朝、初霜が降り、今朝は気温一度になってまた霜が降りた。 常念岳は初冠雪。その前山はすっかり紅葉している。 扇町コーラスの仲間、タカコさんから、 「ハックルベリーを採りに来ませんか。」 と声がかかり、一週間ほど前、アルプス公園の下にある家にも…

 文化と歴史の香る都市計画 <3>

安曇野のオアシス 砂漠を旅してきた旅人はオアシスで体を休める。オアシスには水があり緑が茂り、人びとが住む。安曇野は日本のオアシスと言えるだろうか。視点を狭めて、安曇野の中にオアシスはあるだろうか。あるとしたら、それはどこだろう。体と心に、安…

 文化と歴史の香る都市計画 <2>

一市民の提案として、安曇野市の出前講座で発表したのは「歩く文化」を生み出そうというものだった。「歩くこと」を文化としてとらえ、考える。人類は「歩く」ことから長い歴史が始まったのだが、現代社会は車社会になってしまったために、歩くことが極端に…

 文化と歴史の香る都市計画 <1>

ローテンブルグ、城壁の外 ご近所の中村さんが声をかけてきて立ち上げた居住区のサロンの第三回目を昨日公民館で開催した。中村さんが改名したいということで、「扇町サロン」の名は「白樺の会」になった。昨日は12人集まり、安曇野市から都市計画課の課長と…

「大王わさび園」から考える

いたるところに歩く人のための道がある。 道端にベンチがあり、湧水でのどをうるおし、 道の並木はどこまでも続き、 夏は木陰、春は花の中、秋は紅葉と木の実、出会う人とちょっとおしゃべり。 小さなお店が出ていて村の人が野菜や果物を売っている。かすか…

 福島の親子とともに、「安曇野ひかりプロジェクト」

昨日、福島の親子たちは帰っていった。林でたくさんのクワガタやカブトムシをとった。どあい冒険くらぶのハマ隊長は、しみじみと語った。虫もぼくたちも生きている、虫もまた生きたい、福島へ持って帰るのは、虫さんにとってどうなんだろう、ぼくたちも生き…

 山田多賀市の「生活の仁義」に描かれた職人気質

堀金公民館で毎週日曜日に開いている日本語教室でのこと。スタッフの高橋さんが、コピーのつづったのをぼくに手渡し、 「私の参加している読書会で読んだ小説です。安曇野の堀金三田出身の小説家で、戦時中の雑誌の掲載ページのコピーです。読んでみて感想を…

  二つの出来事

黒豆を播く。 三、四粒の豆の播き穴に、草木灰をひとつかみ入れる。その上にモミガラをやはりひとつかみ置く。明日は雨になる。 草木灰は畑と周囲の草刈りで、それ用に枯れ木と彼草を燃やして作っておいた。草木灰を入れるのは、子どもの頃、田んぼの畦に大…

 扇町サロン

なんとも虫は不思議、奇跡だなあと思う。 第二回「扇町サロン」を一昨日、公民館で開催した。第一回が「人間のの眼で観た安曇野の景観」だったから、今回は、「虫の眼で観た安曇野の自然」がテーマ。市役所の昆虫の研究家・那須野雅好さんに昆虫の写真をスラ…

 花咲く春の野

土筆(ツクシ)の大群落だ。 畔一面に、緑の草も混じる枯れ草の上に礼儀正しく、 枯れ色の土の筆をしゃきっと立てている。 目立たない質素な坊主頭。 野を見回すと、あっちの畔にも、こっちの畔にも、 土筆の大集団。 昨年はこんなに大繁殖ではなかった。 別…

 市民の声は行政にとどくか

赤レンガの東京駅、美しい。だがその背後に、にょきにょき近代ビル。京都でも奈良でも、なんでここにこういうのを建てたんや、と思う。すべては後の祭り、日本にはそういうことは山とある。沖縄辺野古の海を埋め立てて米軍基地をつくっている。辺野古の海に…

 夜明け

朝、まだ薄暗い。東の山際は朝焼けがきれいだ。日の出が近い。 道の向こうに赤っぽい服が見える。あの少年だ。彼は中学一年生、とぼとぼと歩いてくる。ランを連れて近づいていくと、いつものように寒そうに手をポケットにつっこみ、頭をフードでおおって、こ…

 キツネのねぐら

圃場整備で道はみんな直線になっている。大型機械が入れて、作業が効率的にできるように、一枚の田んぼの面積を広げて正確な方形につくり、道路は広げられて直線に変えられた。 自然界には直線がない。すべては曲線である。直線は人工的なものであり、だから…

 公園の紅葉

久しぶりにランを連れて、夫婦で公園に行ってきた。 サルも出没する渓谷は、野性のにおいが充満しているからだろう、ランは興奮状態だった。カラマツの黄葉は、すでにいちばん美しい時は過ぎていた。

「扇町サロン」第一回・テーマ「次世代に誇れる安曇野の景観」<3>

講座とサロンの座席をどうするか、中村さんはテーブルを四つの島にして、一つの島に四人が座る、市からやってくる講師二人は、前のテーブルに座る、われわれ二人はいちばん後ろに並んで座る、という案を提示したのでそれにした。 講座が始まり、このような出…

 「扇町サロン」第一回・テーマ「次世代に誇れる安曇野の景観」<2>

サロンにコーヒーとケーキを用意するということになり、それをどうするかで中村さんが何度も我が家にやってきた。扇町の公民館では湯を沸かすことはできるが、20人分のコーヒーを淹れるカップも道具もない。中村さんは、「それじゃあ店に売っているふた付の…

 「扇町サロン」第一回 ・テーマ「次世代に誇れる安曇野の景観」<1>

近くに住んでいる中村さんが我が家にやってきたのは一か月前だった。安曇野市が企画している、市職員による「出前講座」をこの区でもやってもらい、それを入り口にして、みんなでコーヒーを飲みながら語り合う会をつくらないか、中村さんはそう提案した。 そ…

 刈田に立った男が演説

畑へ行こうと、作業着に着替えていると、天から声が聞こえてきた。スピーカーから出る声は、選挙の宣伝カーだ。今ちょうど、市議会議員と市長と、国会議員の、三つの選挙運動が重なっている。村はずれのこの辺りにも、市議会議員候補者の車が時々やって来る…

 画廊カフェ

敬老の日に、村の合唱団「扇町コーラス」がデイサービスセンターで歌ってきた。高齢者40人ほどが座って静かに聞いてくれた。「いっしょに歌おう」の時は、7割ほどの人が声を出してくれた。歌っているぼくには皆さんの声は聞こえないが、口の開け方でその…