秋深まる

 昨朝、初霜が降り、今朝は気温一度になってまた霜が降りた。
 常念岳は初冠雪。その前山はすっかり紅葉している。
 扇町コーラスの仲間、タカコさんから、
ハックルベリーを採りに来ませんか。」
と声がかかり、一週間ほど前、アルプス公園の下にある家にもらいにいった。
「柿も、もっていきましょ。」
と、黒いハックルベリーの実のついた茎をタカコさんは鎌でばさばさと切り、
柿の木にのぼって渋ガキも枝ごと切り取り、
おまけに、
「カボチャももっていきましょ。」
畑の草の中から十個ほど大小の実を拾いだした。
 庭の東屋で六十年前の話を聞いた。
 飛騨から籠に乗って、お嫁さんが野麦峠を越えて、この安曇野にやってきた。
「その時の籠が、我が家にあったけど、今は郷土資料館に入っていますよ。」

渋ガキはすぐに皮をむいて、糸で結んで軒に吊るした。
百個ほどある。
今年の冬は孫たちが帰ってきたら、大好きな干し柿を見て大喜びするだろう。

一昨日、今度はアヤコさんから声がかかった。
「今年は柿がいっぱいなったで、採りに来ましょ。」
家に行くと、もう木から枝ごと切り取って、実をもいであった。
「昨年は、柿がもらえなかったから、干し柿食べれなかったけれど、今年はいっぱい作れるよ。うれしいね。」
二百数十個もらった。
夜なべで川を剥き、ヒモで十個ずつ結んで軒に吊るした。
これからハックルベリーの実のジャム作りだ。量が多かったから半分、ご近所の大友さんにおすそ分けした。
砂糖とレモンと重曹を準備して、さて始めるか。