ランを連れて、洋子とアルプス公園へ行った。チューリップの花が見ごろで、区分けされたエリアに各種、各色の花が整然と植えられていて、それなりに美しい。でもやはりいちばん美しいのは、雪の山岳で、そして芽吹きの木々だった。
園内にドッグランがつくられていたので、そこでランを放した。数頭の小型犬がすでにそこで走り回って遊んでいた。犬と犬のトラブルもなく、久しぶりでランは、投げる枯れ木の断片を走って取ってくる運動に応じていたが、老犬は次第に疲れて、投げる木の枝に見向きもしなくなった。
今朝は、気温が低かった。朝の散歩のときは、道端に霜柱が3センチほども立っていたし、霜も降りていた。それがお昼近くになると、コートを脱がなくてはならないほど気温が上がってきた。
園内に業者が移動販売車でいくつか店を出していた。五平餅の店があったから、五平餅を買って食べた。犬を連れている人が結構多い。かわいい小型犬を台に座らせて、帽子を取り換えてはかぶらせ、チューリップをバックにモデルの写真撮影よろしくカメラで撮っている人がいた。犬は分かっているようで、ポーズをとって動かずに映されている。
強い地方なまりのおばあちゃんが、ランを見て話しかけてきた。松本空港へ飛行機で来て、やってきたという。自分も犬を飼っており、何歳になりますか、とニコニコ笑いながら話す。その訛りが九州の方言だなと思っていると、熊本から来たと言って、
「いだてん、見てますか」
と、ひとしきりNHKのドラマ「いだてん」を話をした。熊本弁は温かい感じがして、ぼくは好きだ。